4月に始まったドラマ「銀河の一票」(フジ系、毎週月曜夜10時)が終盤を迎える。与党幹事長の父に関する疑惑を追及して政界を追われた元秘書・星野茉莉(黒木華)が、スナックママ月岡あかり(野呂佳代)と知事選に挑む50日間を描く本作に、関西テレビの佐野亜裕美プロデューサーはどんな思いを込めたのか。
佐野さんが手がけた前作「エルピス―希望、あるいは災い―」(2022年)は、冤罪(えんざい)事件を追うテレビ局関係者を主人公に、権力と報道との関係を描いた。この作品に寄せられた反応が、「銀河の一票」を構想するきっかけになったという。
「政治」には議論すべき何かがある
「エルピスの放送後、ドラマ内の政治的な表現に関してポジティブな意見やネガティブな意見がSNSで見受けられ、私あてに手紙も届きました。大きなインパクトを生むということは、『政治』というテーマに議論すべき何かがあるんだろうと思いました」
日本には政治について語りにくい風潮があると感じていたことも、それを後押しした。「テレビ業界に入ってからずっと『政治と宗教の話は飲み会の場でするな』と言われ、政治の話がマスコミでもタブーになっていることが気になっていました。でも、20年に短期語学留学に行ったアメリカでは、ホームステイ先の家族がテレビで大統領選関連の報道を見ながら政策の話をしていた。家族で政治の話をするのが当たり前、という価値観に驚きました」
どんな物語にするか考えていた時、新顔として挑んだ22年の杉並区長選で当選した岸本聡子さんのドキュメンタリーに心動かされ、「選挙にフォーカスしたドラマを作ろう」と思った。そんな今作では「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という、宮沢賢治が「農民芸術概論綱要」で書いた言葉が繰り返し登場する。
物語全体にとって重要な意味を持つこのフレーズは、脚本を担当する蛭田直美さんが、入れようと提案したという。「蛭田さんは最初、『(ドラマを)書ききるのは難しいかも知れない』と言っていました。でも、話すうちに(賢治のこの言葉が表す)『個人の幸せと全体の幸せ』をテーマにすれば書けるかもしれない、と。素晴らしく、良い考えだと思いました」。「銀河の一票」というタイトルも、蛭田さんが提案したという。
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- 小川公代上智大学教授=ケア・文学視点
なぜ日本では政治について語りにくい風潮があるのか。それは政権にとっては自分たちに都合のよい政治に国民を導きやすいというメリットがあるから。反対に、わたしたち国民にとって、政治について語らないことは自分たちに利することがほとんどない。日々の会
2026年6月11日 10:07