汚れたゼレンスキーのイメージ
11月14日付のNYTは、「ゼレンスキー大統領のイメージは汚れた――汚職疑惑が彼の側近を揺るがしているからだ」という記事を報じた。記事はゼレンスキーのイメージダウンという「柔らかな表現」にとどめている。
しかし、今回の「ミダス」事件は、ゼレンスキーが首謀者であることを指し示している。なぜかと言えば、ゼレンスキーは事件を潰すために法律改正までしたからだ(この経緯について詳細に分析したのが拙稿「ウクライナ各地でついに始まった「反ゼレンスキー」大規模デモ」である。あるいは、「知られざる地政学」連載(101):「ゼレンスキー=悪魔」騒動の顚末と教訓(上、下)を読んでほしい)。
今年7月、ゼレンスキー政権は、国内の反腐敗機関であるNABUとSAPの独立性を潰そうとして露骨な動きをしたのである。最初に、ウクライナでもっとも影響力のある反腐敗運動家の一人である、反汚職行動センターのヴィタリー・シャブニン執行委員長が国家捜査局によって兵役逃れや詐欺の容疑で11日拘束された。これは、ゼレンスキーの忠実な支持者ルスラン・クラフチェンコが、新検事総長に任命された直後に提起された出来事だ。
ほかにもある。7月21日には、検事総長事務所、ウクライナ保安局(SBU)および国家捜査局は、NABUの捜索を行った。7月22日朝時点の情報によると、19人の職員を対象に80件の家宅捜索が行われ、数人が逮捕された(「メドゥーザ」を参照)。NABU職員が関与した交通事故に関する捜査を行ったとされているのだが、その交通事故は2021年のものであり、いかにこの捜査が恣意的なものであったことがわかる。NABUとSAPOに「ロシアのエージェント」を発見したとの口実で、大規模な捜索が行われたのだ。
拘束された者には、父親がロシア国籍をもつNABUの刑事部門の責任者ルスラン・マハメドラスロフがいる。もう一人の職員は国家反逆罪で告発されている。「キーウ・インディペンデント」によれば、SBUは、マハメドラスロフがウクライナから逃亡した親ロシア派議員フェディル・フリステンコと接触していると主張している。