警視庁麻薬Gメンの実名・顔出し告白…「脱穀機に40kg覚醒剤」麻薬カルテルとの極秘追跡作戦の全貌
みるみる覚醒剤が結晶化する
危惧されるLCDでの犯人取り逃し。実は小比類巻氏も経験している。印象深かったのが、「警視庁に捜査本部を設置して茨城県内で犯人を追ったスノードーム事件」だという。 日本とコロンビアの二重国籍の男Rが覚醒剤の密輸を企て、担当チームが配送先に踏み込みました。ただ、ブツは押さえたのですがRは逃走。容疑者不在の″首なし覚醒剤″となっていました。 そのブツというのが「スノードーム」。液体で満たされた透明なドームの中にミニチュアの建物や人形が入っていて、逆さにするとまるで雪が降るように白い粉が舞い散る。お土産の定番ですよね。 そのドーム内に覚醒剤の原液を入れて密輸していたのです。押収されたスノードームは直径30ほど。段ボールに緩衝材を敷き詰めて、1体だけ入っていました。不純物をザルで取り除き、原液を煮詰めて水分を飛ばすだけでみるみる結晶化します。1体で400gくらいにはなったかな。卸価格で400万〜500万円。末端価格だと1200万円ぐらいになります。 Rはこれまで2回、この手口で密輸していました。ただ、先ほどの脱穀機同様、クオリティは低い。ボンドでベタベタくっつけただけの粗い作りで、実際、原液が少し段ボールに漏れ出し、結晶化していました。それが税関職員に見つかって発覚したのです。 ただ、犯人を逮捕しないことには事件は解決しません。関係各所を回っても居場所は掴めず、ジリジリしながらRの通話履歴を見直していると、かねてからマークしていた地元ヤクザの電話番号があった。そのヤクザをS――情報提供者として使っている刑事が警視庁にいることもわかりました。私の知り合いの刑事でした。 状況を説明し「最悪、Sを逮捕することになるかもしれません」と腹を割ると、その刑事はRのことを知っていて「盃も交わしていないのに、ほうぼうで″自分は舎弟だ″と言いふらされてSは辟易(へきえき)している」と言う。この機を逃すまいとSに会わせてもらうと「Rは海外に飛ぼうとしている」と教えてくれました。 情報提供料を支払い、さっそく茨城のパスポートセンターに問い合わせるとまさに申請中で、行き先はコロンビア。東京税関にも応援を頼んで、20人態勢でパスポートセンターを張り込み、受け取った瞬間に肩をトントンと叩いて、 「警察だ。わかるな?」 隣に恋人がいましたが、Rは抵抗することなく連行されました。 『FRIDAY』2026年6月19日号より
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