小宮山静さん(仮名・49歳)は21歳のとき、18歳年上の夫と結婚した。義実家に経済的に依存せざるを得ない閉鎖的な状況下で、望まないまま5人の出産を強いられる「多産DV」、生活費もままならない「経済的DV」、そして日常的な身体の暴力まで受け続けてきた。
絶望のなかで義両親に助けを求めるも、「師範の嫁が離婚なんてとんでもない」と一蹴され、逃げ出す方法すら考える気力を失っていた静さん。しかしあるとき、予期せぬ人物との出会いが彼女の人生に大きな転機をもたらすことになる。

静さんの子どもたちはみな、夫が師範として指導する武道場に通っていた。
「夫と義父が『先生』と崇め奉られている場所に通い続けることは、当初の私にとって苦痛でしかありませんでした。しかし、他の指導者たちへのお茶出しや道場の経理、掃除、試合の準備など、雑用を伴う世話役はすべて私の仕事として押し付けられていたんです」
そんな重苦しい日々のなかで、静さんは一人の