【不正ルート②:チェルニショフ前副首相】
11月14日になって、ウクライナ国家反腐敗局(NABU)は、エネルゴアトム汚職事件に関与した元副首相に対し、不正蓄財の容疑で告発状を送達したと発表した。これはオレクシー・チェルニショフ前副首相のことである。彼は、このリベート計画で約143万ドルを受け取っていたという。
「ウクライナ・プラウダ」が11月12日付で報じた「ゼレンスキーの「豚飼いたち」。大統領の友人たちが戦争中に国を略奪した方法」という記事を読めば、真相がみえている。チェルニショフが豪華な4棟の建築(下の写真)に絡んでいたとみられている。
NABUとSAPは4棟の建設事件を捜査しており、すでに20件ほどの捜索を行い、チェルニショフが建設者である証拠をつかんだというのだ。どうやら、エネルゴアトムから横領した資金で満たされたミンディッチの影の金庫によって建設費を調達していたようだ。
そもそも、この4棟がだれのためのものかは不明だ。しかし、少なくとも1棟はゼレンスキーのためのものとみられている(「ストラナー」を参照)。
興味深いのは、悪党間の人間関係だ。記事は、ミンディッチがチェルニショフを「良い人物」としてゼレンスキーに推薦し、チェルニショフの妻がファーストレディのエレナ・ゼレンスカと積極的に親交を深めはじめ、ファーストレディはチェルニショフ夫妻の娘の洗礼式を行うまでになる。2019年にゼレンスキーが大統領に選出されて以来、チェルニショフはキーウ州知事、地域開発・地域社会大臣、国営石油ガス会社ナフトガズの最高経営責任者など、さまざまな政府職を歴任してきた。
だが今年6月には、別の事件で贈収賄および職権乱用の容疑で起訴された。7月に1億2000万フリヴニャ(約4・4億円)の保釈金で釈放されている。同月下旬、副首相兼国民統合大臣の職を解任された。