会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

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キーボード販売のダイヤテック、忸怩たる破産 ~ 為替デリバティブと需要減、綱渡りの資金繰り ~(東京商工リサーチより)

キーボード販売のダイヤテック、忸怩たる破産 ~ 為替デリバティブと需要減、綱渡りの資金繰り ~ | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ

ダイヤテックというパソコン用キーボードの会社の倒産を解説した記事。銀行の口車に乗ったためにひどい目にあったようです。

「パソコン用キーボード「FILCO(フィルコ)」で知られあるダイヤテック(株)(TSRコード:292026617、東京都)が負債2億円あまりを抱えて4月30日、破産開始決定を受けた。ファンから惜しまれた破産は、為替予約(デリバティブ)の失敗と外付けキーボード需要の減少などが背景だった。」

問題のデリバティブ取引は...

「「破産申立書」には最初の障害が記載されている。成長したダイヤテックに、大手行を含む複数の金融機関が金融商品を提案したという。

2006年~07年にかけて、「必ず円安になるので、為替の予約をした方がよい。今なら1ドル110円で予約できます」と勧誘された。5年にわたり、1ドル110円程度のレートでの為替予約を締結した。

しかし、2008年のリーマン・ショックの影響で1ドル70円台となり、その後は90-100円で推移途中解約して清算金を払うなどしたが、5億円超の負債が生じた。清算金には金融機関からの借入や私募債を発行して対応した。(申立書、要約)」

最近は、売り上げ減や円安に苦しんでいたそうです。

「...本業での利益や債務免除を受けながら対応。コロナ禍での巣ごもりによるキーボード需要の拡大もあり、負債の圧縮は進んだ。

しかし、コロナ禍が明けたことによるキーボード特需の反動や、タブレットの普及、安価キーボードの流入などで2023年頃から業況は大幅に悪化していった。

提携先との取り決めによる最低発注量が足かせとなったことに加え、近年の円安で仕入コストが高騰した。

10億円台を安定的にキープしていた年商は、2024年9月期に4億7,141万円まで落ち込んだ。金融債務の返済も難しくなり、個人から5,000万円を調達して資金繰りを支えた。

それでも2026年に入ると毎月700万円の赤字が発生し、コスト削減だけでは事業継続が困難となった。」

為替予約が悪いとは思いませんが、5年は長すぎます。当時の金融情勢では、期間が長いほど、日米金利差の影響で、ドルを買う予約レートが有利になり、フラットなレートだと、最初から有利なレートが利用できるので、それにつられる会社もあったのでしょう。

会計士協会は、長期為替予約の問題について、わざわざ、監査上の留意点を公表していました。

包括的長期為替予約のヘッジ会計に関する監査上の留意点【廃止】 | 日本公認会計士協会

会計士協会が訴えられたりもしていました。

これは協会を訴えた人と証券会社の間の裁判の解説。

証券会社上級社員公認会計士協会提訴等解雇事件 判例 | 一般財団法人 女性労働協会

「日本会計士協会(協会)は、平成15年2月18日、原告の取り扱う金融商品(フラット為替)に関する監査上の留意点(本件留意点)を発表し、これが一因となって同商品の顧客が相当数減少することとなった。原告は本件留意点が営業活動の障害になっているとして、協会に対してその撤回を求め、方針の変更を求めた外、被告においても、本件留意点が企業の為替変動リスクをヘッジする手段を不法に規制しかねないとの懸念を抱いていた。原告は、同年3月以降数回にわたり、被告の業務の一環として、フラット商品の顧客の監査法人Jの公認会計士と面会して意見交換するとともに、フラット為替のヘッジ会計に係る質問書を送付した。

原告は、平成15年8月頃、個人名義で、会計士の体質は不可解であり、一度公表した勘違いを認めないなど、本件留意点の不当性を厳しく批判する論文を雑誌に掲載したり、協会に対し本件留意点の撤回を求めるなどした。しかし協会がこれを拒否したため、原告は、平成16年4月1日、協会に対し、本件留意点により原告の営業活動が阻害され、経済的・精神的に損害を受けたとして、慰謝料等の支払いを求める別件訴訟を提起した外、仕事上及び個人的付き合いを通じて知り合った顧客、知人、マスメディア等に対し、被告のメールアカウントを使用して、別件訴訟を提起した旨通知した。」