第41話(2) アフロダイテ号船長室、ムスカの話
「そうだな。砂漠縦断用の装備、武器が3トンくらいかな」
「それで、ラクダ60頭。合わせて80頭。人間が乗るのに34頭。替えも考えて、120頭は要りやす」
「手持ちが58頭だから、少なくとも62頭補充しないといけないな」
「ヘェ、帰りの心配もしねえといけません。生きて帰れれば、の話ですが。旦那様、まず、これは直線で行く場合ですが、途中で水の補給をしねえと心配だ。だから、ここは旅程が増えやすが、ここ、ここのオアシスで水を補給したい」
「そんなところにオアシスがあるのか?」
「ヘェ、ベルベル人の盗賊がよく使う場所でさあ。この周辺ではここしかありやせん。ここを逃すと、南西の方に300キロいかないと水は手に入りやせん」
「そのオアシスと大スフィンクス、その間の道案内は大丈夫か?」
「目をつぶってもいけやす」
「そうか・・・俺の女を抱きたいなどと言ったからには、今、首をちょんぎってもいいんだが、お前が一緒に行くというなら、命は助けてやろう。大スフィンクスで死ぬかもしれんが。褒美は、アイリスの言った通り金貨100枚。行くというなら、向こうで死のうと生き延びようと払ってやる。証文を書いて、俺の長男に送っておくから、死んだ場合、遺族を教えてくれれば、彼らに褒美が行くように手配する」
「選択の余地があるとは思えやせん。それにアイリス様も行かれるってんなら、喜んでお供いたします。力不足ですが、アイリス様の盾になって死にやす。家族はおりませんので、死んだら支払いはご無用です」
「おうおう、アイリス、アイリスと言うか。アイリスが好きか?」
「ほ、惚れてます」
「言ってくれるじゃねえか。そうだなあ、水先案内もしてくれるんだし、褒美の手付を払ってやってもいいぞ。どうだ?エミーはダメだが、アイリス、ソフィア、ジュリアを抱かしてやってもいい」
「・・・だ、旦那様の愛妾ですぜ。まさか、そんな」
「アイリスは俺以外ダメで、ソフィアとジュリアは俺以外宦官3人しかダメだが、面白えじゃねえか?若造。好きなのを選びな」
「・・・いや、あっしは・・・アイリス様だけで・・・」
「そうか。よほどアイリスが好きなようだな。いいぞ。出発前にアイリスを抱かせてやる。そうだなあ、お前とアイリスで、隼の頭の守護神ホルスを一頭でもぶっ殺したら、アイリスをお前にくれてやってもいいぞ。どうだ?」
「仰せとあらば、死ぬ気でホルスと闘います。でも、アイリス様はいただけません」
「なぜだ?惚れてるんだろう?解放奴隷にしてやるから、嫁にしろよ」
「いけやせん。ムラー様の第二夫人があっしのようなものの家族になったら、十分な贅沢はさせてやれません。惚れたはれたはありますが、それだけじゃあ女を満足させられません。アイリス様は、旦那様の元にいる方が幸せです。せめて、一晩だけ抱かせていただくだけで十分でございます」
「おうおう、本当にアイリスに惚れているんだな。こりゃ、本気だ。信用できそうだ」
みんなのいる前で、こうも惚れてます、好きですなんて、恥ずかしいじゃない。それも私を思ってお嫁にするのは遠慮するなんて・・・ああ、ムスカに抱かれてみたい。私はムラー様としか経験がないもの。昨日の晩でモッコリしているのをチラッと見たけど、ムラー様なみだったわ。あれ?でも、一晩だけ?もうちょっとできないかしら?あら?ソフィアとジュリアがムッとしてるわ?
ソフィアが前に出てきて「旦那様、こいつムカつきます。旦那様のお許しがあるのに、アイリス様、アイリス様ばっかりで、私とジュリアを無視しやがる。ムスカ!私とジュリアは魅力がねえのかよ?」と怒鳴った。
「ソフィア様、あなたとジュリア様は十分な魅力がありますとも。抱きてえのはやまやまですが、惚れた女の手前、他の女を抱く話はご勘弁下さい」
「なんか、悔しい」とジュリア。
「わかった。砂漠に出発する前に、もうちょっと女奴隷を途中で補充して、ここの船員をアルテミス号に追い出してアルテミス号でどんちゃん騒ぎを二晩しよう。その隙に、この船の俺のキャビンを貸してやるから、最初の晩はソフィアとジュリアを抱け。次の晩はアイリスを抱け。手下共が知ってムスカに嫉妬してこいつを殺されちゃあかなわんから、知られないようにしよう。どうせ、出発前はどんちゃんするつもりだったからな」
「旦那様、最初の晩、私とソフィアが本気でやったら、次の晩はもう精力が尽きてますよ。アイリス様の分は残ってませんよ」とジュリアが舌なめずりした。わ、私の分を残しておいて欲しい。
「大丈夫だろ?惚れてるんだから、精力は蘇るさ」
「まあ、そういうことだ。大事な俺の女を抱けるんだから、せいぜい、頑張るんだな。三人とも味が違うから、お楽しみだ。さて、ムスカ、俺たちの秘密を教えよう。まずだな、大スフィンクスの地下には、でっけえ工場がある。前脚から地下道があるようだ。そこを守っているのが、エジプトの兵士とアヌビス、トート、ホルスども半神半獣だ。アヌビス一頭でも手強い。エミーとアイリスですら、4、5頭しか殺せなかった」
「ハァ、エミー様とアイリス様が、神を殺せる?」
「まあ、聞け。兵士や半神半獣をぶっ殺しても、最後に待ち構えているのはクレオパトラ7世だ。こいつが一番強い化け物だ。クレオパトラの相手は俺だ。他の連中では歯が立たない」
「旦那様、世界でもっとも美しいクレオパトラ女王が化け物ですか?」
「ああ、彼女は人間の体だが、中身に化け物が入っている」
「し、信じられません」
「信じようと信じまいと勝手だが、話は端折るが本当だ」
「なぜ、わかります?」
「なぜならな、俺とエミー、それからアイリスも同じ化け物だからだよ。お前の惚れた女は化け物なんだ。ほら、アイリス、見せてやれ。ムスカを椅子ごと、念動力で持ち上げて、天井にぶつけちまえ」
「だ、旦那様、そんなことできません!」
「やれ。見せないと信用しないぞ、こいつは」
私は仕方なく、ムスカを椅子ごと念動力で持ち上げて、手加減して天井にぶつけた。そして、落とした。ムスカが椅子から転がり落ちてあっけに取られている。ソフィア、ジュリアも何度見ても慣れないのか、私の顔をジッと見た。やれやれ。私を化け物だと思ってるからなあ。
「どうだ、ムスカ。可愛い女の子だと思っていたのが、化け物だぞ?それでも、こいつが抱きたいか?ソフィアとジュリアは人間だぞ?どっちがいい?」
「旦那様、アイリス様はメドゥーサの化け物みたいになったりするんですか?」
「いいや、そんな変身はしない。このまんまだ。ただ、色々と術を使うだけだ。エミーも同じだ」
「なんだ。醜い姿にアイリス様がなるわけじゃないなら、私は化け物だろうが、なんだろうが、アイリス様がいいです」
ソフィアが「だめだぜ、こいつ。アイリス様に惚れすぎてる。まあ、最初の晩で、ジュリアと二人で腑抜けにしてやるからね。私らの体を堪能おし。意地でもアイリス様に精力を残してやらないからね!」とムスカを睨みつけて言う。もう化け物関係なく、女の意地なんだね。あ~あ。精力、残しといてよ!
「旦那様、一つお聞きしてもいいでしょうか?」
「ああ、いいぞ。答えられることは答えてやる」
「エミー様は、アイリス様と同じなんですか?」
「同じ?化け物という意味でか?まあ、その概念ではだいたい同じだが、少し、違う」
「ハア・・・」
「つまり、エミーと俺は、この世界、この宇宙のものではない。別の宇宙から来た。アイリスは基本的には人間で、人間のままのアイリスが残っている。俺とエミーは違う。また、別の宇宙に行くかもしれん。エミーとアイリスは違うんだ。だから、お前にエミーを抱かせるわけにはいかない」
ムラー様、ひどいなあ。私は他の男にくれてやってもよくって、エミー様はダメなんて。仕方ないか。第2ユニバースからわざわざ連れてきたんだから。何か、意味があるのよね。でも、なんか悔しい!
ジュリアが膝立ちで椅子に座っているムスカににじり寄った。「旦那様、事前検査をしてもよろしいでしょうか?」
「何を?」
「あれを!」
「検査しなくてもわかるだろ?」
「勃ってないのでわかりません!」
「別に減るもんでもなし、やってもいいが、ここでおっぱじめるなよ。まったく、クリスマスプレゼントの中身を知りたくて、ツリーに忍び寄る女の子みたいだな」
「クリスマス?」
「あ!まだ産まれてなかったな。こっちの話だ。気にするな」
ジュリアが座っているムスカの腿丈のトゥニカから手を入れた。まったく!私もまだ触ってないんだからね!ムスカが惚れてるのは私で、ジュリアじゃないじゃない!ムカつく!あ!ムスカ、嫌がるわりには、反応してるじゃない!ムカつく!私以外に反応しちゃダメ!
「ソフィア、まずまずだよ。パシレイオスのよりもデカくて固いぜ」と舌なめずりをしてジュリアが言う。今度、ムラー様に言って、フェロモン抑制剤を作ってもらって、彼女に飲ませよう。いつも発情してるんだもの。私も夜、よく襲われるし。「アイリス様、これなら、お楽しみになれますぜ」と私に言う。絵美様じゃないけど、少しは乙女のたしなみというものを教えないと。
「ムスカ、合格よ」とジュリア。
「ジュリア様、勘弁してくださいよ。我慢できなくなるじゃないですか?ここは船長室ですぜ」
「あら、たまに、ムラー様にここで私犯されるのよ」
「・・・」
「おいおい、俺の威厳もあったものじゃない。あ!アイリス、ソフィア、ジュリア、避妊薬は飲んでるな。忘れんなよ。ムスカがいいのなら、開放奴隷にしてやるが、できちゃった婚はダメだぞ!」
「みんな、飲んでます。あれ苦い。大丈夫です」とソフィア。
それまで黙ってみんなの話を聞いていたエミー様?あれ?いつの間にか、絵美様になってる!が「ムラー、上陸したら、2日間くらい、武器庫から強奪した兵器の使用訓練をさせないといけないわ。それに装備品の確認もしないと。ほっておくと、全弾すぐ撃ち尽くして弾切れになる。どうするか、作戦を練りましょう」と言う。
「絵美、ムスカが飲み込みが早そうだから、アイリス、ソフィア、ジュリアとで手下に説明させよう。俺はお前と相談がある。大スフィンクスの断面図を作りたい。思い出す限りで作ってみよう。あの3つの呪いってのが気になってしょうがねえ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます