カドカワ川上量生氏、筆頭株主による「夏野CEO退陣要求」に反対意向「辞めれば大混乱」「手腕は評価されるべき」
KADOKAWAの取締役を務める実業家の川上量生氏は9日、自身のソーシャルメディアX上で同社取締役としての個人見解を表明。筆頭株主である香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが提出した夏野剛社長の解任を求める株主提案に対し反対の立場を示した。 【画像】“物言う株主”が「退任も当然」とも示した133Pにわたる資料の一部(全5枚)
筆頭株主がソニーから交代、アクティビティスト活動顕著
6月24日に予定される定時株主総会にて賛否が問われる見込みのなか、KADOKAWA取締役会としても株主提案に否定しており、取締役の一人として改めて認識を示した格好となっている。 オアシス・マネジメントは香港を拠点に活動するアクティビストファンド、いわゆる物言う株主。アジアを中心に投資し、日本企業に対してはガバナンス改善や株主価値向上を目的とした積極的な株主提案を展開してきたことで知られる。 今回、KADOKAWAに対しては約13%の株式を保有する筆頭株主として、夏野氏就任後の1株当たり純利益が大きく落ち込むなど業績悪化を理由に解任を求め、130ページを超える詳細資料を公開していた。 出版事業における「量より質」の戦略偏重や夏野氏個人のメディア過剰露出、社外取締役の兼務による経営集中度の低さなど、あらゆる側面で集中的に批判の対象とした。
低調の出版アニメ事業は「夏野が最もコントロールしていなかった領域」認識
こうした一連の夏野氏に対する責任追及に対し、川上氏はKADOKAWAが多岐にわたり複雑で歴史ある事業ポートフォリオを持つ企業であることを前置きしつつ「全体を統括できる経営者を外部から見つけることは困難」と指摘。 直近の本決算で減益などが響いていた出版・アニメ事業の業績低迷については「夏野が最もコントロールしていなかった事業領域。今回の業績悪化を受けて、夏野がやっと本格的な構造改革に着手できる体制になった」とコメントし、現時点で経営責任を問うのは不合理であると主張した。 さらに夏野氏と二人三脚で立ち上げたという「N高」等の教育事業や、ニコニコ動画を中心としたWebサービス事業で利益を維持していることにも触れ込み「夏野の経営手腕は評価されるべき」と述べた。 そのうえで、もし夏野氏が経営陣を去るような事態になれば「KADOKAWAは大混乱に陥ることは避けられないと」警告。一方、業績が振るわないことについては取締役の一人として株主に謝罪する姿勢も示した。 オアシスは株主に対し、株主提案への「賛成」を呼びかけた一方、KADOKAWAは議決権行使書類において株主提案への「反対」を呼びかけており、株主総会での攻防が注目を集めている。
山本晃平 ※本記事は「オタク総研(0115765.com)」で掲載された内容の二次配信です