斎藤知事は、「真実相当性が確認できなかったことから、当該文書は公益通報者保護法上保護される3号通報ではない」と述べています。しかし、この発言には大きな問題があります。
3号通報においては、通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由、いわゆる真実相当性が問題になります。しかし、真実相当性とは、通報内容が後にすべて真実と確認されることを求めるものではありません。通報時点で、通報者が相当の根拠に基づいて違法行為等があると信じたかどうかが問われるものです。県が事後に調査して「確認できなかった」ことと、通報者に相当の理由がなかったことは同じではありません。
しかも、第三者調査委員会では、告発文書の内容について、事実と異なる部分がある一方で、複数の事実については真実である、または真実相当性があると認められています。知事のパワハラ行為についても、いくつかの事実が確認され、職員の労務環境に問題があったことが指摘されています。つまり、少なくとも文書全体を「真実相当性が確認できなかった」として一括否定できる状況ではありません。
また、文書には複数の項目が含まれており、公益通報者保護法上の通報対象事実に当たるか、真実相当性があるか、3号通報としての追加要件を満たすかは、本来、項目ごとに慎重に判断すべきです。文書全体を一括して「3号通報ではない」と否定するのは、公益通報者保護法の趣旨を狭く解釈するものです。
さらに、本件では、通報の対象とされた知事側が、通報者探索や処分判断に関与していました。そのような立場の者が「真実相当性が確認できなかった」として通報者保護を否定すること自体、公正性に重大な疑問があります。
したがって、知事発言の問題点は、真実相当性の判断を「県が確認できたかどうか」にすり替え、第三者調査委員会で一部事実やパワハラが確認された以上、『真実相当性が確認できなかった』として3号通報性を全面否定する知事の説明は、すでに成り立ちません。
斎藤知事と県議会との溝、埋める材料なく 給与減額案が継続審議、自民議員「最大の好機逃した」 kobe-np.co.jp/news/society/2… @kobeshinbunより