栃木県佐野市の社会福祉法人「静山会」に解散命令
栃木県は、佐野市の社会福祉法人「静山会」(理事長:関口重雄)が正当な理由もなく1年以上にわたり目的の事業を行わなかったとして、社会福祉法に基づき解散命令を出したと発表しました。
社会福祉法人「静山会」は経営難のために特別養護老人ホーム「唐沢静山荘」と「唐沢の里」「横倉の里」、軽費老人ホームA型「唐沢グリーン・ビラ」を閉鎖していたようです。
栃木県は2025年5月26日に法人に対して以下のような改善命令を発していました。
(1)法人の財産
・法人運営、会計経理等に係る各種書類や通帳等について所在不明であることから、引き続きこれらの所在を調査、確認し、県に報告すること。
・法人印の管理者及び管理場所についても併せて確認し、県に報告すること。
・法人の資産及び負債の状況等について調査し計算書類等及び財産目録等を県に届け出ること。
(2)役員などの現況
・現理事、監事及び評議員を把握し、任期を記した役員等名簿を県に提出すること。
・これら役員等の選任に係る理事会及び評議員会の議事録を県に提出すること。
(3)軽費老人ホーム唐沢グリーン・ビラの建物を売却
・2022年10月12日に基本財産であった軽費老人ホーム唐沢グリーン・ビラの建物を売却したことについて、理事総数の3分の2以上の同意及び評議員会の承認を得ず、県の基本財産処分承認も得ていないことから、売却に至る意思決定の経緯を調査し、県に報告すること。
・売買契約等の内容が明らかとなっていないことから、当該建物売却の際の売買契約書の写し等を県に提出すること。
・当該取引により法人に損害が生じている場合は、任務を怠った役員等に対して損害賠償請求を行うことを、理事会で検討すること。
(4)法人の在り方検討
・2022年3月28日以降、正当の事由がないのに1年以上にわたってその目的とする事業を行っておらず、(3)の売却以降、全ての基本財産を喪失していることから、今後の法人の在り方について検討すること。
「実体消滅(社会福祉法第56条第8項:正当な事由がないのに1年以上事業を行わないとき)」を理由とする解散命令!こんな法人もあるのですね・・・役員には大きな責任がありますね。理事や監事が他の社会福祉法人の役員になることが5ヶ年剥奪されるだけで済むものなのでしょうか?
理事や監事は法人に対し「善良なる管理者としての注意義務(善管注意義務)」を負っていますが、1年以上にわたり事業活動を停止し、認可や指定を失効させて法人を破綻・解散に追い込んだという事実は、明らかな職務怠慢ですよね。
改善命令を無視し、事業停止状態を放置して解散命令を招いた役員陣の経営責任(不作為の責任)は極めて重いです。5年間の業界からの事実上の追放(欠格事由)という行政上のペナルティに留まらず、今後の清算の過程で法人資産や負債の状況が精査されるにつれ、「役員個人への損害賠償請求」へと発展する可能性もありますね。



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