「バスの来ないバス停」で認知症の人の心をケア 名古屋の特養ホーム

松永佳伸
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 認知症の人の心のケアに役立てようと、特別養護老人ホーム「なごやかハウス希望ケ丘」(名古屋市千種区)に23日、「バスの来ないバス停」が設置された。高速バスなどを運行するJR東海バス(同市中川区)が、使わなくなったバス停を初めて寄贈した。

 同老人ホームによると、認知症の人の中には、「バスに乗って家に帰らなければならない」といった症状が現れる場合があるという。無理に引き留めるのではなく、気持ちを受け止めながら安心して過ごせる環境を整えることが大切だという。

 「バスの来ないバス停」は、ドイツの老人介護施設がバス会社の協力で始めた取り組み。帰宅願望が強い認知症の高齢者の意思を尊重した「罪のないウソ」として広まった。施設外に出ようとする認知症の高齢者に「バスの来ないバス停」で過ごしてもらうことで、気持ちを落ち着かせる効果が期待できる。

 老人ホームの木全啓・施設長が昨年秋、イベントに参加した際、JR東海バスの社員にバス停の設置を相談したところ、「ぜひ協力したい」と快諾。23日に設置されたバス停は、昨年12月のダイヤ改定で使わなくなった日進駅前バス停を再利用し、ベンチと一緒に施設の玄関前に取り付けた。

 利用者や職員がやすらぐ場所として活用する。バス停には送迎バスの出発時刻が書き込まれている。老人ホームの大平晋也・副施設長は「認知症の人の不安を解消し、心の安らぎと日常を思い出してもらう道しるべになれば」と話す。

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