AI激戦時代に占いはどう変わるか|しっしーと秦由佳の赤裸々オンライン配信書き起こし
導入 ── 今日のテーマ
秦由佳:さあ、それでは始めていきましょう。今日のお題は「AI激戦時代に占いはどう変わるか」。この話を、しっしーと一緒にしていきたいと思います。よろしくお願いします。
今回は急遽開催することになった話なんですけれども、テーマの中心にあるキーワードは、たしかに「占い」です。これは、私たちが潜在数秘術協会といって、数秘術という占いを扱っているからというのもあるんですが、実際には占いの話だけにとどまらず、いろんなところに話を展開しながら、今日は人間の深層心理というものに触れていきたいと思っています。
なので、しっしーにもいろいろ話を聞きながら進めていきますね。実際に現場でたくさん講座をしてきているのは、私よりもむしろしっしーなので、皆さんがどんなふうに受講したり、占いに来たりしているのかという話を、ぜひ聞いてみたいと思っています。
それでね、さっき開始前に皆さんにも聞いていたんですが、今はAIを使って、占いだったり、自分のホロスコープや数字、命術・命式といったものを、すぐに見られるようになりましたよね。それをしたことがある方、という形で聞いてみたんです。私自身も実際にAIを使って、自分の命式や、数秘術以外の自分が知らない占術の回答を出してもらったことがあるんですけど──皆さんはどうでした? しっしーはどうでした、ちなみに。やってみて。
しっしー:見る側として、ですね。そうだなぁ。なんだかいろいろ面白かった、というか……。面白かったんですけど、という感じですかね。
最初は「こんなにたくさんのことが知れちゃうんだ」となるんですよ。これはみんな同じかどうかわからないけれど、だんだん見ているうちに、自分の中でいろいろと違和感を感じてきた、という感じなんです。
情報の価値は「受け手」が決める
秦由佳:これね、私が思うのは、たとえばAIを使って情報を調べたり、今の話みたいに自分のことを知りたくてAIから様々な占術に関する知見や情報を入手したとするじゃないですか。そのとき、「すごくいい」となるケースと、「かえってわからなくなる」ケースの二つがあると思っているんです。
その「いい」となるケースは何なのか、「微妙」となるケースは何なのか。それを見ていくと、AIの私たちにとっての役割や、そもそも人はどうして情報を必要とするのか、ということが見えてくると思うんですね。
一つ、はっきりしていることがあります。たとえばAIに聞く前に、自分の中である程度答えが固まっているとしましょう。その固まっている答えに対してAIに確認を取る。あるいは「こういう感覚があるんだけど、これをどう見ていけばいいか、どうさらに確信していけばいいかを知りたいから教えて」という形で情報を取りに行く。すると、AIから情報を与えられたときに、その情報はすごく生きてくるんですよね。
つまり、自分の中にすでに感覚的な答えがあって、その感覚にはもう自覚があるんだけれど、うまく言語化ができないとか、もうちょっと表現を探したいとか──そういうときに、情報はすごく役に立つんです。
だけど、そうじゃない場合。つまり自分の感覚が定まっていなかったり、そもそも自分の中に答えがない、もしくは答えすら求めていないような状態のときに、たくさんの情報を与えられても、人間はそれを処理することができないんですね。そうすると情報の海というか、逆に言えば、情報というものが自分をより混乱させてしまう要素になってしまう。これが、一つ明確になっていることなんです。
これってさ、私たちが占いをやっていても、占いの講座をやっていても、よく思うことじゃないですか。
しっしー:情報があればあるほど、余計に混乱する。何が必要かわからない、みたいなね。わかった上だったら本当にいいんだけど。これは、やる方もそうだし、おそらく受ける方も一緒かなと思います。
秦由佳:そうなんです。だから、優れた占い師というのは、相手の中にすでに相手が持っている答え、というところに集中して、そこに当てはまる情報や、占いならその鑑定結果を提供することができる。そういう占い師や鑑定士は、要は、すごく優れているんですね。
占いや鑑定、こういう講義でもそうなんだけど、「あ、それそれそれ」「それが知りたかった」「それを聞きたかった」「それが言語化したかったこと」「それを自分も言いたかった」というリアクションが返ってくるとき、「ああ、情報というものが、この人にとって本当に役に立ったな」となるんです。
だけど、情報そのものに価値があるかどうかは、また別なんです。だから、価値がある情報であっても、それがAさんにとっては最大の価値になるけれど、Bさんにとっては価値のないものに変わってしまう、打ち消されてしまう、という現象が起きるんですね。つまり、情報の価値というのは、受け手側がすべて決めてしまうものなんです。
はい、わかりますか、この話。どうでしょう。皆さんにとってどんなふうに響くかはわからないので、何か書いてくれると嬉しいですけど。でもね、本当にシンプルにそういうことなんですよ。
情報というのはすべてにおいて価値があるんです。ただ、受け取る人にとって、それがしっかり倍増していくような価値になるのか、そうじゃないのかは、結構変わってしまう、ということなんですね。
占いとは「確認作業」である
秦由佳:だから、たとえば占いをするにしても、占いの役割を考えたときに、人はどうして占いを求めて占い師のところに行くのか。ほとんどの場合は、何かを知りたくて、何かを教えてほしくて、というよりは、潜在的には、みんな確認作業に行っているんですね。確認作業に行っているんです。
そう、「確認作業に来ている」と思ったら、すごくわかりやすい。そうしたら、その人が一体何を確認しようとしているのかを、こちら側がキャッチできれば、すごく良いコミュニケーション、すごく良い情報のやりとりが生まれますよね。
ここで、もしこちら側がすごく意地を張って、たとえば「自分が知ってほしいことはこれなんだ」と思ってしまう。でも、それは相手が確認したいことや知りたいことではなく、こちらが「知ってほしいこと」なわけです。ここに乖離があったとするじゃないですか。この乖離があったとき、「知りたいこと」と「知ってほしいこと」の大きなギャップをどう埋めるか──これは、実はAIにはできないことなんです。
なぜかというと、AIには体がないから。今はコロナによって私たちはオンライン化してしまって、占いもオンラインコンテンツ化してしまったりしているんですけど、長い歴史を見ると、占いは遥か昔からあるもので、常にオンラインではない場で行われてきたんですね。
要は、占いの館って、みんな行ったことありますか。しっしー、占いの館、行ったことあります?
しっしー:あります。
秦由佳:占いの館に行かなくても、その辺でパッと占いって受けられるじゃない、携帯さえあれば。でも、なんで占いの館に行きたくなるのか、なんですね。
しっしー:ほうほう。なぜわざわざ、という感じですか。
秦由佳:そう。なぜだろうね、って考えてみてほしいんです。なんでだと思いますか、ということになるんですが。
人はなぜ「占いの館」に行きたくなるのか
秦由佳:ここに一つヒントがあって、次はこのお話をしていきたいと思うんです。AIが簡単に占いの専属占い師になってしまえるような時代において、人間占い師はどうなってしまうのか、という話につながっていきます。
さっき言った通り、私たちは体を持っているので、実際に対面して、体ごと一緒の空間にいるときって、相手の情報がすごく分かりやすくなることってありませんか。言葉で言っていることだけじゃなくて、身振り手振り、顔の使い方、目の動き──いわゆるボディランゲージですよね。このボディランゲージって、オンラインよりもリアルのほうが、すごく受け取りやすいじゃないですか。
実際、人間はボディランゲージや非言語領域から受け取る情報のほうがはるかに多くて、それをどれだけ翻訳できるかは人それぞれ違うんですけど、そのボディランゲージを通して得た相手の情報、そして、相手さえもまだ気づけていない、本当に今知りたがっていること、本当に今確認したがっていることはこれなんだ、ということを、人間占い師側が予測する、あるいは察知することができたら──これはAIにはできないことなんですね。
つまり、非常に身体的な感覚を通して得られる「確信」というものが、私たちにはどうしてもあるんです。それは思考レベルで考えている「知りたいこと」や、思考レベルで思っていることではなくて、人が体を通してつながっている宇宙全体や社会全体の流れ、潜在的な流れ。まだうまく言語化できていないけれど、天体の流れもそうだし、私たちはみんな深いところでつながっていて、「今こういう時だ」とか「今私はこうなんだ」とか「今、自分はこれをすべきタイミングなんだ」ということを、腹の奥ではみんな知っているんですね。
ただ、腹の奥で知っているという感覚はあるんだけれど、それを自分でちゃんと明確に言葉にできるレベルまで浮上していかない、という感覚がある。何かが邪魔している感覚だったり、自分の中でそれが聞こえにくくなるような要素が、どうしてもあるんです。
では、それを明確にしたいとなったとき、その深いレベルで自分が何となしに今確信していることを、確認しに行きたい。言葉が欲しい。だから、言葉が欲しくて人は占いに行くんです。
そのとき、占い師が、クライアントとして占いを受けたいと来てくれた人の表面的な言葉ではなく、もっと違うところから情報を取り、ボディランゲージやさまざまなところから、もっとフィーリング的な、いわゆる共鳴現象を通して、「多分、今この人が確認したいのはここなんだ」というところに気づくことができたら、占い師はそこにフォーカスを向けて情報を提供することができるじゃないですか。
そうすると「なんでそんなことまでわかるんですか」となったりする。突然言われるものだから、脳は最初はついていけないけれど、まず体がすごく喜ぶ。こういうことが、人間占い師にはできるんですね。
だから、たとえばしっしーは、いろんな占いをAIに聞いてみたかもしれないけど、「なんだかつまらなくなった」というのは、しっしーの身体的なところが、その情報に満足していないんです。情報には満足している。情報はもうお腹いっぱい。でも、もっと深いところで満足したいのは、全身的な──私はよく「身体知」と言ったりするんですけど──すごく身体的な感覚なんですよ、要は。
これ、私はすごく面白いと思っていて。だからね、「占いビジネスはオワコンなのか」「占いはオワコンなのか」と言われたら、正直に言うと、オンラインで完結した占いは結構オワコンだと思います。オワコンという言い方はちょっと良くないかもしれないけど、やっぱり発展性という意味では、ちょっと難しいところがあるかなと。
ただ、たとえばデパートなんかでたまに出店している占いってあるじゃない。人が座っていて、柵が置いてあったりとか。あとは占いマルシェとか、占いの館とか。ああいうものは衰退しません。その理由が、今話した理由だ、ということですね。
そうなんです。整体師さんなんかもそうですが、体や身振り手振り、顔の使い方、目の使い方、声の出方というものから、ものすごく情報を受け取っている。普段はあんまり意識しないかもしれないけれど、感じることかなと思います。だからこそ、人間占い師は、過去の歴史を遡っても、ずっと仕事がなくなっていない職業の一つでもあるんですね。
占いの歴史 ー身体的な知識の伝承
秦由佳:それを次は見ていきたいんですけど、いろいろ調べていたとき、皆さんに何を見せようかと探していて、こんなものを見つけました。2017年に「ブルータス」という雑誌で、実は占いの特集が組まれていたんです。その特集の中に、占いの歴史を扱ったページがあって。世界中の歴史から紐解くとめちゃくちゃ長いので、日本だけに限っていこうかなと思います。
最初は、弥生時代から始まります。国家的だった時代ですね。この時代の占いは、どちらかというとご神事とイコールだったりするので、豊作だったり、災害に対しての占いという感じもあります。骨のひび割れの形で判断する最古の占いがあったりとか、こういう感じなんです。
そこからだんだん占いが変化していきます。飛鳥・奈良時代は、文化とともに占いを楽しんだ時代ですね。この辺りは、そんなに戦争や戦がないので、すごく平和な時代において、占いがちょっとした楽しみの一つとして発展していった。その後、平安時代、鎌倉時代という、政治的な変化が激しい時代では、政治不安を解決するために政治家たちが占いを利用しています。
この辺りまでは、なんとなくぼんやりしている感じがするんですけど、安土桃山・戦国時代ですね。武将たちが、実は占い師を頼りに、お抱えにして、いわゆる軍師、軍配者という位置づけで占い師を使っていた時代が、このあたりから始まります。
これは日本だけではなくて、世界中で見ても、あらゆる戦国時代や戦争、戦がある時代には、どのエリアでも大体、占い師が登場します。日本だけではないんですね。まずは最初に、天候や気象、天気の占いというものも使っています。私としては、この辺りから現代の占いの役割がちょっと固定化されてきたな、と思っていて。
いわゆる、ここまでは「楽しかった」とか「不安を解消する」という形で占いが使われていたんですけど、だんだん戦が始まって、いよいよこれを戦略的に使おうという時代に入ってから、職業占い師というものがはっきりと誕生していくわけなんですね。
お抱え占い師と「身体知」
秦由佳:今でもそうですけど、政治家や経済的なところに仕事がある方、決裁権がすごくある方、経営者──そういう方たちは、普通に皆さん言わないだけで、結構お抱えの占い師がいたりするんですよ。
では、なぜそういう方たちが占い師を抱えるのか。先ほども話したように、やっぱり既に確信している何かがあるんですね。腹の中で「これはこうなんじゃないか」「こういうことなんじゃないか」という確信が、まずすごくある。でも、その確信が「本当にそうだ」としっかり完璧に思えるまでの間に、いろんな邪魔がある。疑心暗鬼がある。
この疑心暗鬼を一個一個潰していく、という方法もできるけれど、そんな余裕も時間もないわけです。たとえば戦争中、戦の最中だったら、決断を早くしなければいけない。そういうときに、なんとなく身体的な「身体知」はもうあって、だけど「それでいいんだよ」と言ってくれる何かが欲しいわけです。
たとえば戦国時代でいうと、天気やいろんな運気を占う占いが中国から入ってきたりしています。易経なんかが代表的なものですが、いわゆる軍師・軍配者というところでの占いは、もはや学問なんですね。学問というのは、要は目に見えない気の流れ、大きな運気の流れがどうなっているかを学ぶことで、それを利用して戦の戦略を立てていくということなんですが、その学問の大元にあるものは何かというと、これも身体知なんです。
つまり、古来から私たちが自然と共存していく中で知っている、天候に関する知識、天気に関する知識、いろんなもののバイオリズムの知識というのは、みんなもれなく体に入っているわけです。それは今の時代もそうだけど、昔から。そして、その身体的な知識を伝承し、体系化していく必要が古来からあって、それをしっかり体系化していったものが、占いの大元なんですね。だから、始まりはどこかから飛んできた情報ではなく、身体知なんですよ。
そう考えたとき、逆に言うと、まず身体的な知があるんだけれど、それが本当にそうなのか、という確証を強めるために、あるいは、自分がもともと既に知っていること・確信していることを、よりスピーディーにそこで決断していくために、占いを利用する。「やっぱりそうだね」となることで、「じゃあ行きましょう、GO」みたいな感じなわけです。
売れっ子占い師の教え ── 「復縁」をどう占うか
秦由佳:ちょっと話を大きく変えるんですけど、私の近しい友人に、ある有名な占いの館に所属している占い師がいるんです。彼女に、内密にというか、「どういうお客さんが来るの?」と昔聞いたことがあって。そうしたら、大体が不倫、浮気、恋愛、復縁、あとは仕事──そういうのがほとんどみたい、と言っていて。
そのとき私、思ったので聞いたんです。「でもさ、たとえば『復縁したいです』という方が来たとき、占い師として『復縁はできないな』って出ちゃったなと思ったらどうするの?」って。しっしーだったら、どうします?
しっしー:そのままの話の流れだと、まあまあ困った事態になりますよね。言えない、言えないで困るなとという感じです。
秦由佳:私もその友人に聞いたんです。そうしたら彼女が何を言ったかというと、「いや、別に占いの結果がどうこうよりも、目の前の方が何を言われたがっているかに合わせて、話を変える」と言っていました。
しっしー:まあ、そうでしょうね。じゃないと、もう成り立たないですよね。
秦由佳:そう。それで、やっぱりそこで話的に盛り上がったのが──結局、言葉では「復縁したいです」と言う。「復縁したいです」と占い師のところに来る。「復縁できるかどうか占ってほしい」と言う。でも、本当に復縁したい人もいれば、もう復縁をやめたい人もいる。要は、腹の底では、復縁なんかもういい加減にやめて、その気持ちを捨てて、新しくすっきりしたい、という人もいるんです。
だから、「すっきりしたい」という人には「もう復縁なんかいいんだよ」という方の結果を伝えるし、「できるに違いない、もうできる気がして、だから頼むから占いで出てくれ」という人には「できるみたいですね」という風にする、と言って。実際に彼女は、ものすごい超人気占い師なんです。
しっしー:それはあれですよね。事象的なゴール、つまり「復縁したい」というゴールと、心理的なゴールの違いですよね。ここがわかると、かなり本当に良い、売れっ子ですよね。
秦由佳:そう、もう超売れっ子占い師なので、「それって、疲れないの?」と聞いたんです。そうしたら、なるほどと思う答えだったんだけど、「いや、疲れるどころか、目の前の方が喜んで帰るから、元気になる」と言っていました。
やっぱり、ただの元気じゃなくて、さっきも言った身体的な満足をするわけです。その身体的な満足、安心感、そこから来るハッピーオーラ、ハッピーなエネルギーに触れるから、別に疲れません、と言われたんです。
ただ、昔は違ったらしくて。昔は、自分の正しさを伝えたかったんだって。「いや、そんなこと言わないで自立しなさいよ、あんた」とか、「そんなことしてないでこうしなさいよ、あんた」というのがあって、すごく疲弊していたらしいんです、その館で働いていると。
なんだけど、自分の中で「まあ、とりあえずいいや」と思うときがあったらしい。彼女はタロットを使う方なんですけど、タロットで来る方はほとんどタロットの意味がわからないから、自分なりの解釈で伝えるわけですよ。
だから、目の前にタロットがあるから相手はタロットを見ているんだけど、本人はタロットを見るというよりも、来てくれた方の身体的な、いわゆる非言語的なところを吸収して、その目の前の人の身体的な満足が一番高い方に話を持っていく、ということだったんです。「ほほう」って。すごく参考になった話でした。
占いを求める心理は古来から変わらない
秦由佳:ということもあって、先ほども言ったことなので重複になってしまいますが、占い師というのは、やっぱり衰退しません。さっきの資料を見てもわかると思うんですけど、占いのあり方や社会における位置づけは変わっていくんですが、占いを求める人間心理は、基本的に古来から変わらないんです。
それは何かというと──表面的には「不安を解消したい」「自分のことを知りたい」「自分の知らないことを知りたい」「行く末を占ってほしい」「方向性を定めてほしい、教えてほしい」と、いろんなことを言うんですけど、みんな情報を欲しがっているときって、もうすでに確実に「これに違いない」という腹の中の確信があるんです。
しかも、ただの情報なら何でもいい、という人は、お金をかけないんです、実は、情報に。だからAIに適当に、ちょっと気分転換みたいな感じで聞いてみたりする。なんかわかるでしょう。ほら、YouTubeとか無料で見られるから適当に見られるけど、映画館にわざわざお金と時間を払ってコストをかけて行くときって、めっちゃ真剣に映画を選ばない?
情報にお金をかけるかかけないかは、大きな差なんです。情報にお金をかけない人がいる一方で、情報にちゃんとお金をかける人もいる。では、なぜ情報にお金をかけられるかというと、自分の腹の中で既に持っている確信を、うまく自分の中で言語化できないというのが、すごく気持ちが悪いから。
「ああ、私はこうしたいって、もう決めてるんだ」とか「私は今こういう状態だって、実は知ってるんだ」。知らないことを知りたいから情報が欲しいんじゃないんです。すでに知っていることを、もっと知りたいから情報を欲しがるんです。
ただし、気分転換に情報が欲しい、不安をただ解消したいだけ──このような場合は、今の時代、無料で情報が手に入るようになってしまったので、そういう人は情報にお金をかけなくなる。
逆に言うと、わかりやすいですね。たとえば、皆さんがどういう方かわからないですけど、占いをやっている方や、情報を教える・提供するというビジネスをされている方だったら、もう情報は無料化しているから、みんなちょっと落ち込んでくるんですよ。「えー、私が言わなくても」という人が出てくる。「AIに聞けば私の教えている情報は伝わるし」「自分よりたくさんの情報を知っている人はいっぱいいるし」「結局、言いたいことを言おうと思ったら、他の人と同じことを言っていることになるし」と、みんなシュンとなってくるんですよ。
でもね、そんな風に思う必要はまったくありません。むしろ逆に、AIのおかげで、この情報化社会のおかげで、「お金をかける人」か「お金をかけない人」かが、より明確になってしまったんです。
お金をかけない人というのは、自分の中で何かが決まっていない人だったり、何かを決めようともしていない人だったり、あるいは何かを決めているその腹の感覚、深い感覚に対して、ものすごく鈍感だったり、そもそもそこに興味がなかったりする人なんですね。その人たちは、情報を消費します。消耗します。そして繰り返しになるけど、無料になってきているから、わざわざお金も時間もかけません。そうしたら、来なくなるじゃない。
だけど、来る人というのは、確実に一定数いる。なぜなら、AIにはとてもじゃないけど、その人の身体知の深いレベルで知りたいことを提供することはできないからです。
これができるのは、人間占い師だけなんです。人間には、そういう鋭い嗅覚があるからね。だから私は、まったく悲壮感というか、悲しいとか、そういうのはなくて、「全然大丈夫だよね」と思っているんです。
AIの登場で深層心理はどう変化するか
秦由佳:さあ、ということで、AIの登場によって人間の深層心理がどう変化するのか、ということになってくるわけです。結局、深層心理とは何かと聞かれたとき、やっぱりいくつかの段階があって。表面的にはこういう心理、一段深まるとこういう感覚や気持ち、さらに深まるとこう──と、いろんな段階があるじゃないですか。
でもね、はっきり言うと、みんな腹の中ではもう決めているんですよ。いつも。たとえば「変わりたい、変わりたい」と言いながら、腹では「もう絶対変わる気ない、もうこのままで最高」と決めていたりすると、このまま最高だと腹の中で決めている人間は、もうそこから動くことはないですよね。
でも、いい悪いの話じゃないんです。別に、それの何がダメなの、という話なんですよ。自分の中で、そうやって決めているんだろう、という話なだけで。一番しんどいのは何かというと、そうやって決めているのに、それとは違う考え方を持っている、ということ。それが、内的な矛盾や内的な葛藤を強めるわけじゃないですか。
腹の中では「もう本当に独身最高、万々歳イエーイ」と思っているのに、頭の中では「結婚しよう、結婚したい、パートナーが欲しい、パートナーが欲しい」と言っていたら、めちゃくちゃ矛盾するじゃない。
そう。この自己矛盾というものが、AIの登場によって、ますます大きくなっていきます。まあ、どっちかなんですけどね。結局はどっちかなんだけど、ますます自分の腹の声がよくわかるようになる人もいるし、その逆もある。ますますわからなくなる人もいる。
心口意の一致 ── 深層心理が「深層」ではなくなる
秦由佳:「深層心理がどう変化するのか」というのは、すごく抽象的な話になるんですけど、そんなに難しく考えずに、今の話をもとに考えてみてください。自分がもともと既に知っていること、腹の底でもうわかっていること、身体的に出ている答え。それが表層にまで、ちゃんと一貫して現れるという、いわゆる、深層心理が深層ではなくなる、というのかな。なんか、伝わる?
しっしー:深層心理が、深層じゃなくなる?
秦由佳:そう、一つになるというか。だから、腹の中で思っていることが、腹の中だけで思っているんじゃなくて、ちゃんと表まで一貫したら、その人は表も裏もない、表層も深層もない、というか。
しっしー:要は、心口意が一致する、ってやつですかね。
秦由佳:そう。そうすると、やろうと思っていることと、感情的に感じていることと、腹の中で決めていることと、人生のバイオリズムと──それが全部、一貫してくる。となったら、どうなりますか、ということを、ちょっと皆さん想像してみてほしいんです。
そういう状態になれたら、もし、ね。「深層心理」という言葉自体が、要は「表層と深層がある」ということだけど、表層も深層も一貫していたら、深層もクソもないじゃない。だから私は、すごく一貫性のある「統合感」と表現したりもするんですけど、腹の声と、表に表れてくるいろんな思考や感情が一致した状態、というのが定着しやすくもなるのが、これからの時代だと思うんです。
それは、AIを使って、自分を軸に──つまり、AIの答えを軸にするんじゃなくて、自分の感覚を軸に、AIを頼りに、さらに自分の感覚を整える、というのかな。自分がもともと持っている身体的な感覚、身体知、自分の腹の声を明らかにするためにAIとやりとりができる人と、その感覚を無視して、自分を外に置いて、AIを中心に置いて、AIが言うことを聞く、AIが言ってくれたことを「そうなんだ」と思う人。このどちらなのか、ここで二分してしまうんです。二極化してしまう、どうしても。
最近もあったじゃない?監督が辞めさせられちゃったニュース。あれもすごくAIの登場があって、すごく騒がれていたと思うんですけど。これからの若者たち、今のいわゆるZ世代と呼ばれている世代は、小さい頃から情報にたくさん触れてきているから、身体的な感覚が弱いままだったりする。
あるいは、その身体的な感覚や身体知──私が今ここで言っている「本人がすでに知っていること」を大事に大事に、しかも、そのすでに知っていることを、世の中の常識や他人の常識ではなく、自分の正解としてしっかり外に出していけるような状況、そういう環境で育っていれば、それが定着します。でも、そうじゃなかった場合、大きなギャップや矛盾を抱えたまま生きていくことになるじゃないですか。
腹の中では「こういう感覚で行く」と決めているのに、「でも、そうしちゃいけないよな」「そういう考えじゃ、そういう生き方じゃダメだよな」というのが邪魔をしてしまう。そういう矛盾が生じていたら、やっぱり生きづらいわけですね。
AIとの付き合い方 ── 「文句の多い人間」になれるか
秦由佳:これは実は、あるAIを開発した大手──皆さんも絶対知っている、Cから始まるAIの会社のエンジニアが言っていたことらしいんですけど。今後AIがますますすごくなって、私たちの人生に欠かせないものになっていくのはもうわかっている。では、どうやったらAIとうまく付き合っていけるか、という質問をしたとき、AIの言うことに疑問を持って、言われたことをそのまま聞くんじゃなくて、ちゃんとディベートする、ディスカッションする。行ったり来たり、この往復のやりとりがめちゃくちゃ多い人は、すごくいい活用ができるよ、と言われているらしいんですね。
だから「言われたらそうなんだ」じゃなくて、たとえば占いで、皆さんがAIに「私を占って」とプロンプトを投げて、「あなたはこういう人だ」と言われたとき、「ここどうなん? これ違うと思うんだけど」とか「ここら辺よくわからないから表現を変えて」とか「ここなんか適当に言ってるでしょ、もうちょっとちゃんと表現して」とか──そういう、なんだろう、文句の多い人間になって、AIに突っ込んでいけるかどうかかな、と私は思うんです。
正しいかどうかで言ったら、AIのほうが情報は正確だから、正しさでは勝てない。でも、情報の正確さではなく、もっと野性的なところの、今自分が感覚的に捉えている核心的な部分。「自分はまさに、今このタイミングなんじゃないか」「自分が今一番知りたいことは、まさにこれだ」という、腹の感覚、すごく身体的な感覚に合わせて、どんどんAIに突っ込んでいけるかどうかですよね。
「なんでここの一文が気持ち悪いのか、まったくわからないけど、すごく気持ち悪いからもう一回書いて」とか「もう一回言って」とか「ここもう一回調べて」とか。でもこれ、人間相手だったら、すごくやりにくいじゃないですか。たとえばしっしーの占いを受けに行って、しっしーに言ってもらったことに対して、「いや、なんかすごく全部わかるんですけど、今のさっき言った一言、もう一回違う表現してくれます?」とか、めっちゃ突っ込まれたら、すごくやりづらくない?
しっしー:まあね、そうですよね。言う方も言いづらいですよね。「もうちょっと知りたいけど」と思っても、「まあ、この辺でやめておいた方がいいかな」という感じになって。それで不完全燃焼、というのはよくありますよね。でも、AIはそういう感じでもないかな。いくらでも聞けるし、24時間だし。
秦由佳:そう、いくらぶん殴ったって、何の痛みもないし。という風に、ちゃんと使い分けることができるかどうかかな、とやっぱり思うんですよね。
占いをビジネスに「入れた方がいい人」と「いらない人」
秦由佳:ということで、これからも占いはやっぱりなくならないし、占いビジネスも占いコンテンツもなくならないし、占い師もなくならない。けれども、占いをビジネスの手段に入れていったほうがいいと思う人と、占いや占術は自分の仕事にはいらないんじゃないかと思う人がいる。この「いる人」「いらない人」という話を、ちょっとしていきたいと思うんです。
先ほども言った通り、占いは古くから人間の心にすごく根差していて、私たちのいろんな問題解決に使われてきた歴史のあるツールなんですね。ただし、本当に占いというツールに時間とお金をかける人は、ごく一部になりました。今までだったら、お金をかけないと占いは手に入らなかった。たとえば、ちょっと怪しい占いサイトみたいなの、昔結構ありませんでした? 今もあるんだろうけど、月額登録して、あなたの運勢を占う、みたいなの。
しっしー:ありましたね、いろんなやつ。懐かしい。
秦由佳:そうそう。それらはもう、全部AIが基本的に代用してくれるようになったんだけど、じゃあ、そこに課金はしなくなる。でも、お金はかける。一定多数の人は何を求めているかというと、もっと自分がもともと、すでに──「すでに」だよ、まだわからないことじゃなくて、すでに今、自分がはっきり感じている何かがある。その、はっきり感じている疑問だったり、違和感だったり、あるいは答え。
「自分はこうするんだ」という未来に対してもそう。そういう身体的な感覚を、身体的な感覚のままにしておくのがすごく気持ち悪い、コンフォートじゃないので、その「知っている」という感覚を深める、さらに確実なものにする、というときにお金をかけるんですね。
そこに対応したり、適用するということが、すごく好きな人。これは実は、占いにめちゃくちゃ向いているんです。言い換えるなら「コンシェルジュタイプ」と言えます。コンシェルジュタイプというのは、たとえばホテルのコンシェルジュじゃないけど、誰かの潜在的な欲求、潜在的な願望──本当はもうすでに「これをしたい」と腹の中で決めていることがあるんだけれど、それを本人がまだ気づけていなかったり、認められていなかったり、許可できていなかったりする。
その、深いところで本人がすでに確信していることに対して、コンシェルジュタイプの人たちは、背中を押してあげたり、ゴーサインを出してあげたり、それがなぜそうなのかという情報や知識を与えることによって、勇気づけをすることができるんですね。
これは、究極のサービス業だと私は考えていて、いわゆる奉仕、究極の奉仕の感覚でもあるんです。奉仕するという感覚は、目の前に人がいて初めて成り立つから、やっぱり占い師や占いというツールは、人があって初めて成立すると、私は考えています。
先ほども言ったように、本来の一番の占いの役割は、その占いを使う人間が、もともと確信している深いところの確信を、より強めるものだから。だから、そのために占いは、人によって少しずつ変わってしまう、というのが本質なんですね。
そのため、ネットで出る情報──うちは数秘術だから、たとえば「ライフパス7はどういう人」「ライフパス3はどういう人」という、このパーソナライズされていない情報は、深くまで入りにくいよね。みんな、それがわかるので、無料でどんどんいろんなところから情報を取ってくるけど、自分自身にパーソナライズされていないから、やっぱり満足しない。身体的に満足しないんです。
では、本当に身体的に満足するとはどういうことか。何かを与えてもらったときに満足する。でも、それは情報じゃない、知識でもない。強いて言うなら、確信、勇気。自分にとっての、自分をエンパワーメントするもの。自分の中の「そうだよな」という強さ。これが欲しい。これを、占いというツールは与えることができます。
占いは「言語」である
秦由佳:なぜなら、占いは言語だからです。言語というのはどういうことか。たとえば、私がしっしーに「ねえしっしー、私、今日の晩ご飯、絶対カレーだと思うんだけど、いや、でも昨日もカレー食べちゃって、一昨日もなんならカレー食べちゃって。でも、なんか今日の晩ご飯、カレーな気がするんだけど、由佳ちゃん……」と言われたとします。
そのとき、「しっしー、大丈夫だよ、あんたカレー食べなよ」と言われるのと、「OK、ちょっと待って、占うね」と言われて、タロットをパッと引いて、「ほら見て、タロットもカレーって言ってる」と言われるのとでは、違うんですよ。
しっしー:これはね、皆さん重要ですよ。本当に、それが全てかな、と思います。
秦由佳:そうそう。たとえば、私が「そうだよ、それでいいんだよ」と言ったときに、しっしーが「そうだよね、由佳ちゃんが言うんだったら」と言ってくれるのは、ここに信頼関係があるからです。だけど、信頼関係がなかったとき、私が「そうだよ」と言ったからといって、「本当にそうなのかな」と腹落ちしないわけですね。
でも、そこで私としっしーの間に、占いという「言語」が、占いという「ツール」が、占いという別のものがポンと挟まると、お互いのベクトルが向き合うんじゃなくて、占いのほうにベクトルが集中するんですね。
そして、このコミュニケーションが占いのほうに集中したとき、何が起きるかというと──占いとのコミュニケーションを通して、自分とのコミュニケーションに入っていくようになるんです。占い師とコミュニケーションを取っているようで、占い師は、自分とクライアントの間に一つツールをポンと置く。
たとえば「しっしー、カレーっていうカードが出たよ」みたいな。「えー、出ちゃったの? カレーなのかな。本当に今日の晩ご飯もカレーなのかな。でも昨日も一昨日もカレー食べちゃったのに、今日もカレーなのかな、どうしよう。でも、カレーっていうカードが出てる」。わかります?
占い師は一応いるんだけど、もはやその時点で、占い師との交流じゃなくなって、占いによって自分との対話が始まるんですよ、深い対話が。だから占い師は、そのきっかけと、チャンスと、環境を与えるだけなんですね。
ツールを「間」に置く ── 深い自己対話
秦由佳:そのとき、私たちはいろんなツールを使う。「あなたはこういう数字ですよ」「あなたはこういう星ですよ」「星がこう言っています」「数字がこう言っています」「カードがこう言っています」「石がこう言っています」「天体がこう言っています」。すると、占い師のほうに向いていたベクトルが、間にあるツールへと向かう。そのツールとの壁打ちを通して、実は、自分との深い対話をしているんですね。
なぜこれを「コンシェルジュ」という表現で話したかというと、コンシェルジュタイプで考えたら、わかりやすいんです。ホテルに行って、ホテルのコンシェルジュという存在がいる。でも、私たちはコンシェルジュに喜ばせてもらっているわけじゃなくて、ホテルという環境やサービスに喜ばせてもらっているじゃない。コンシェルジュという人は、あくまでもそれを持ってきてくれる人、連れてきてくれる人、用意してくれる人、環境を与えてくれる人、きっかけをくれる人、というだけなんです。
そうしたら、コンシェルジュは、極端な話、何もしなくていいんです。それをポンと用意して、ポンと渡す。その渡すものが最適であればあるほど、勝手に始まっちゃう。私たちはほら、ずっと数秘をやっていて、何度もこれを見てきましたよね。
潜在数秘術というものをポンと用意して、お客さんにポンと渡して提供して、その人が本当に知りたかったこと、本当に確信していきたかったこと、「本当にこれだ」と思う自分の答えを、「ほら、数秘術がこう言っていますよ」という風に、私たちはそういうきっかけを用意する。
そうすると、その人が「えー、そうだよね、やっぱり」「でも、えっ、本当かな」「でも、やっぱりそうだよね」とか、ぶつくさ言いながら、自分の深いところに入っていって、自己納得していくんですね。だから私は、占いを、相手を深い自己対話と深い自己接続へ導くもの──深く自分と接続すること、深く自分の腹の声を聞くこと、その「環境」「ツール」「言語」「言葉」だと思って、いつも提供しています。
だから、「私がやってあげる」「私が言ってあげる」「私が教えてあげる」という気持ちは、一切ないです。私はコンシェルジュとして、そういう環境や状況をサービスとしてポンと置いてあげる、そのきっかけを与えるのが仕事だと思っているので。だから私自身が、別に占いが好きかどうかも関係ない。
私は、占いが好きなわけじゃない。人間が好きなんです。
そして、深いところにあるその人の本当に知りたいことが、その人の中でしっかりわかったとき。「やっぱりこうだよね」という、深いところでもうすでに出ていた答えに光が当たって、その人が「やっぱり、そうでいいんだね」と、深いところでインスパイアされ、エンパワーされ、勇気づけられて、「それでいい」と自分に戻るとき。その瞬間が大好きなんです。
その瞬間が大好きな人間は、全員占いをやればいいと思っています。だから、占いに興味がなくたっていいし、占いが好きかどうかなんてどうでもいいし、占いを深めようと思う必要も、ぶっちゃけない。
なぜかというと、占いの正確性や占いに関する情報──数秘術なら数秘術の意味、占星術なら星の意味、ハウスの意味、アスペクトの意味、覚えなきゃいけないことはいっぱいある。でも、AIの登場のおかげで、人間はそんなに覚えなくてよくなっちゃった。基本だけしっかり押さえればよくなっちゃった。
その代わり、占い師としての仕事は何になったか。もっと相手のことをよく観察し、その方が深いところで、身体的に求めていること──確信したいこと、OKしたいこと、許可したいこと、「私はこうだ」と何を言っているのか、その深いところのメッセージを読み解いてあげること。これが占い師の役割なんです。
でも、それを占い師が直接言ったところで、人はこういうコミュニケーションになると、突然やりづらさが出てくる。だから、間に占いというツールを置くことで、「星が言っていますよ」「数字が言っていますよ」「カードが言っていますよ」となる。相手は、カードや数字や星と壁打ちを始めて、深い自己対話に入っていく。私たちは、それをはたからサポートしたり、見守ったり、その深い自己対話や自己感覚に入っていく時間を提供する。それが、私たちの仕事なんです。
ということで、私は、素晴らしい仕事だなと思っております。皆さん、いかがでしょうか。すでに占いをやっている方、鑑定士の方も結構来てくれていると思うし、占いをやっていなくても、いろんなクライアントと関わる仕事をされている方もいっぱいいると思いますけど、自分の仕事をどういうふうにやっていけばいいか、明確になりましたか。これからどう切り替えていこうか、ちょっと見えてきましたか。
楽しさが増したら最高だな、と思って話していますよ。自分の仕事に自信を持って。AIなんか気にしなくていいから。むしろ逆に、ちゃんと使おう、もっと能動的に使っていこうよ、と考えています。
さあ、ちょっとしっしーにバトンタッチしてもいいでしょうか。私たちは今、潜在数秘術をやっておりますが、ちょうど今、私自身のこの考えをベースに、また大きなリニューアルをしようとしています。実際には、しっしーが現場に立ってメイン講師としてやってくださっているんですけれども、最後に私たち潜在数秘術の事例を紹介して、皆さんのイメージをより固めて終わりたいと思います。
どういう事例かというと、私たちは入門で「中級コーディネーター講座」を開催していて、今まさに今期も絶賛やっている最中なんですけれども、その講座を通して、占いに全然興味もなかった、独立起業する気もなかったような人がポンと来て、一体どんなふうに変化したのか。その事例を、しっしーにお話ししていただきたいと思います。
潜在数秘術の活用事例 ── しっしーより
しっしー:今日、秦さんの話を聞いて、「コンシェルジュ」とか「身体知」という言葉が出てきましたよね。皆さんも聞いて、本当に勇気づけられたんじゃないかなと思います。
「腹の中では決めている」。これを潜在数秘術風に言うと、もう潜在意識の深い層でわかっていることがあって、それを知りたい、わかりたいけど、なかなか言語化できない。そういうとき、人はモヤモヤする。そんなときに、私たちが役に立つというか、その言語化を通して、潜在数秘術という数秘術の言語を通して、自己対話を深めていけたらいいかな、と思います。
では実際に、現場でどういうふうに活かしているか、今からご紹介しますね。活かし方は、大きく分けて四つになります。一つ目は、新たな活動。二つ目は、元ある仕事や専門性に重ねて深みを出すこと。三つ目は、ここからはお仕事というより、自分の生活に役立てていく人間関係。そして最後が、自己理解です。この四つの方向に、いろいろな活かし方があります。
「何それ?」から始まる関係 ── 秦由佳のエピソード
秦由佳:ちなみに、ちょっと挟んでもいいですか。私の事例なんですけど、私は「潜在数秘術というものをやってます」と自己紹介するときと、しないときがあるんです。実際、何をやっている人間なのか、すごく表現しにくいタイプではあって。
たとえば、初めましての場所とか、昔はバーで飲んでいるときに、隣の人に話しかけられて「何やってますか?」となったとき。「潜在数秘術というのをやってます」と言うと、大体の人が「何それ?」と言うんですね。「あ、知ってる知ってる」という反応はなくて、「何それ?」と来るんですよ。
この「何それ?」から始まる会話と人間関係が、すごく面白くて。大体みんな「何それ? 私も見てもらえるの?」と言い出すんですね。「あ、いいですよ」と言って、「じゃあちょっと、生年月日とお名前を教えてください」とやるんです。
それで、パパッとやって、「こうこうこうですよ」というとき──じゃあ、何を最初に相手に伝えるか、じゃないですか、占いって。結局さっきの話もそうなんだけど、「占いに興味があるかないか」で、興味がある人には通用するけど、興味がない人には占いって入っていけない、とみんな思い込んでいるんですよ。そんなこと、全然なくて。誰にでも入っていけるんです。
じゃあ、どうやって入っていくか。さっき言った通り、本人がすでに腹の中でわかっていること、決めていることを、言葉にしてあげるんですね。たとえば、数字をバーッと見たときに、「ああ、何々さん、一生結婚する気ないでしょ」とか、私、言っちゃうんですよ。そうすると一瞬、「え?」って顔をするんだけど、「えー、やだ、何? なんでそんなこと言うんですか、やめてよ」とか「する気ありますよ」とか言いながら、顔には「そうです」って書いてあるとかね。
あと、たとえば昔、皆さんも知っているような超有名な有名人の方がいて、その方の数字がすごく顕著だったんです。同じように「なんか見てよ」と言われたので、とある飲み屋で見てあげたとき、ちょっと逆に深く入り込みすぎて、めっちゃ怒られたというか、土足で入っちゃって怒られた、みたいなところがあって。
思わず言っちゃったんですよ。「ああ、これ、クラスでいうとリーダー格で、ちょっといじめっ子なんかにも厳しく当たりそうなタイプですね」みたいなことをポロッと言ったら、顔つきが変わって、「えっと、なんで? なんでそんなこと言うの?」みたいな顔をしていて。言い方を変えると、要は図星だった、ということなんですけど。そういうこともあります。
でも結局、そうやって、相手が本人でさえも言いづらいけれど、実は「そうなんだよね」と自分でも知っている部分を言ってあげると、すぐに人間関係が出来上がります。
これ、不思議なことでね。図星でも、最初は受け入れがたい話でも、やっぱりラポールを築けるスピード感が、もう一瞬なんですよ。逆に、ここを占い師として恐れてしまうと、多分AIに負けます。相手の頭を納得させたり、頭を安心させる、いわゆる表面的な心理を満たすことに、逆に占い師が安心感を覚えていたら、多分AIには勝てない。
でも、そこで占い師という立場や立ち位置をどう理解するか、どう定義するかで、最初に話す内容が変わってくると思います。
だから私も、コーディネーター講座を受講している方や、自分の講座に来るメンバーにはいつも言うんだけど、「頭から読むな」と。うちは数秘術だから、ほら、ライフパス・ディスティニーって来るじゃない、4と4。占星術だと、多分、太陽星座とかメイン星座だし、四柱推命だったら、まあ何かあるじゃないですか。「そこから読むな」と。
そこから読むんじゃなくて、全体を見る。この全体の組み合わせを見て、「この人が、この状況で、今、腹の中で一番確信していることって何だろう」ということを読み解いていけるかどうか。これはもう、占い師としての腕の上げどころかな、と思うんです。
なので、しっしーが事例を紹介してくれたときに私が思うのは──もちろん、いろんな活動にも使えるし、仕事にもプラスしていけるし、自分のことを理解するという意味でも使えるけれども、もし「AIが出せない答え」を出していこうとするなら、一個一個を深く読めるようになる必要はない。全体を通して、占いの結果を通して、その人間がおそらく腹の中で「多分こうだ」と確信しているにもかかわらず、「多分こうは思っていないだろうな」というところを探していけるといいですね。
そうすると、どんなところでも、どんな人間でも、自分のやっている占いに興味がない人でも、ちゃんと入っていけますし、関わっていけますし、興味を持っていただける、ということがありますので。
まとめ
秦由佳:実際の活用事例をいくつか紹介させてもらいました。占いにはいろんな戦術がありますから、うちにはうちのやり方があって、他はまた別々かもしれないですけれども。個人的には、「占い」という用語そのものに引っ張られすぎると、どうしても自分たちのやり方を見失ってしまうかな、と思います。
今日お話ししたような立ち位置──占いの役割、根本的で本質的な、人間が求めているものは何か、といったところを総合的に踏まえた上で、皆さんがこれからどういうふうに活動していくか、どういうふうに占いを自分の人生に取り入れていくのか、情報そのものを取り入れていくのか。それを考えるきっかけになれればな、と思っております。
ということで、今日はそんな感じのライブ配信になりました。皆さん、ご参加いただきありがとうございました。
