6月1日、埼玉県川口市で、住宅を訪問したケアマネジャーの女性が、刃物で殺害された事件で、この家に高齢の母親と暮らし、事件後に自殺を図ったとされる60歳の息子は、以前から周囲に「母の口座から金がなくなった」などと、事実とは異なる内容を伝えていたことが捜査関係者への取材で新たにわかりました。
6月1日午後3時すぎ、埼玉県川口市で市内のケアマネジャー、鈴木希代子さん(63)が、訪れた先の住宅で、刃物で切りつけられるなどして倒れているのが見つかり、その後、死亡しました。
また、この家に90代の母親と暮らす60歳の息子は、刃物で自殺を図ったとみられ、病院で死亡が確認されました。
警察によりますと、息子は、この直前に「ケアマネジャーの女性を包丁で刺した。これから自分のことも刺す」と110番通報をしていて、駆けつけた警察官が2人を見つけました。
警察は、女性は訪問直後に玄関付近で襲われた疑いがあるとみていて、2日、当時の状況を調べるために現場検証を行いました。
息子は通報の際、「女性に金をだましとられたから殺そうと思った」と話していたことが分かっていますが、その後の調べで、以前から周囲に「母の口座から金がなくなった」などと伝えていたことが、捜査関係者への取材で新たにわかりました。
これまでの警察の調べで、介護などに関連して、母親が金をとられるなどした事実はなかったということです。
警察は、一方的な思い込みで不満を募らせ、女性が自宅に訪問するのを待ち構えていた疑いもあるとみて調べています。
埼玉県知事 “介護従事者の安全確保へ早急に対策を検討”
埼玉県の大野知事は、2日の会見の中で、埼玉県川口市で住宅を訪問したケアマネジャーの女性が殺害された事件について、県が設置している相談窓口には、事件の前、この女性などからの連絡はなかったことを明らかにしたうえで、県として、介護従事者の安全確保に向けて、早急に対策を検討する方針を示しました。
2日、埼玉県の大野知事は定例会見で、1日に川口市で起きた事件について、「介護サービスの要のケアマネジャーが亡くなったことは大変残念だ」と述べました。
埼玉県は4年前、ふじみ野市で訪問診療をしていた医師が、患者の家族に殺害された事件を受けて、在宅医療や在宅介護の事業者などを対象に、ハラスメントの相談窓口を設置したほか、安全対策のための複数の職員による訪問にかかる経費を補助するなど、対策を進めてきました。
大野知事は、今回の事件の前に、殺害された女性や、所属する事業所から県の相談窓口に関連する連絡は、なかったことを明らかにしました。
一方で、昨年度、この窓口には、暴言などの精神的暴力や身体的暴力を受けたといった相談が、合わせて102件寄せられていることから、大野知事は「介護従事者をどう守っていくのか、県として、何ができるか早急に考えたい」と話しています。
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