情報処理推進機構(IPA)がブランドアイデンティティーを刷新した。手を入れたのは3つ。「ロゴデザインの変更」「英語名称の変更」「タグライン(理念を表す言葉)の新設」である。同件のリブランディング・コンサルティング業務は2025年2月に総合評価方式で一般競争入札を実施し、電通が4840万円で落札した。
刷新はIPAが2026年6月5日に発表し、同日から新ロゴなどの使用を開始した。変更の狙いと見込む効果を、同機構への取材を基に解説する。
英語と日本語で意味が異なる
まずロゴについて、モチーフは「北極星と円」である。従来は赤系で大文字表記だった「IPA」のロゴは、青系または青地に白で「Ipa」と大文字小文字の混在表記になった。
混在表記にはIPAが前面に立って全てを主導するのではなく、「産業界、行政、アカデミア、地域、そして挑戦する人々を支え、ともに経済社会の変革を前に進める存在であるという考えを込めた」という。タグラインの「Beyond Digital」には「IPAの目指す方向を込めた」とする。
元々「Information-technology Promotion Agency, Japan」だった英語名は「Innovation Platform Agency, Japan」に変更した。日本語名は変わらず「情報処理推進機構」なので、英語名は直訳ではなくなった形だ。
日本語名と英語名が異なることについて違和感を指摘する声はなかったのか、IPAは「検討過程でも論点になった」(広報)とする。だがIPAの役割が「特定のIT技術の普及にとどまらず、デジタル技術を通じて、多様な分野の変革を支える基盤へと広がっている」(広報)と考え、それを表す英語名に変更した。一方で「55年の信頼と公共性を継承」(広報)し、日本語名は変えずに残したという。
こうしてそれぞれに狙いがあるとはいえ、成果物として目に見えるものは「ロゴ」「新英語名」「タグライン」の3つだけだ。4840万円を費やした価値があるのか、IPAに疑問をぶつけた。