前回の連載記事「日本の消費税18%に」が配信されると、ヤフーニュースには600件以上のコメントが寄せられた。経済協力開発機構(OECD)が日本の消費税を段階的に18%に引き上げるべきと提言したことに対して、増税そのものに反対の声が大半だった。
しかし、「財政再建のため増税してもいいが、無駄なことには、税金を使わないでほしい」という趣旨の声も、案外多く寄せられた。こども家庭庁に7兆円の予算を投じても、出生率は過去最低を更新するなど、税金の投資対効果は、もっと厳しく見るべきだ。
コロナ禍の事業再構築補助金を使って、飲食店経営者がシミュレーションゴルフの店など、異業種の事業をはじめて、さらに経営を悪化したという事例を多く聞く。そもそも異業種でいきなり成功するほど、経営はそう甘くないものだ。補助金の効果検証もしっかりすべきだ。こうした税金の使い方を前に、増税を望まないというのは、当然の国民の声だ。
ほかにも消費税を上げてもいいが、消費税以外の税金や、二重課税になっている税を、見直すべきとの声もあった。議員定数削減の議論を見ていても、政治家は猛反対する。自ら身を切る改革をしない政治家が、国民に増税や歳出削減はお願いできないだろう。
補正予算3兆円も全額、赤字国債となった。物価高対策を補助金で解決しようという発想に、需要を喚起して、物価高がさらに進みかねないという声もある。国債で借金をして補助金をばらまく、こうした国家経営を続けていく末路は、ハイパーインフレや、財政破綻だと、危機感を募らせる。
先日、米国・ロサンゼルスに出張してきた。中心部のカルバー・シティに、ワタミ米本土1号店の「Hayama by WATAMI」がオープンした。店の近くには、ソニー・ピクチャー社や、アップル社などの企業も近く、米国の時代の先端の地だ。この地から夢の第一歩を始められることにわくわくしている。
パートナーは、30年近く日本人街で、飲食店を経営し、ロサンゼルス・ドジャースのケータリングも担当している。ドジャースの選手の憩いの場になってくれればと思う。すしのレベルは高く、焼鳥も好評だ。和民のノウハウで居酒屋メニューも充実させていく。
米国経済を生で目の当たりにして感じたのは、ガソリンなどを見ても間違いなく、価格を市場に任せている。補助金などで政府が介入し、本来の需給をゆがめている日本とは違い、「価格が高ければ、需要が減り、バランスをとる」。市場経済の原理原則を貫いている。
基本的な自己責任と、そこから生まれる価値や価格の感覚が市場を形成している。米国も財政赤字が問題視されているが、「円」よりも、基軸通貨である「ドル」の方が安全資産だと私は長年主張し続けている。国内総生産(GDP)比の借金額も日本の方が比較にならないほど多い。
自由の国アメリカと比較して、改めて日本は計画経済だと痛感した。規制緩和なども進まない。せめて、集めた税金を、もっと有効に使ってほしい。投資対効果こそが経営だ。(ワタミ代表取締役会長兼社長CEO)