たなべがわたしにくれたもの
はじめに
今回の滞在でお世話になった田辺・みなべの皆さん、本当にありがとうございました!学びある、凄まじく濃密な時間でした。また行きます!!
感じたこと・考えたことが溢れてきたので自分用に箇条書きで書き殴ってみたら、かなりの文量になったのでせっかくならnoteで公開してみようと思い、今に至ります。
最近ご無沙汰な方にも文脈を捉えてもらえるように、今僕がどんなことに興味を持っていて、なぜ和歌山を訪れたのかを先に。
興味のあること、会社でやっていること
①【森業】
家族や仲間と能登で安心して暮らしていくための森づくり、そしてそれを続けていくための仕掛けと仕組みづくり
能登出身のパートナーが昨年の地震・豪雨で被災。以来、トラウマで夜に雨が降ると全く眠れないこと、豪雨予報が出ても自分は祈ることしかできないのが悔しすぎたこの夏。
能登はこれから異常気象ばっかりで、美味しいお魚も食べられなくなっちゃうのかな…
霧雨の降る和倉温泉で彼女の言葉を聞いて、森をなんとかしなければ、自分たちは能登に住み続けられないと直感し、以来、まずは勉強だと思って3ヶ月間、森に触れたり、木に関わる人の話を聞いたりしながら、距離感と関わりしろを探ってきました。
②【じいばあインキュベーション】
農業や裁縫を軸に、集落の最高なじいちゃんばあちゃんらのポテンシャルを引き出す事業づくり
能登がワクワクに溢れるには、じいちゃんばあちゃんたちがワクワクしながらみんなの個性を生かした新しい事業が起こることが絶対に必要。
移住して以来ずっと通い倒して、集落の孫のようにかわいがってもらっている山合の集落で日々実験しています!
③【若者インキュベーション】
能登にワクワクしてくれた同世代に「柱」(社内起業家)に就任してもらい、カオス的にインキュベーションが起こる仕組みづくり
共同創業者のみれいちゃんが「ビジョンに共感できない」と焼塩エイミーを卒業したとき、「それでも自分は家族と安心して、ワクワク暮らせる能登をつくりたい」というエゴがブレなかったからこそ、「みんなが自分の心から湧き出るエゴを追える会社をつくろう」と思った。そして、清走中時代に自分が事業部長として完全成果主義で経営させてもらったからこそ成長できた経験を今の柱制度につなげている。
和歌山を訪れたかった理由
・「戻り苗」を運営するソマノベースというこれまでで出会った中で、最も尊敬し、嫉妬しているサービスを運営する会社に会いたかった
・僕の通っている集落で来年から梅の加工に力を入れて事業を立ち上げていく上で、日本一の梅の産地を見たかった
・なんとなく、フォッサマグナあたりで日本を東西に谷折りしたらきっと重なるであろう紀伊半島の果てに何かがある気がした。
以上、ここからは散文になります!
1日目
・空港から駅までの7時間半の移動中、お互い眠いはずなのに森のこと、若衆のこと、彼女のことなどなんでそんなに話途切れないんだろうってくらい喋り倒せたのが良かった。今年の3月から週の半分以上は会ってた(なんなら週6とか会ってたときもあるくらい)けど、ゆっくり二人で話すのはなにげ初めてで。向かっている大きな方向が一緒で、興味分野が近くて、話盛り上がる人との出張ってこんなに楽しいんだなと。ハイライトはどんぐり帽子。周りで寝てた人いたらごめんなさい、たくむくん運転まじありがとう。
・田辺駅についてすぐ、仄かにあたたかい秋風に感動。(能登は先週からだいぶ寒くなった)そして、駅の改札に「炭琴」という炭の木琴や、虫食い木を使ったプロジェクトの机があることに反応。
・待ち合わせまで1時間ほど時間があったから駅周辺を散策。歩いていると、能登でいうと穴水にしかない、大好きなタイプの喫茶店に次々と遭遇。その奥にはスナック街が広がる。でも、その中に観光客目線で入りたい!おしゃれ!ってなるような木をふんだんに使ったおしゃれなカフェ(若者のコワーキング的空間になっているらしい)や雑貨屋さん、梅酒バルなど新しいお店も混在していた。(もしかして、町でいう混交林であり、複層林状態?)駅周辺を軽く歩いただけでも、時代が共存している楽しそうな町だなと感じた。
・商店街が賑わってるってすごい。長野の権堂アーケードも、飯田町商店街も商店街としての姿をとどめていなかったし、別府の商店街はなんか抵抗あってところどころ好きなお店はあるけど、商店”街”としてはあまり楽しめなかったから、新鮮な面白さだった。地味だけど音楽かかってるのとか、ライト光るのとか大事。後から聞いたら、駅前だけで200件くらいお店があって、梅・みかん・備長炭という3つの外貨を稼いでこれて、日本一を取れている産業があるから地域のお店にお金が落ちているとのこと。チェーン店が来てもうまくやれないほどの結束感と、創業塾のような取り組みをしたときに商店街でお店をやっている地元の人も参加してくれるのとか、まじすごい。人口6万人強、強い産業あり、日照時間長くて開かれたお人柄、こりゃあUターンで戻ってきたくなる人が多いのも納得だった。
・ときかさんと合流。優しくて親しみやすい雰囲気。めちゃくちゃお忙しい中、そしてどんぐりシーズンに月曜お昼〜火曜お昼をつきっきりでご案内いただけることに大感謝すぎる。後部座席に二人で乗らせてもらい、廃校が複合施設になった場所でランチをご馳走していただく。地元の人らが作るお惣菜バイキングが1300円で楽しめる農家レストラン、よすぎた。そして和歌山の果物使ったソフトクリームとかクレープとかも。ランチしながら&車の中でこれもまたずーーっと途切れずにいろんなことを話す。なにげこの時間が一番嬉しかったし、学びになった気がする。
・(ちょっと思い出話)2022年くらい?にお世話になってた先輩からソマノベースさんの存在を教えてもらって、そのときは「防災への思い強くて、面白い事業やってるスタートアップがいるんだな」くらいにしか思っていなかった。けど、森に興味持つようになってから「戻り苗」のコンセプトや個人・企業の巻き込み方がすごすぎることに気づいて、人生で出会ってきたサービスの中で一番嫉妬するくらい良いサービスだなと思うようになった。だから、QWSいったときつばたんに繋いでもらって、らいらいさんから能登もチームみんなでいってすごく悔しかったです。代表と来週以降MTGセットしますね。って連絡きて、その後すごい数の日程候補が送られてきたときに「かなり真摯に向き合ってくれてるんだな」ってすごく嬉しかったし、実際それでたくむくんにもMTG入ってもらって繋がれて、実際に和歌山行けることになったのがQWS時代からの伏線だったのかなあとか。
・備長炭公園に行く。日本一高級な炭であり、鬼滅ブームも相まって(?)世界からの人気もさらに上昇している備長炭。「ウバメガシ」という広葉樹が原料で、なんと植林から16年で炭焼きに使えるという広葉樹にしてはかなり早いサイクルで回せる木が田辺中に植林されたり、自然に生えたりしているとのこと。そしてその森が生物多様性を生んでミツバチが過ごしやすい環境になるから、梅林の受粉も手伝ってっていう理想的な里山システム。そのシステム自体が能登と同じ世界農業遺産になっている。能登の炭焼きの話も上黒丸で聞いてたけど、やっぱり最高級路線で生き残ってきたブランド力はすごいなあ。色んな斜陽産業はあるけど、特に燃料革命が起こった炭は、最高級orニッチな需要特化or海外での大量製造で安くするしか生き残れないんだろうなあと。
・横にあったお土産屋さんがまたすごかった。こういう資料館の横にあるお土産屋さんって大体「これあったら買うのにな〜」っていうドンピシャのものがないイメージだったけど、まさかの炭の商品が多すぎて迷うという。消臭文脈でも、車用、部屋用、靴用、枕用、風呂用とかあったし、ウバメガシとかミカンの木を磨き上げたアクセサリーもかわいかった。
・見学を終えて、どんぐり拾い!意外と見つけるのがむずかしい。とっきーさんは一瞬で片手溢れるくらい見つけててすごかった。葉っぱが特徴的で、どんぐり帽子の模様が鱗型、そして今まさにどんぐりをたくさんつけているウバメガシにどんどん愛着が湧いてくる。このときはどんぐりかわいい!とは思ったけどまだどんぐり拾いの楽しさには気づいていない頃。
・存分に山モチベが高まったところで、戻り苗を植えている現場と、これから戻り苗を植える現場に連れて行っていただく。かなり急斜面で、道もスパイク付きじゃなかったから林業家さんたちがいかに命をかけて施業しているかを感じる。かわいいウバメガシの苗にはテープが巻いてあって、色んな企業さんの名前も書かれていて、やっぱり素敵なサービスだなあと再実感。この山にかなりの人数を連れてきて実際に現場を見てもらうことで、どれだけの人に日本の森の現状を知ってもらえたんだろう。ほんとにすごいなあとずっと感服。
・そこから見える近くの山には、皆伐された山や整備がされないまま過密な状態で育ち、材にするには細すぎて放置されている杉の森(能登でもよく見る)があった。とっきーさんの林業の現場を経験したからこその解像度がさすがで、本で読んだ知識をベースに色々聞けたのがめっちゃ勉強になった。個人事業主としての勉強&下積み期間がすごい糧になってるんだろうなあ、自分も今まさにその時期なんだろうなってちょっとホッとした。
2個目の現場は川の上流部だったけど、細い木の倒木があり、こんだけ細かったらそりゃ土砂崩れするよなって感じ。こうなった森は皆伐するしかないけど、皆伐してもお金にならんし、搬出大変だし、シンプルに切る本数が多いから大変。この構図なんとかしたい!!!って改めて思った。細い杉の燃料以外での利用方法、全く森詳しくない人とかに現場来てもらってブレストしまくりたいよ〜〜
・熊野古道らへん?を通って夜ご飯を食べに田辺駅周辺へ。やはり車内で色々聞けるのが楽しかった思い出。途中寄ったトイレのとこで、去年行った奥大和とめっちゃ景色にてる〜〜すてき〜〜そういえば奥大和も良い喫茶店いっぱいありそうだったなあとか。
・夜ご飯も美味しかった!お店の雰囲気もめっちゃいい。壁に描いてあった地図見るの楽しかったし、いい仕掛け。ここからは割り勘でいいですか?って言ってもらえたからすごいリラックスして食べれた、こういうの真似したい。だしまきたまご?と熊野牛のステーキめちゃうまだった。メンバーのあさりさんもめちゃ面白くて明るい人で、高校の同級生の二人の雰囲気いいな〜と思ったし、めちゃくちゃ仕事強そうだなあと思った。CFO兼営業なんてなかなかできない冷静と情熱を持ち合わせてる人だなあと。でも終始明るいし、その明るさにソマノベースメンバーがついてきてくれないみたいなのも元気印みたいな感じでおもろかった。やっぱチームの雰囲気って色出るね。中学の同級生を能登に沼らせるぞという決意固まった!
・そういえばこの日だけで2回自撮りしましょ〜ってなったから、とっきーさんってよく自撮りする人なんかなと思ったら全然そんなことないってあさりさんが言ってて、なんか嬉しかった!ホテルまであさりさんが先頭でてくてく元気に先導してくれたの、まさに元気印だった笑
・ホテルで謎にのとのとを見る。全線踏破はやっぱり神回。そういうまったり系かショートかが一番おもろかった!続編期待&ラジオやってほしー!
2日目
・朝の日差しめっちゃ気持ちいい。和歌山の太陽元気。そしてコンフォートホテル、まさかの朝ごはんつき、サラダめっちゃ食べた。各スペースに置かれてた本がおもろそうで気になった、我々の朝ごはんゾーンには海関連の本たち。たぶん清走中時代にお会いした人たち関連の本もあって、懐かしくなった。
・とっきーさんが迎えに来てくれ、田辺のウユニ塩湖とも呼ばれる海岸に連れて行ってもらう。磯遊び(?)的なのがかなり久々なことに気付いたし、能登で1回も岩場を観察したことなかったことに気づく。微細化した発泡スチロールやかなり薄くなったビニール袋など、日本のマイクロプラスチック問題の縮図がそこにあった。でもこの海岸で印象に残ったのは正直海ではなく、ウバメガシのどんぐりのかわいさと集める楽しさ!海岸沿いがずーっとウバメガシになってていつの間にか夢中で拾ってた!ゴミ拾いにハマったときに近しい感覚。
・その後、よってってという道の駅兼地域密着スーパーみたいなかなりきれいで、ワクワクする買い物施設に行く。さすが果物王国和歌山。梅を始め、色んなおもろい商品があって写真を撮りまくり、かみくろへのお土産を買う。地元の高校生の商品開発も盛ん。梅昆布茶うまそうだなあ。
・買い物を終え、かなりでかめの公園へ。ご飯食べつつのんびりと時間を過ごす。こういうとここそ子育て世代はうれしいよなあ。たくむくんが言ってたけど、工事の音が聞こえない公園ってたしかに能登にないかも。遊具でっかかったなあ。あと、燃えるゴミのゴミ箱があることに感動してたら、お散歩中の御夫婦が話しかけてくれて、震災前に能登に旅行した話をしてくれた。なんかみんなすごい明るくて、日照時間がもたらす県民性なんかなあとぽかぽかな気持ちになった。この旅の中で何回「これも日照時間のおかげか!」と思ったことか笑
・のんびりタイムが終わり、待ちに待ったガチどんぐり拾い!まじ楽しかった!緑のどんぐりかわいくてそればっか拾っちゃってたけど、途中から茶色いやつもきれい〜ってなってそれも拾うように。ってかそもそもウバメガシの存在が尊い。葉っぱ見ただけで嬉しくなる。広葉樹がこんなに強い産業になってる地域って他にあるんかな(北海道の家具とかバットくらいしか想像できない)能登にも炭焼き文化はあったし、今も頑張っている窯はあるけど、コナラが町の至るところにあるってレベルでは針葉樹たちへの優位性がなかったんだろうなあと。16年で利用できるようになるっていうのもバグ。ウバメガシ尊い。能登でもそういう存在見つけたいし、つくりたい。どんぐりかわいい。
・最後に一応マス向け観光地も見てみよう!と白浜エリアをご案内いただく。ザ・バブルのときに全盛期迎えてそこから廃れているリゾート地!という感じかと思ったら、今もなお関西圏では一番のリゾート地ということもあり、かなり賑わっていた。白浜と和倉温泉が重なって見える部分もあったけど、パワー的には負けそうだな。でも南海トラフ起こったら和倉以上の被害受けるんだろうなと思うとめちゃくちゃ心が苦しくなった。千枚田と千畳敷が重なる部分もあったから、もっと能登でもマス向け観光地大事にしよってなった。
・充実しすぎてた田辺滞在を終え、とっきーさんとバイバイし、たくむくんが震災直後にお世話になったみなべの梅農家さんに弾丸でお世話になることになり、いきなりお家へ。めちゃくちゃ美味しいご飯をいただきながらお話を伺う。山本さん、なんと40年前から無農薬の有機栽培をされており、六次産業化をめちゃくちゃ頑張っているトップランナー。かみくろの先生になりうる存在。そしてめっちゃノリノリでかみくろの話も相談乗ってくれて最高。先月から修行を始めた15歳のいおりくんもめっちゃかわいかった。これから彼がどんな人生歩んでくのか楽しみだなあ。
・お家を出て、梅畑を見学させてもらうと思いきや加工設備をとりあえず写真撮りまくれ!説明は後だ!ってなって爆速視察。帰りの駅までの間で具体的なことも色々相談させてもらい、大量の梅土産をもらってくろしおに飛び乗る。紀伊田辺が能登にとって仲良し地域みたいに思えてきて、かなり好きになってしまって、駅の看板見てさみしくなった。また来るぞ!!
要はこういうこと
・田辺が好きになった!南海トラフ起こったら絶対助けに行く!能登の仲間みんな連れて行く!
・戻り苗はやっぱりすごい。ウバメガシとどんぐりはかわいい。能登でもどんぐり情報集めて拾いまくるぞ!!
・ソマノベースメンバーの雰囲気めっちゃ好き。能登来てくれるの楽しみ!全力アテンドするぞ!!(らいらいさんも来てくれるのうれしい!)
・梅農家さんまじアツい!かみくろのじいちゃんばあちゃんらと梅視察も来年あたりしたいなー!
出張から10日経って
・田辺から戻り、早速どんぐりを拾った。じいちゃんが木の場所を教えてくれ、ばあちゃんが植えてくれた。杉の重さを感じたくて、搬出したり、柱を挽かせてもらったりした。
・田辺での時間、能登での時間、これらを和倉温泉に浸りながら頭の中でぐるぐるふつふつと考えていたら、思考がシンプルになってきた。
・創業してからの半年で、一番感触の良いアイデアが降ってきてくれた。できるとこまで向き合ってみよう!!
・きっとそういう流れが来ているんだろうと思うようなタイミングが多い。だからこそ、関わってくれている人たちに感謝して、真摯に向き合っていこう!!!(宣言)



今回の旅で「どんぐりを拾う」という、一見非生産的な行為に没頭した体験が、これから能登で進める「森業」や「インキュベーション」の実践の質に、どのような変化をもたらしそうだと感じていますか?