夜中のトイレなしで朝までぐっすり…25年「無塩・無糖」生活を続けた78歳・現役医師の体に起きた"驚きの変化"
■毛細血管をダメにする犯人 メリット③ 腎臓の機能を保つ 血圧を上げない、血糖値も上げにくい「無塩・無糖」は、ひと言でいえば、血管にやさしい食生活です。 血管は、全身の臓器に酸素と栄養を運んでいるので、血管にやさしい食生活は全身の健康を守ることにつながりますが、なかでも恩恵を受けるのが腎臓です。 腎臓は、数ある臓器のなかでも、非常にユニークな臓器なのです。 例えば、肝臓には肝細胞があり、毒物を分解したり、栄養素を体が利用しやすい形に作り変えたり、肝臓の働きの大部分を担っています。同じように、心臓には心筋細胞、脳には脳神経細胞があります。 ところが、腎臓だけは特殊な臓器で、腎臓本来の細胞はありません。腎臓は、毛細血管の塊である「糸球体」と、糸球体でろ過されてできた原尿が通る「尿細管」で構成されています。そのため、毛細血管が障害を受けると、腎臓はダイレクトに影響を受けるのです。 では、毛細血管をダメにする犯人は何かというと、血圧が高いことと血糖値が高いこと。 これらが、2大悪なのです。 また、糸球体は、一度壊れると元には戻りません。 私たちは、左右に1つずつ、2つの腎臓を持って生まれます。そして、1つの腎臓には約100万個の糸球体があるので、200万個の糸球体とともに人生がスタートします。それだけ数があるのなら、多少壊れてもいいじゃないか、と思うかもしれません。 でも、自然消滅する糸球体も年間6千個もあるのです。10年で6万個、100年で60万個は自然消滅していきます。ですから、残った糸球体は大事にしなければいけません。 その点、毛細血管を傷める2大悪の高血圧と高血糖を防ぎ、糸球体に余計な負荷をかけない「無塩・無糖」は、腎臓を長持ちさせるためにも、とても効果的です。 ■夜中トイレに起きず、朝までぐっすり 味の濃い食事をとったあとに、喉が渇いた経験は皆さんあると思います。 食塩の多い食事をとると、自ずと水分摂取量が増えます。私たちの体液の食塩濃度は0.9%に一定に保たれているので、食塩をとると、その分、水分を増やして薄めなければいけません。だから、喉が渇くのです。 そして、たくさん水分をとれば、当然、尿の量も増えます。腎臓が尿を作り出すには、実は膨大なエネルギーを要します。糸球体がろ過してできる原尿は1日150Lにもなり、その大半を尿細管で再吸収して、最終的に尿として排泄されるのは原尿の1%程度です。 尿の量が増えれば、それだけ腎臓を余計に働かせ、エネルギーを使い、余計な負担をかけることになるのです。 また、加齢とともに、夜間頻尿に悩む人の割合も増えます。同年代の友人と会うと、「夜1、2回はトイレで起きる」と、皆が口を揃えて言います。 ところが、私は、夜中にトイレで起きることがありません。朝までぐっすり眠れます。「無塩」食なので、自然に水分摂取量が減って尿量も少なくなるので、夜間の尿量も多くないからです。 内科や泌尿器科で検査しても特に異常が認められない夜間頻尿に悩んでいる場合も、「無塩」食が解決策となります。夜中にトイレで起きたくない、朝まで熟睡したいと願うなら、「無塩・無糖」を試してみてください。 ---------- 中尾 正一郎(なかお・しょういちろう) 医師、医学博士 日本循環器学会専門医。日本内科学会認定内科医。1973年、鹿児島大学医学部卒業。米ハーバード大学医学部(循環器内科)、米マウント・サイナイ大学医学部(臨床遺伝学)留学を経て、95年に新しい疾患「心ファブリー病」を医学雑誌「The New England Journal of Medicine」で日本から世界に発信。99年、鹿児島県立鹿屋医療センター院長に就任し、日本初の2箇所主治医制による地域医療「鹿屋方式」を構築し、メディアでも取り上げられる。現在は霧島整形外科病院に「食塩高血圧外来」を開設し、薬に頼らない「無塩・無糖」による食事療法を行っている。 ----------
医師、医学博士 中尾 正一郎