生成AIを使って作成された実在の児童が裸のように見える画像を所持したなどとして、実刑判決を受けた名古屋市の元小学校教諭に画像を提供したなどとして、30代の男性が児童ポルノ禁止法違反の罪で略式命令を受けていたことが関係者への取材でわかりました。
名古屋市の元小学校教諭、水藤翔太被告(35)は、生成AIで作成された実在する2人の児童が裸のように見える画像を所持した罪などに問われ、4日、名古屋地方裁判所で懲役3年6か月の判決を受けました。
関係者によりますと、教員らが女子児童を盗撮した画像などをSNS上のグループで共有していた事件で警察が捜査を進めたところ、おととし7月、この元教諭が実在する2人の児童の写真を30代の男性に送り、生成AIによる加工を依頼していた疑いがあることがわかったということです。
これを受けて名古屋区検察庁は去年12月、この男性が自宅のパソコンで画像編集サイトにアクセスしたうえで、生成AIを使って裸のように見える画像を作成し、元教諭に提供したとして、児童ポルノ禁止法違反の製造と提供の罪で略式起訴しました。
その後、名古屋簡易裁判所から罰金50万円の略式命令を受けたということです。
専門家「今後の基準になる」
実在の人物を性的な画像に勝手に加工する「性的ディープフェイク」が問題となるなか、専門家は今後の基準になるとして意義は大きいと指摘しています。
性犯罪の被害者支援に取り組む上谷さくら弁護士は「体の部分だけを性的なものにかえた画像を児童ポルノと認定した裁判例はないと思われ、犯罪の成立を認めたことはとても大きい。今後の1つの基準になることは間違いないと思う」と評価しました。
一方で、課題として「性的ディープフェイクの中で児童ポルノになるものとならないものの線引きは、児童ポルノ禁止法の条文上、明らかではない。今回の判決を受けて、今後どのように運用されていくかは注視する必要がある」と指摘しました。
そのうえで「生成AIによってあまりにも簡単にできてしまうことで、加害者側の罪の意識が非常に薄く、被害が重大だという被害者との差が大きいという特徴がある。AIで加工したものでも、人の性的尊厳を侵害してはならないことが広く国民に知られるべきだ」と話していました。
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