北大西洋に謎の「冷たい斑点」、将来の不吉な兆候か 新研究
大西洋のこの海域で何が起きているのかをより詳しく解明するために、科学者たちは観測機器や人工衛星で得た実際の海洋熱データを気候モデルと組み合わせた。
その結果、冷たい斑点での低温化は海面だけでなく海洋深部でも起きていることが分かった。海洋深部では、風や雲といった大気条件の影響ははるかに弱くなる。
研究によると、あらゆる兆候にAMOCの影響が表れている。独ポツダム大学の物理学・海洋学教授で、この研究論文の著者の一人であるシュテファン・ラムストルフ氏は、「AMOCは海洋の熱輸送を変化させており」、それが冷たい斑点の冷却を引き起こしていると述べた。
また冷たい斑点とは無関係に、AMOCが弱まっていることを示す証拠も数多く存在すると同氏は付け加えた。いくつかの研究では、その機能は過去およそ1000年で最も弱い水準にあることが示唆されている。
ユトレヒト大学の海洋・大気研究者で、今回の研究には関与していないルネ・ファン・ウェステン氏は、これまでの研究から、大気の条件だけでも冷たい斑点が形成され得ることは明らかだと指摘。それでも新たな研究が異なるデータセットの間で一貫した結果を示したことは、「その結論の頑健性を強化する」と語った。
一方、同じくこの研究に関与していないユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)の海洋・気候科学教授デービッド・ソーナリー氏は、冷たい斑点とAMOCの弱まりとの関連を示す証拠を強化していると研究結果を評価しつつ、実世界のデータが限られている点に言及。今回利用可能だったデータセットは「現実を完全に再現したものというより、良質の近似値とみなすべきだ」と注意を促した。
不確実性は依然として残っているとソーナリー氏はCNNに語り、「(今回の研究が)この問題に関する最終的な結論になるとは思わない」と述べた。
英気象庁の上級気候科学者ジョナサン・ベイカー氏もこれに同意し、CNNに対し「この研究については、冷たい斑点へのAMOCの寄与を示す追加の証拠とみなしたい。これで問題が完全に決着したとは考えていない」と語った。