"僕は僕なので"ドラゴンズ根尾昂、栄光、挫折を乗り越え、ようやく辿り着いたプロ初勝利
思うように結果が出ない日々
転向1年目、球場の空気を変えるリリーバーとして25試合に登板。29回を投げ、勝敗に関係することなく、与四球12、奪三振22、防御率3.41の成績を残した。150キロを超えるストレートを武器に翌年からは先発入りが期待された。しかし… それは突然のことだった。投球メカニズムにズレが生じたのか、翌年の春季キャンプから出始めた制球難。一度狂った歯車はなかなか修正することができず、思うような結果が残せない苦しい日々が続いた。 密着を始めた2025年シーズンも1軍登板はわずか4試合。わずか5回2/3イニングを投げ、防御率7.94と不甲斐ない結果に。夢だったプロの世界で待ち受けていた現実。それは荒波の連続だった。それでも乗り越えようとする覚悟を口にし続けた。 根尾投手「こういう風にしていきたいというのはもちろんあるので。それは言えないですけど。それを突き詰めていく時間かなと思います」 一軍に呼ばれる時にはしっかり抑える準備をするまで。それまで積まれた課題をひとつひとつクリアするだけ。迷うことなく前へ進むのみ。根尾投手は強い信念でいばらの道を歩み続けた。
悔しさはあります
そして背水の8年目。そんな肩書がつくようになった今年。沖縄読谷二軍キャンプで汗を流す彼のもとに一報が届く。それは侍ジャパンサポートメンバー選出。あくまでも正メンバーではなくサポートメンバー。置かれた立場に根尾投手は本音を口にした。 根尾投手「悔しさが一番ありましたけど、アピールの場ですし、少しでも吸収して(チームのもとへ)帰っていきたいです」 悔しさ、それは本メンバーに同級生が選ばれていること。かつて世代のトップランナーとして牽引していた根尾投手が突き付けられた現在の立ち位置。悔しいという言葉以外にも多くの感情が彼の頭の中には入り混じっていたことだろう。侍ジャパンの強化試合において、根尾投手を取材したのはサンドラスタッフのみ。取材する側から見ても、胸が締め付けられるような厳しい現実。それはあまりに切なく感じたものだった。それでも根尾投手を追い続けた。目の前にあるチャンスをひとつひとつ掴み取っていくだけ。根尾投手はあらためて"覚悟"を胸に秘め、新しいシーズンに向け、身体を苛め抜いた。