テンニンカ
| テンニンカ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
テンニンカ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| Rhodomyrtus tomentosa (Aiton) Hassk. | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| テンニンカ(天人花) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| rose myrtle, downy myrtle, hill guava |
テンニンカ(天人花、学名:Rhodomyrtus tomentosa )はフトモモ科テンニンカ属の常緑低木。
種形容語tomentosa は「綿毛状」を意味し[1]、葉裏など各部位に柔らかい毛が密生することにちなむ[2]。
沖縄方言名はウェンチュヌミミ(鼠の耳)[3]、ヤマバンシル(山のグアバ)など[4]。
なお、近縁のギンバイカ(銀梅花、ミルテ、学名:Myrtus communis )のことを天人花と呼ぶこともあるが[要出典]、ギンバイカは地中海地方原産で、花は白く、耐寒性がある。
特徴
[編集]高さ2–3メートル。葉は対生し、長さ3–7センチメートルの長楕円形または倒卵形で、革質で厚く、3本の顕著な主脈がある。葉先は鈍頭。下部の葉は3輪生することもある。葉裏は灰白色で、短い毛が密に生える。葉柄は短い。花は腋生の集散花序に1–3個つき、直径2–3センチメートルの紅紫色。花弁は5枚、雄しべは多数ある。開花後数日で花の色が白っぽく変化する。開花期は沖縄では5–6月ごろ。果実は直径2センチメートルほどの楕円形の液果で、先端付近に鈍頭の萼片5枚をもち、表面に毛が密生し、食用可能。8–9月頃に紫色に熟し、中に褐色の細かい種子が多数あり、芳香と甘味、酸味をもつ[5][6][4][7][8][2][9][10][11][1][3]。
ギャラリー
[編集]分布と生育環境
[編集]中国南部〜東南アジアの熱帯・亜熱帯地方原産とされる[5][7][9][1]。沖縄県にも分布とされる[6][4][8][2][10]一方で、沖縄へは野生化したとする見解[11]もある[3]。世界の植物分類情報を提供する英国キュー植物園系のデータベース Plants of the World Online (POWO)においては、日本の南西諸島、台湾、中国南部〜東南アジアおよびインド、スリランカに分布するとしている[12]。
沖縄本島では名護市以北の日当たりの良い山林にみられ[9]、伊平屋島、慶良間、久米島、石垣島などの酸性土壌地帯に生育する[4]。
利用
[編集]美しい花を観賞し、果実を食用とするために温室内などで栽培される[8]。樹勢が美しく、熱帯では庭園に植栽される[2]。沖縄では露地植え可能で、公園や民家等で植栽される[9]。
果実は生食やジャムなどの製菓用に[5][6][2]果実、葉、根は民間薬に、材のタールは眉墨などに用いられる[5]。材は堅く緻密で、杭や杖、棒材、細工用、薪炭用にされる[4][2]。
熱帯産ではあるが極端な高温を嫌い、ある程度の標高のある亜熱帯性気候を好み、軽い霜に耐える。一般的に野生品は品質が劣るものの、栽培品の中には果樹として有望なものがあり、品種改良の余地があるとされる[2]。
脚注
[編集]- 以下の位置に戻る: 1 2 3 (沖田原 2021, p. 258)
- 以下の位置に戻る: 1 2 3 4 5 6 7 (岩佐 2001, pp. 411–413)
- 以下の位置に戻る: 1 2 3 (林 & 名嘉 2023, p. 258)
- 以下の位置に戻る: 1 2 3 4 5 (天野 1982, p. 127)
- 以下の位置に戻る: 1 2 3 4 (コーナー & 渡辺 1969, p. 555)
- 以下の位置に戻る: 1 2 3 (池原 1979, p. 252)
- 以下の位置に戻る: 1 2 (熱帯植物研究会 1996, p. 347)
- 以下の位置に戻る: 1 2 3 (戸部 1997, p. 186)
- 以下の位置に戻る: 1 2 3 4 (平良ほか 2009, p. 127)
- 以下の位置に戻る: 1 2 (大川 & 林 2016, p. 235)
- 以下の位置に戻る: 1 2 (大橋 2021, pp. 91–92)
- ↑ “Rhodomyrtus tomentosa (Aiton) Hassk.” (英語). Plants of the World Online. Kew Science. 2026年5月24日閲覧。
- ↑ “Downy rose myrtle (Rhodomyrtus tomentosa)” (英語). INVASIVE PLANT GUIDE FOR HOMEOWNERS IN FLORIDA. UF/IFAS Center for Aquatic and Invasive Plants. 2026年5月24日閲覧。
参考文献
[編集]- コーナーE.J.H.; 渡辺清彦「テンニンカ」『図説熱帯植物集成』廣川書店、東京都文京区、1969年。* 池原直樹「テンニンカ」『沖縄植物野外活用図鑑』 1巻《栽培植物と果樹》、新星図書出版、1979年。
- 天野鉄夫「テンニンカ」『琉球列島有用樹木誌』琉球列島有用樹木誌刊行会、1982年。
- 熱帯植物研究会 編「テンニンカ」『熱帯植物要覧』(第4版)養賢堂、東京都文京区、1996年。ISBN 492439503X。
- 戸部博 著「テンニンカ」、岩槻邦男ら監修 編『朝日百科 植物の世界』 4巻、朝日新聞社、東京、1997年、186頁。ISBN 9784023800106。
- 岩佐俊吉「テンニンカ」『図説 熱帯の果樹』11号、農林水産省 国際農林水産業研究センター〈国際農業研究叢書〉、2001年、411–413頁。ISSN 1341-3899。
- 平良一男; 新里隆一; 仲村康和; 松田正則「テンニンカ」『沖縄 花めぐり』沖縄都市環境研究会、2009年。
- 大川智史; 林将之「テンニンカ」『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024。
- 沖田原耕作「テンニンカ」『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。ISBN 9784909366832。
- 大橋広好 著「テンニンカ」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 2巻、平凡社、2021年、91–92頁。ISBN 9784582535396。
- 林将之; 名嘉初美「テンニンカ」『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350。
外部リンク
[編集]- テンニンカ(天人花) 咲くやこの花館
- テンニンカ フラワーパークかごしま
- テンニンカが咲き始めました。 屋久島ベリーガーデン
- テンニンカ(天人花) こまつなの部屋
- テンニンカ ガジ丸の島