一般会計の歳出(支出)総額3兆1135億円の2026年度補正予算が5日成立した。中東情勢悪化に伴うエネルギー価格高騰を受け、電気・都市ガス料金を支援し、ガソリン補助金を継続する。

 財源は赤字国債だと、問題視する向きもあるが本当か。

 25年度の補正予算で国債11・7兆円を発行することとなった。その後、景気の好転により25年度税収は5兆円程度上振れした。このまま、ほっておけば、その分25年度の国債発行は取りやめになる。

 実は、国債発行には年度をまたいで発行し、当該年度の歳入とする制度があり、26年度も4~6月には25年度の歳入とする国債が発行されているので、こうしたややこしいことになる。実は、これは財政学の大学の先生でも知らないから、メディアではまともに説明できない。

 しかし、高市政権では、25年11月の補正予算で決めた国債発行計画をそのままにして、形式的には今回の補正予算も歳入は国債として、実質的には税収の上振れを財源にガソリンや電気代で国民に還元した。

 つまり、国債発行をやめるのか、国民還元のどちらがいいのかという政策判断である。国債発行をやめなくても名目GDPが伸びて、債務残高対GDP比は低下していて問題ないとして国民還元を選択したので、筆者としては妥当である。

 そもそも、25年の補正予算での国債増発は既報なのに、同じことをまた報じてニュースなのかとオールドメディアに問いたい。

 3日に国会に提出し、衆参両院の本会議と予算委員会で審議され、与党である自民党と日本維新の会に加え、国民民主党、チームみらい、日本保守党の賛成により、5日に迅速に成立したのはいいことだ。

 その上で、物価高への対応としては、賃上げが物価上昇を上回る状況を実現することが重要だ。

 こうした中、26年4月の実質賃金は、対前年同月比で、消費者物価指数「総合」でみて5カ月連続のプラスとなるプラス2・1%、「持ち家の帰属家賃を除く総合」でみて4カ月連続のプラスとなるプラス1・9%となった。

 これは本コラムで予想したとおりで、実質賃金の低下を問題視する「実質賃金ガー」という声は徐々になくなってきている。

(たかはし・よういち=嘉悦大教授)

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