連載中に細木数子から6億円の訴訟
エイト 後半、細木が占い師としてメディアに出始める頃から、やっと溝口さんが暴いた事実も出てきますが、それでもかなり遠慮している感じはありました。
溝口 細木にとって本当の“大殺界”が何だったかと言えば、『週刊現代』で僕がやった連載と、その後の6億円訴訟ですよ。結果的に我々が実質的に勝って、細木はテレビのレギュラー番組を失い、露出も激減した。あの裁判にほとんど触れていないのは、「事実に基づくフィクション」としても片手落ちと言わざるを得ないですね。
エイト 溝口さんは『魔女の履歴書』の連載中、細木数子さんから6億円訴訟を起こされました。
溝口 6億円もの金を講談社にふっかけて、恐れ入らせようなんて、とんでもない話ですよ。
エイト 僕も今、3件やられていて、合計3600万円くらい請求されています。今のところ全部勝ってはいますが、請求額が高いほど全面棄却されて勝ってもその差額が経済的利益として弁護士費用が計算されるので、もう何百万円もかかっています。資金力を武器に、訴訟を使って言論封殺をしてくる構図自体は、当時から全く変わっていませんね。
溝口 しかも、細木の訴訟では僕を被告から外してきた。僕が暴力団に情報パイプを持っていたから、自分と暴力団との関係が、僕の証言で表に出ることを警戒したんでしょう。だから仕方なく補助参加した。実質的には我々が勝ったから、本当は反訴したかったんだけど、補助参加ではできないと言われた。あれは悔しかったですね。
エイト 「なんで自分を被告に入れてくれないんだ」というのも珍しい話ですが(笑)、結局、日本には反SLAPP法がない。金の力で自分に不利な言論を潰そうとする側に対抗する制度が弱いんですよね。
溝口 しかも訴訟って、向こうが勝手に仕掛けてくるものなのに、「訴えられた時点で、こちらにも何か問題があるんじゃないか」という空気になる。そこも連中の狙いなんです。
エイト 僕もその空気が嫌で、統一教会から訴えられた時、向こうが司法記者クラブで開いた会見に、自分で取材に行ったんです。その様子が『サンデー・ジャポン』で流れました。劇場化することで、「こいつら、こんなことやってるんだ」と視聴者に伝わった。訴えられたら隠れるんじゃなく、むしろ全部公開していく方が強いんじゃないかと思いました。
溝口 アメリカの最高裁判事の言葉で、「殺菌には日の光に晒すのが一番」というのがある。まさにその通りですよ。