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第1話

プロローグ①
6,298
2022/10/16 19:07 更新
_____……四年前。

(なまえ)
あなた
えっ。Stray Kids先輩が!?


 持っていたファイルから顔を上げ、あなたはびっくりしたような声を上げる。

助手席に乗っていたマネージャーはいたって普通に「そうよ」と返した。

(なまえ)
あなた
今日の音楽番組出るの?ほんと?
manager
manager
まだプレデビューだけどね
(なまえ)
あなた
嬉しい!楽屋行っても良いですか?
manager
manager
時間ならあると思うけど…
(なまえ)
あなた
すぐ戻るから!
manager
manager
うーん…あ、コラ!
(なまえ)
あなた
先に行ってて!


ちょうどテレビ局の前に止まった車のドアから、マネージャーの静止も聞かずに勢いよく飛び出す。

途端にたくさんのフラッシュやファンの歓声があがる。あなたの入り待ちのLOVER。つまりあなたのファン達だ。

LOVER
LOVER
あなた〜ッッ!♡
LOVER
LOVER
あなたや〜ッッ!愛してる〜ッッ!
(なまえ)
あなた
私もよ〜!♡


ファン達の方に投げキッスを飛ばし、あなたはテレビ局に入っていく。

すれ違ったスタッフに挨拶をしながら控室のあるフロアまで駆ける。エレベーターなんて待ってられない。

(なまえ)
あなた
お疲れ様です!
staff
staff
お疲れ様です
(なまえ)
あなた
Stray Kids先輩達の楽屋ってどこですか!?
staff
staff
ここの一個上のフロアの右奥です
(なまえ)
あなた
ありがとう!


スタッフに教えてもらった通りに階段を登り、Stray Kidsの控え室前に到着する。

ダッシュしたことでよれてしまった服を手で軽くはたきながら、あなたは深呼吸した。

切れた息をなんとか整える。

デビュー日はStray Kidsより早いけど、ウジンやバンチャンやチャンビン。ヒョンジンにハン。アイエンも、練習生期間がかぶっていた。

みんな大好きなメンバーだ。

そんなみんなと今日、同じ舞台に立てる。

変な見た目じゃないかなとスマホを取り出し、確認する。うん。だいじょぶ。

なんて言って入ろうか。

考えるよりも前に、とりあえず扉をノックする。
コンコンと軽い音が鳴る。


Woojin
Woojin
出ようか?
Lee Know
Lee Know
俺出ますよ


中から聞き慣れた声がし、扉が開く。

「はい」と笑顔で出てきたリノはあなたと目が合った瞬間ちょっとびっくりしたような顔をした。

あなたはあはは、と笑ってリノの傍から顔を覗かせる。

(なまえ)
あなた
お届け物で〜す
Bang Chan
Bang Chan
あ!あなた!
Changbin
Changbin
え゛ッ!あなた!?
(なまえ)
あなた
オッパ達が出るって聞いたから嬉しくて走って来ちゃった〜
Woojin
Woojin
はいりな!


楽屋に入り、勧められるままあなたはソファに座る。「ボクここ!」とすぐ隣にアイエンが来る。

同級生なのであなたとは仲がいい。

Changbin
Changbin
あなたせんぱぁ〜い
Han
Han
あなたせんぱぁ〜い
(なまえ)
あなた
変な感じするからやめて…
I.N
I.N
ヒョン達やめてあげてㅋㅋㅋ
Bang Chan
Bang Chan
本気で嫌そうな顔してるㅋㅋ


嫌そうなあなたを囲みながら、バンチャンとアイエンが爆笑する。

フィリックスはキラキラした目であなたを見、わあ…といった感じで手を口元に当てていた。

それに気がついたあなたが首をこてんと傾げ、バンチャンの方を見る。

Bang Chan
Bang Chan
?…あ!Hey リクス!こっちおいで!
Felix
Felix
わっ…わあ…
(なまえ)
あなた
?…??
I.N
I.N
ヒョン、あなたの曲ずっと聞いてるんだよ
(なまえ)
あなた
えっ、そなの
Hyunjin
Hyunjin
本当にずっとだよ
(なまえ)
あなた
知らなかった…
Changbin
Changbin
QUƎEN見てたんだっけ?
Felix
Felix
ビニヒョン…!
Han
Han
それヒミツにしてって言ってたじゃんㅋㅋ
(なまえ)
あなた
QUƎENも!?


【QUƎEN】はあなたが出ていたデビュー番組だ。

練習生と一般人から10人ずつ参加者を絞り、ミッションをこなして総合順位を決め、ソロヨジャドルをデビューさせるというものだった。

一般募集は韓国・日本・オーストラリア・アメリカで行われ、総応募数は5万を超えた。

大規模オーディション番組で見事デビューを勝ち取ったあなたは「born to be an idol」の称号を持つ。まさにQUEENだ。

ちなみにオーディションは2016-2017間に行われ、2017に見事デビューを果たした。

フィリックスは2017年に練習生になったので、あなたとの接点はほぼない。


Woojin
Woojin
CD買ってハイタッチ会行こうとしてたよね?
I.N
I.N
絶対に当てるんだ!って意気込んでたし
(なまえ)
あなた
知らなかった…チャニオッパ言っといてよ
Bang Chan
Bang Chan
言わないでって言われてたから
(なまえ)
あなた
ヨンボクさん…!あの、ありがとうございます、うれしいです!
Han
Han
いつもそんな喋り方じゃないじゃんか!?
(なまえ)
あなた
しーッッ!しーッッ!
Felix
Felix
ほ、ほんものだ…
Woojin
Woojin
サインもらったら?
Felix
Felix
お、おそれ多いです…サインなんて…
(なまえ)
あなた
しますよ!サイン!
Felix
Felix
えっ


「どこに書きますか?」とあなたが聞こうとした次の瞬間。

manager
manager
このおバカ!!!!
(なまえ)
あなた
ぎゃあっっっ!?!?


肩で息をしたあなたのマネージャーが楽屋に突撃し、あなたの頭をすっぱたいた。

あなたほ頭を抑えながら、「痛いッッ!!」と大きな声を出す。

それを上回る声でマネージャーが「痛いじゃないわよッッ!」と怒る。

(なまえ)
あなた
うあ゛ーッッ!くうッッ…!!
manager
manager
もう入り時間5分すぎてるのよッッ!!
(なまえ)
あなた
ご、5分もッ…


あなたの顔からサッと血の気がひく。

バンチャンが慌てて「す、すみません!僕達が引き止めちゃって…」とあなたのマネージャーにペコペコする。

「チャニは謝らなくて良いの!」とあなたのマネージャーがぴしゃりと言う。

manager
manager
Stray Kidsがデビューして嬉しいのは分かるけど、時間の把握くらいして頂戴!
(なまえ)
あなた
ご、ごめんなさい…!どどどどうしよ…!
manager
manager
メイクさんには言ってあるから急いで!はい走る!
(なまえ)
あなた
は、走ります!ごめんオッパ達!またね!


勢いよく立ち上がり、あなたは走って楽屋から出た。

相変わらず嵐みたいだなとバンチャンはひっそり思うのだった。

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