「ごちそうさまッッ!」と言い、あなたはダンッとお代を机の上に叩きつける。あなたの大声に、一瞬カフェがざわついた。
机にかけてあった鞄を持ち、あなたは勢いよく立ち上がり、店を出る。
歩いてるあなたの腕を掴み、「一緒に行こう」とため息混じりにチャンビンが言う。
あなたはハァとため息をつき、「好きにして」と返した。
練習生なら誰もが行う月末評価。
しかし今回のは特別で、練習生同士で男女混合チームを組み、一曲を発表するというものだった。
曲はカバーでもよし。オリジナルでもよし。
ナムジャでもよし。ヨジャでもよし。
ラップでもよし。歌でもよし。
パフォーマンスのクオリティだけを見る。
あなたはバンチャン・ハン・チャンビンのチームに誘われ、それを今断ったという状況だった。
チャンビンはガクッと肩を落とした。
ファン・ヒョンジン。つい先月、練習生として入社してきたイケメン。
練習生は顔が整った子が多いけどヒョンジンは中でも別格で、それにスタイルもとても良かった。なんとなく近寄りがたい空気がある。
でも…あなたが気にかけるのもわかる。
あなたはほっと息を吐き、チャンビンの肩をポンと叩く。
そう言いながら、あなたは軽く笑う。
チャンビンは諦めたようにガシガシ頭をかいて、「おーわかったわかった…」と言う。
会社に入りながら、そんなことをしゃべる。
チャンビンに「忘れてた、忘れてた」と揶揄われ、「だって新しく入った先生だから…」と言い訳をする。
そんな2人の前を1人通る男がいた。
チャンビンに鞄を押し付け、あなたはヒョンジンの元へと走り出した。
音楽を聞いてるようで、ヒョンジンは全くそれに気が付かなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。