入学者は「定員の3割」 逆風続く地方私大 起死回生の一手は
全国で4年制私立大学の半数以上が、入学者数が募集定員を下回る「定員割れ」に陥っている。とりわけ地方の私大は、地域活性化の核として期待がかかる一方で、厳しい運営を迫られているところが多い。少子化の向かい風の中、どう立て直しを図ればいいか。
約半世紀ぶりに開学、地元政財界も後押し
新緑の山を望み、小川が流れるのどかな風景に囲まれた武雄アジア大(佐賀県武雄市)。5月中旬、定員72人の教室で同大のほぼ全学生に当たる約30人が「地域研究論」の講義に耳を傾けた。
「カッパはどういう生き物?」。文化人類学が専門の小長谷(こながや)有紀学長が教壇から問いかけると、次々と返答があった。受講した1年生の木原輝(ひかり)さん(18)は「同級生が少ないさみしさはあるけど、学生や教授と距離が近くて良い」と話す。
佐賀県内3校目の4年制大学として4月に開学した武雄アジア大は、東アジア地域共創学部東アジア地域共創学科の1学部1学科の編成で「観光・地域マネジメント」と「東アジア・メディアコンテンツ」の2コースがある。
開学は地元政財界が後押しした。小松政(ただし)武雄市長は若者流出対策として「学校誘致」を公約に掲げ、地元経済団体など23団体も大学設置促進期成会を発足。キャンパスの建設事業費約30億1000万円のうち、武雄市は19億4800万円(県補助6億4900万円を含む)を補助した。県内で4年制大学の開学は58年ぶりだった。
しかし、入学者は定員140人の3割に満たない37人にとどまった。学生が集まらなかった要因について、大学側は文部科学省の大学設置認可が2025年8月末だったため、進学先を検討する高校の三者面談の時期に間に合わず、認知が広がらなかったと説明する。
3月の市議会全員協議会で、入学予定者数の報告を受けた小松市長は「残念だ。まずは来年の学生確保に道筋を示していただきたい」と、表情を曇らせた。
目標は定員の8割
定員割れのマイナスイメージが広がる中、挽回できるのか。…
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