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第60話

210
2026/06/11 00:00 更新
会議が終わったあと

あなたのメンバーから呼ばれる名前が
「絶対あの人たち曲ちゃんと聴いてない!」

とぷりぷり怒っていたおかげで、
一度、兄として自分の中にしまって
その場ではこの気持ちをやり過ごすことができた




宿舎に帰ってからも
不満げで口数が減ってしまったあなたのメンバーから呼ばれる名前




🐺
🐺
今日はもう考えないで寝よう

バンチャンがいつも通り優しくあなたのメンバーから呼ばれる名前の頭を撫でて部屋へ帰した



その直後
パタン、と扉が閉まった瞬間から、

彼らの本当の地獄が始まった



あなたのメンバーから呼ばれる名前は寝かしつけるものの

眠れずにいたバンチャンの部屋に
当たり前のように2人もいた

モニターの青白い明かりだけが、暗い部屋を静かに照らしている


バンチャンは、作成された製作会議の議事録を何度も、何度も見返していた

今のあなたのアーティスト名なら、もっと広い市場へ行ける

アート性は残しつつ、もっと聴きやすく

Stray Kidsの色を少し抑えなさい

今が最大のチャンスです





何度考えても、読み返してもビジネスとしての正論だった

言っていること自体は間違っていない


だからこそ、狂いそうなほど苦しかった

🐺
🐺
……はぁ


バンチャンが椅子へ深くもたれ、顔を覆う

その隣で、ソファに座るハンがぼそっと言った

🐿
🐿
……珍しく余裕ないね





バンチャンはしばらく黙ったあと、乾いた声で笑った
🐺
🐺
……ちょっと今回、正解分かんないやㅎ







チャンビンはキーボードのキーを意味もなくカタカタと叩きながら、力なく苦笑する
🐷🐰
🐷🐰
でもさ……あいつらの言いたいことも、分かっちゃうじゃん
🐺
🐺
うん...
🐷🐰
🐷🐰
今あなたのアーティスト名、ファッションでも世界中から注目されてるし。ここで一般受けするキャッチーな曲出したら、一気に広がる可能性がある。
それは、事実だ
🐺
🐺
...
🐿
🐿
...
静かになる
誰もその言葉を否定できなかった






消え入るような波形モニターを見つめたまま、ぽつりと呟く


🐺
🐺
俺さ……あなたのアーティスト名には、もっとでかい場所に行ってほしいんだ
🐺
🐺
あの子の感性って、本来もっと世界で評価されるべきだから。
今のStray Kidsの枠に閉じ込めておいていい器じゃない

チャンビンが手元でコーヒーを転がし、

鋭い視線をバンチャンに向けた






🐷🐰
🐷🐰
……だから、自分たちの音を殺すかどうかで悩んでんだろ




🐺
🐺
...っ



自分たちの音楽”を守りたい

でも、“あなたのアーティスト名の未来”も絶対に守りたい

誇りと、愛

その二つが今、暗闇の中で激しくぶつかり合っていた



🐿
🐿
……チャニヒョン


ハンが耐えかねたように、掠れた声で呟いた


🐿
🐿
マジで大衆向けに寄せる? コード進行を王道進行に変えて、ベースの歪みを抜いて、TikTok用に15秒のキャッチーなサビを頭に持ってくれば……あいつらの言う『安全なヒット』にはなるよ。




🐿
🐿
でもそれ……俺らの曲?
🐺
🐺
分かってる。分かってるけど……

バンチャンの顔を覆う指の隙間から漏れる声は
いつもの頼れるリーダーのそれとは程遠い

一人の人間としての苦悩に満ちていた




🐺
🐺
(もし俺たちがここでいつものように噛み付いて、海外レーベルとの関係が険悪になったり白紙になったら?)
🐺
🐺
(世界があなたのアーティスト名の才能に気づいて、これからもっと高い場所へ羽ばたこうとしている。その翼を、俺たちの『エゴ』でへし折ることになったら……?)




バンチャンの脳裏によぎるのは

夜通し立ちはだかる壁に向き合っていたあなたのアーティスト名の、真剣な瞳

仲間にだけみせる素の笑顔



自分を証明するために、あの子は命を削って戦っているのを昔から見てきた




🐺
🐺
俺たちが少し折れれば、あなたのアーティスト名に完璧な花道を敷いてやれるんだ

バンチャンが絞り出すように言った
🐺
🐺
俺のプライドなんて、あなたのアーティスト名の未来に比べたら、いくらでも捨てられる


🐷🐰
🐷🐰
ヒョン……
チャンビンが拳を強く握りしめた
🐷🐰
🐷🐰
……悔しいな。あなたのアーティスト名を守るための盾に、俺たちの音楽を差し出さなきゃいけないなんて


その夜から、3RACHAの地獄のような修正作業が始まった


自分たちの色を消す作業

それは、自分たちの魂を少しずつ削り落としていくような、最も苦しいクリエイティブだった

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