学校法人同志社の現地調査に入る文科省の関係者ら=4月24日、京都市上京区(写真:共同通信社)

「同志社は法違反」見解示した文科省への批判

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 同志社国際高等学校の研修旅行中における辺野古沖での抗議船転覆事故に関し、文部科学省は同年5月22日、同校の教育活動が教育基本法第十四条第二項に違反するとの見解を表明した。

 この事故は2名の死傷者を出す非常に痛ましいものであり、文部科学省は直接の所轄庁である京都府と連携して現地調査を含めた事実確認を進めてきた。

 文部科学省の調査結果によれば、この研修旅行においては、事前の計画や当日の対応、安全管理の面で著しく不適切であっただけでなく、教育活動の状況自体に重大な疑義が存在していた。

 具体的には、船長が日常的に抗議活動を行っており、生徒らを乗せる船が抗議船であるという認識を教員の相当数が持っていた中で見学プログラムを実施していたことや、研修旅行初日の開会礼拝において牧師が複数年にわたって抗議活動に関する説明を行っていたこと、さらには過去のしおりにヘリ基地反対協議会による座り込みをお願いする文章を掲載していたことなどが確認されている。

◎文科省「同志社国際高等学校の研修旅行等について(これまでの把握事項と文部科学省の見解)

◎京都府「同志社国際高等学校の研修旅行等について

 文部科学省はこれらの事実と、生徒の考えが深まるような多様な見解を十分に提示していなかったことなどを総合的に勘案し、特定の政治的活動を禁じる同法に反すると判断する見解をまとめ、学校法人同志社および京都府に対して指導通知を発出した。

 学校法人も現状では、事実関係や、文科省と京都府の見解公表に対して、争う姿勢は見せていない。

◎同志社国際高校「同志社国際高等学校の研修旅行等に関する対応について

 筆者はこれまで、小欄で二週にわたって、文科省の見解公表は行政処分ですらなく、人命が失われているという事態の重さと比較して、抑制的でやむを得ない範囲に収まっており、学校法人と抗議船運営団体のずさんな対応こそがそもそもデリケートである政治教育や平和学習、主権者教育を萎縮させうるため遺憾であるとともに改善必須と論じてきた。

同志社国際・辺野古転覆で文科省が「政治的中立性」違反を初認定、全国の主権者教育・平和学習に及ぶ深刻な萎縮効果 @JBpressより

教育への政治介入か、それともやむなき行政指導か?同志社国際高の辺野古抗議船事故、文科省「違法見解」の妥当性 @JBpressより

 ところが一連の文科省の対応がさらなる波紋を呼んでいる。

 というのも、この文部科学省の対応に対し、主権者教育を行う団体が6月1日に記者会見を開き、現場の萎縮を招くとして文部科学省を批判するとともに、政治教育に関する明確なガイドラインの作成を求めたのである。

 本稿では、この一連の騒動について、主権者教育団体や一部の教育評論家らによる批判が政治教育や平和学習のルールを無視したものであることを指摘し、むしろ文部科学省の判断と対応がやむを得ないものであり、またある程度妥当なものであることを述べてみたい。