あなたに少し驚きつつイヤフォンを取り、カバンの中にしまう。
練習生の女の子の中でもあなたは特に喋りかけてきた。人懐っこくて、いつもニコニコしてる。
あなたは「私もね、学校終わりだったの」と言う。
それなんだけどね、と前置きをし、あなたは話す。
ヒョンジンは暗い顔をし、黙り込んだ。
まさかそうなるとは思わなくて、あなたは「嫌だったら良いんだよ!?」と慌てる。
別に男女で組むことは強制じゃない。
…もしかしたら、余計なお節介だったかも。
そんなこと思いながら、あなたはヒョンジンの顔を覗き込んだ。
ヒョンジンはポツリと言う。
ヒョンジンの顔を見て、やっぱりかとあなたは思う。
練習生の中での新人いびりのようなものは正直ある。
いつものヒョンジンなら喜んで「え、やろう!」と言ってくれるはずなのに、様子がおかしすぎる。
ヒョンジンをまっすぐ見つめ、あなたは優しく聞く。
ヒョンジンは暗くうつむき、少しため息を吐いた。
入ったばかりでしかも今までダンスも歌もやってきてない人間ができないのは当たり前だ。
けれど言っていいことと悪いことがある。
あなたはヒョンジンの肩を撫で、「大丈夫、大丈夫」と言う。
あなたは黙って前を通り、ヒョンジンを置いて行ってしまう。
ポカン…としながらあなたの後ろ姿を見てると、パタパタとまた足音が聞こえた。
振り向くとそこには…確か同じ練習生の。…名前がわからないけど、同じ練習生の人が立っていた。
ヒョンジンは「あ、はい」と素直に返事する。
チャンビンの危機迫る表情に疑問を抱きながらも、ヒョンジンはさっきあなたと話したことをチャンビンに伝える。
すると話すうちにチャンビンはみるみる顔を青くしていき、「ま、まずい」と言う。
訳がわからず目をぱちくりさせてるうちに、チャンビンはどこかに電話をかける。
ヒョンジンは知らないが、バンチャンへだった。ツーコールして、バンチャンが出る。
捲し立てて、チャンビンは電話をぶちぎった。
何事かと頭にハテナを浮かべてるヒョンジンの腕をとり、「来て!」と叫ぶ。
チャンビンに腕を引かれ、ヒョンジンは走る。
とにかく何が何だかわからないが、あなたがキレててまずいらしい。
あんなにニコニコしてる子がキレるかな?と思ったので、それをそのままチャンビンに聞いてみる。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。