環境破壊や土砂災害、景観の悪化――全国に乱立するメガソーラー、なぜ中止にならない?
千葉県議会議員の須永和良氏は脱法的だったと指摘する。 「施行直前の5月14日に、搬入路設置のための工事を始め、それをもって着工開始としているんです。しかし、明らかに本体工事ではなかった。同法の適用を逃れるためだけに行ったものと思われます」 こうした不誠実な手法はメガソーラー事業では常套的に行われているが、対処は難しいと前出の田嶋議員は言う。 「原発の場合、東京電力のような大手企業とだけ向き合えばいいが、メガソーラーの場合は全国に無数の事業者がある。説明から逃げる事業者もあれば、形だけの説明をしているところもあり、経済産業省も手に負えない状況です」 そうして取材を進めていたさなかの10月末、千葉県は鴨川のメガソーラー事業に対して工事の一時中止と山林の復旧を求める行政指導を行った。
鴨川の工事は一時中止になったが……
熊谷俊人知事は記者会見で、「許可条件に違反する伐採が確認された」として、事業者に対して工事計画の報告をさせ、その確認ができるまで新たな工事を行わないよう求めたと説明。さらに、県はメガソーラーの規制を含む条例制定も視野に入れた第三者による有識者会議を発足させた。 だが、これまでに工事を止めることはできなかったのだろうか。 メガソーラーには1ha(2023年度からは0.5ha)を超える開発の場合、都道府県知事からの林地開発許可が必要だ。許可には災害の防止や環境の保全など4つの要件を満たす必要があり、そのための開発計画などを示すことが求められる。 鴨川の計画は2018年2月末に申請され、翌年4月に許可を受けた。しかし、その後に実質的な事業者や施工主が代わったことから、県は何度も「全体計画を出せ」と指示を出していた。ところが、事業者はそれに応じず、県はこれまでに実に58回もの行政指導をしていた。 前出の須永県議はこう指摘する。 「行政指導はあくまでも“お願いベース”なので、県も強くは言えなかったのでしょう。また、過去にこうした許可を取り消した事例がほとんどなく、前例主義で消極的な対応になったのだと思います。ただ、県は再審査する機会を作ることはできたはずです」 問題を認識しながら事態を黙認していた県に対して、前出の勝又さんは不信感を抱いている。 「現地調査もして、違法な伐採があることだって認識していたはずなのに、これまでは何もしなかった。メガソーラー問題が全国的に大きな注目を集めたから、ようやく動き出しただけで、本当に中止になるかはまだわかりません」