昼はグループの仕事、夜は撮影準備、深夜は制作会議。
宿舎のリビングは完全にアトリエ化し、スケッチや生地に埋め尽くされた
ノートへ何度も線を引く
今回のテーマをもっとLíMENらしく落とし込んだラインだ
メンズジャケットみたいなのに、身体の線は綺麗に見える
強いのに、どこか繊細
でも、その“絶妙”が一番難しい
ガシガシと頭を掻きむしり、紙を丸めるあなたのメンバーから呼ばれる名前の後ろから声がした
振り返ると、ラフなスウェット姿のヒョンジンが立っていた
しかしその視線だけは、真剣に床のデザイン画を見つめている
ヒョンジンは自然に隣へ座り
床に散らばる布、生地見本、雑誌
その真ん中で、二人は静かに作業を始める
ヒョンジンはしばらく黙ってスケッチを見つめ、小さく頷いた
そう言いながら、
ヒョンジンがさらっとペンを取り肩の落ち感を少し変え、ポケットの位置を下げる
それだけで、一気に独特の“抜け感”が生まれた
笑いながら、また二人で描き込む深夜二時
静かなリビングで、ここだけ時間が止まったみたいだった
ヒョンジンとは、こういう瞬間が多い気がする
言葉をたくさん使わなくても、クリエイティブな“違和感”を瞬時に共有してくれる存在
二人ともソファで資料を抱えたまま寝落ちしかける、
そんな夜中
ふと、ヒョンジンが完成間近のスケッチを見つめながら言った
静かな、確信に満ちた声だった
昔、自分がそうだったから
「女の子なのに変かな」
「もっと可愛い服を着るべきかな」
「オッパ達みたいになりたいのに」
と悩んできた
だから、自分みたいな人が、“好き”を我慢しなくていいように
ヒョンジンは、そういう部分をいつも見抜いてくれる
表面のビジュアルじゃなく、根っこの感情を。
撮影前日
ついに完成した新作ジャケットを、あなたのメンバーから呼ばれる名前がハンガーへ掛けた
黒ベースの、落ち感のある美しい肩のライン
無骨なのに、どこか気高いエレガンスを纏っている
ヒョンジンがそれを見て、優しく微笑んだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!