阪神・佐藤輝明、13打席ぶり安打は希望の一打「最後まで前を向いてプレーをすることが大事」
(日本生命セ・パ交流戦、ソフトバンク6―2阪神、ソフトバンク2勝、10日、みずほペイペイ)重い空気をなんとか晴らそうと、バットに力を込めた。阪神・佐藤輝明内野手(27)が久しぶりにともした「H」ランプ。プロ6年目、グラウンド内外でチームを引っ張る存在となった主砲が、異例の事態の直後に、希望の一打を放った。 「(藤川)監督も前に言っていましたけど、最後まで前を向いてプレーをすることが大事だと思う」 指揮官が試合途中にベンチを去るという異例の事態を受け、そう言葉を残した。試合前時点で、今季初の2試合連続無安打だった佐藤。この日も先発左腕・松本晴に苦しむなど、第3打席まで空振り三振、遊飛、二ゴロと封じ込まれていた。四回の守備でも、川瀬の右前への打球を捕球できず(記録は安打)、首をかしげるシーンもあった。 フラストレーションはたまっていたはずだが、2―6の八回だ。1死一塁で打席に向かうと、カウント1―1から4番手右腕・松本裕のフォークボールを中前に鋭くはじき返した。これが5日の楽天戦(甲子園)の第3打席以来、3試合、13打席ぶりに響かせた快音だった。七回の攻撃中に藤川監督が抗議による退場処分を受け、重苦しいムードが立ち込めていた中で、諦めない姿勢を背中で示した。 佐藤はこの日、5月度の「大樹生命月間MVP賞」を受賞。3、4月度に続く2カ月連続の受賞で球団野手では初の偉業だった。対して、6月はここまで6試合で打率・190(21打数4安打)、1本塁打、4打点と今年のサトテルらしくはない。 その中で飛び出したこの一本は、次へとつながるはず。どんなときも下を向かず、セ界王者の、そしてセ界最強打者の意地を示す。(秋葉元)