「僕のこと、覚えてる?」
「最初に会った時のこと」
そう言って彼は、手のひらに載せた瓶を
私に見せてくれた。
顔を見ても思い出せなかった。
けれど、瓶の中にあるカケラを見たら
最初に会った場所の映像と
交わした言葉が断片的に現れた。
記憶の糸を辿ると、そこに彼はいた。
淡々と降り積もった記憶の中で
見つけた彼は
あまりに鮮やかだった。
懐かしかった。
と同時に驚いた。
私はすっかり忘れていたのに
彼は覚えていてくれたこと。
顔さえ思い出せなかったのに
ずっとそばで見ていてくれたこと。
彼が持っている瓶の中身、
これは一体なんだろう?
キラキラしている、この粒々・・・
じっと眺めていると、
それはまるでローチョコボールみたいだった。
まんまるで白いココナッツがついた
自然の甘みのチョコレート。
刺激的な砂糖の甘さは一切ない。
中身はデーツとカカオのみ。
いくら食べても罪悪感が湧かない。
その優しい味が好きだった。
と思ったところで、目が覚めた。
どうやら夢の中で、夢の続きを見たようだ。
ん?
ひょっとしたら、夢が現実?
そう思うくらいにリアルだった。
ときめきだけがキラキラと光っていた
甘い甘い、今朝の夢。
・
瓶の中にあったのは
忘れかけていたときめきだ。
・
きっとそれは
自分の中のときめきを思い出したから
夢がメッセージを送ってくれたんだと思う。
忘れていた感覚に出会えて
私の中の私が「嬉しかったよ」って。
もっと自分の感覚や想いに素直になっていいよ!
そんなふうに言われた気がした。
余計なものは全て取っ払ってさ、
素の自分でいていいよ。
自分の感覚に素直でいると
きっとずっともっと
毎日がきらきらと輝いていくよ。
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