舞台『魔法使いの約束』きみに花を、空に魔法を 前編 インタビュー ――陣慶昭、田口司、和合真一『まほステ』の魅力を語り尽くす
ステージ
インタビュー
(左から)陣慶昭、和合真一、田口司 (撮影/石阪大輔)
魔法使いと心を繋ぐ育成ゲーム『魔法使いの約束』の舞台化作品、通称『まほステ』の新作は、原作メインストーリー第1.5部『きみに花を、空に魔法を』を前編・後編の2部作として上演する。本作を彩る個性豊かな魔法使いたちの中から、今回取材に参加してくれたのは、北の国の魔法使い・スノウとホワイト、そして南の国の魔法使い・フィガロを演じる、陣慶昭、田口司、和合真一。彼らに『まほステ』の魅力、互いの役柄について語ってもらった。
スノウ&ホワイトとフィガロ、それぞれの人間味とギャップ
――今回の脚本を読んで、どんなことを感じましたか?
和合 これまでの祝祭シリーズやエチュードシリーズといったイベントストーリーでは人間関係に基軸をおいて、それぞれの国や登場人物たちの物語が紡がれてきました。でも今回はメインストーリーに戻り、新キャラクターが登場したりバトルシーンが展開されたりと、物語が再び動き出します。これだけ壮大なスケールの物語、そしてバトルを、どうやって舞台上で演出するのか、どう自分たちが演じるのか、すごく楽しみ。本当に、第1.5部を上演できてよかったと思います。
陣 スノウ&ホワイトは、新登場のキャラクターに接する場面があります。そこではふたりの過去に何があったのかふれられているし、他の魔法使いたちを見守っている様子も描かれている。ふたりの年長者としての立場を感じてもらえるのではないかと思います。
田口 『まほステ』って、例えば今回でいえば魔獣だとか、脚本を読んだ時には「これをどう表現するのかな?」って思うようなことも、演出のほさかようさんの想像力によって本番ではすごい完成形を見せてくれるんです。稽古は基本的に仮の小道具を使って進めますけど、それが完成して、演出や照明などが付いた時にどうなるのか、すごく楽しみです。
――ご自分の役を演じるうえで大事にしていること、ほかの皆さんから見て素敵だと思うことを伺えますか。まずは和合さんのフィガロからお願いします。
和合 役者はそれぞれ、自分の演じているキャラクターに誇りを持っていると思います。自分もそうで、フィガロは飄々とした道楽主義なお兄さんですけど、いざという時には非常に頼りになる。頼りになるが故に、説明役に回ったり先生的な立場になったりもするんですけど。ただ、それは表面的な部分で、過去にいろいろな出来事があって孤独を経験しているからこそ、人との繋がりを求めている。なのに、傷つきたくなくて自分から近づいたのに結局離れてしまうんです。そういう人間味のあるところが、すごく魅力的だと思います。僕自身、結構そういうところはフィガロと通じるところがあって、だからこそフィガロのよき理解者でありたいと思うし、理解が及ばないところを掘り下げていくことも、演じること自体もすごく楽しいです。
陣 和合さんが演じるフィガロは、裏があるような感じというか、すべての発言に計画性を感じさせます。奥行きがあるんですよね。
田口 僕も、それがすごく魅力的だと思います。それと、例えば日替わりのシーンや場を和ませたり笑わせたりするシーンでは、和合ちゃんらしさも感じられつつ、でもそれがフィガロの立ち回りとしてもすごく合っていて、ふたりがリンクしている。和合ちゃんだからできるフィガロなんでしょうね。
和合 ありがたいね。後で何かおごろう(笑)。
――では、ホワイトについてはどうですか?
田口 スノウ&ホワイトは、双子だっていうことが基軸になっています。双子で一緒にいる時はフィガロとも立ち回り方が少し似ていて、その場を和ませたりする。飄々として可愛い感じで立ち回ることも多いけど、いざ戦いになった時には北の国出身の魔法使いとして“北の矜持”“北の誇り”が見えるんです。そういう切り替わりが、観ている方にはかっこいいと思ってもらえるんじゃないかと思います。
――ある意味、ほんわかモードとシリアスモードのギャップですね。
田口 あと、スノウ&ホワイトは双子ですけど、ホワイトは昔亡くなっていて幽霊。その過去があるからこそ、双子といえども考え方は違うこともあって、例えば片方は笑っていて片方は悲しんでいて、みたいなことがある。それも、ひとつの魅力じゃないかと思います。
――陣さんにとって、田口さんがホワイトを演じているからこそ感じるものはありますか。
陣 僕は、エチュードシリーズPart1(2024年)からスノウを演じています。スノウとホワイトは双子ですけど、司さんは俳優としても、『まほステ』への出演歴もずっと先輩。「こういう見方もあるのか」「こういう演じ方があるのか」って吸収できることがたくさんあって、勉強になります。スノウ&ホワイトは双子だからこそ、同じ立ち位置にいても微妙な感じ方や考え方の違いを僕たち自身で出していかないといけない。そういう時にアドバイスをくださったり、僕からも自分独自のものをどうやって出していくか少し考えて相談させてもらったり。本当に素敵な先輩です。
――田口さんから見て、陣さんのスノウはどうですか。
田口 慶昭は本を読むのがすごく好きで、いろいろなことを考えていることは話を聞いていてもわかります。「こういうこともできるな」ってふたりで話し合ってそれをやってみて、違ったら違う、でまた新しく考える。どんどんやってみることはいいことだと思うし、慶昭から僕にはない意見を出してくれることがすごく嬉しいですね。役は双子でも、実年齢はほぼ一回り違うんですけど……(苦笑)。
陣 僕は今年、17歳になります。カンパニーでは最年少だからこそ、わんぱくであることを大事にして、それは誰にも負けないっていう気持ちはあります。
――そんなスノウ&ホワイト、和合さんから見ていかがですか。
和合 慶昭と司のスノウ&ホワイトになってから、司自身も先輩としてしっかりやっていると思うし、慶昭も「わんぱく」って言いましたけど、それぞれの魅力があって補完し合っている。しっかりスノウ&ホワイトができあがっているんですよね。司は子どもを演じなくてはいけないけど本人はもう大人、慶昭は等身大でいけるけど内面は年長として底上げしなくてはいけない。それぞれに全然ベクトルの違う頑張りを見せて、とても魅力的な双子コンビです。
―― “北の矜持”という言葉が出てきましたが、北の国、南の国、それぞれの魔法使いのカラーや特徴を、どういうふうにとらえていますか。
陣 北は、それぞれに強さを求める向上心があります。特にミスラやオーエン、ブラッドリーはバチバチってぶつかって、よくけんかをしていますけど、いい意味で混じり合うことがない、超越している感じがいいと思います。
田口 それぞれ過去にいろいろなことがあったからこそ、意外と優しい部分もあります。今回もそういうところが垣間見えるシーンがあると思います。ほかの国ももちろん素敵ですけど、北のそういう強さと優しさのギャップは、観ている方がちょっとキュンとするんじゃないでしょうか。
和合 南は北とは対照的で、“家族感”を大切にしています。アットホームで、過去の祝祭シリーズやエチュードシリーズでも南だけ「これは事件なの、どうなの?」みたいなことが、実はすごく大きな成長物語だったりする。だからこそ、フィガロにとっても居心地のいい場所で、守りたい家族で、みんなの成長を見守りたい。そういう空気によってできあがっていった南らしさは、本当に魅力的ですね。
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