特に日本の高校教育は、大学受験の影響もあり、早い段階で文系・理系に分かれてしまいがちです。本来なら、高校3年間はもっと幅広いことに触れながら、「自分は何に関心があるのか」「どんな生き方をしたいのか」を探究できる時間でもいいはずです。
具体的には、高校1年では東京と岩手にある寮で半年ずつ共同生活を送りながら、オンラインを活用して基礎学力を鍛えます。高校2年では、生徒一人ひとりが自らの探究テーマを持ち、国内外の拠点へ飛び出していきます。オンライン学習を続けながら、地域でのフィールドワークを中心とした生活を送るイメージです。
高校3年になると再び東京と岩手の拠点に戻り、それまでの探究成果をまとめ、発表します。同時に卒業後の進路準備も進めていきます。移動先の拠点は国内は東京、岩手一関のほか、京都大阪奈良周辺、徳島の鳴門市、沖縄、国外はマレーシア、インド、エストニア、イギリスなどさまざまです。
――本拠地の一つとして、なぜ岩手を選んだのでしょうか。
東京以外の拠点については、北海道から沖縄まで全国の候補地を検討しました。自然豊かな環境は必須でしたが、高校生が生活するのですからある程度の利便性も必要で、その兼ね合いが難しかったですね。岩手が最終的な決め手の一つになったのが、「地域課題の濃さ」でした。岩手には、人口減少や震災復興といった課題があります。一方で、再生可能エネルギーやインバウンド観光など、新しい地域活性の可能性にも挑戦している企業も自治体も多い。特に、これから高校生になる世代は東日本大震災以降に生まれた世代です。だからこそ、地域の人たちにも「この経験を次世代に伝えていかなければならない」という意識が非常に強く、若い人の受け入れを歓迎してくれました。私自身、先日ミネルバ大学の学生たちと一緒に釜石市の沿岸部を訪れ、実際の津波避難路を走って体験してみました。意外と坂がきつく、うちの祖母なら登れるのかなと言った生徒もいました。現地で体験することで、ただ映像や言葉で知るのとは全く違う思考が生まれることを痛感しました。
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