第87話

真実-2
179
2026/05/22 19:08 更新
メンバーたちが心底面白いとでも言うように笑い続ける中、僕はため息をついてソファーに背を預ける。

🐧「笑い事じゃないってば。会社でも死ぬほど説明したんだから」
🐿「そりゃそうだよ!事実だったらとんでもないスキャンダルなんだから!」
🐶「でもヒョン、それならなんで今まで隠してたの?」
🐧「……別に。万が一にも家族が変な噂に巻き込まれないように。僕たち兄弟全員が、それぞれ自分の力だけでこの厳しい世界で勝負したかったんだよ」
無意識に、少しだけ低い声が出た。
いつもの軽い調子じゃない。メンバーたちも自然と静かになる。
その空気を、ずっと黙って話を聞いていたチャニがふっと崩した。

🐺「でもまあ、これでわかったよね」
🐧「なにが?」
🐺「いや~?ただ、家系だな~って思ってね」
🐖🐇「うわそれ思った!遺伝子だったんだって!」
👑「あ、ほんとだ、納得!!」
クッションが飛び、笑い声が重なる。
僕は再び「うるさい」と零しながらも、少しだけ笑った。
だが、そのとき、フィリックスが急に顔を上げた。

🐺「リクス?」
🐥「……待って、じゃあ僕たち、Lizさんのこと『ヌナ』って呼べるってこと?」
🐿「あー!ヨンボガ天才!!」
🐧「最悪。やめろ、僕のヌナだから」
👑「なんでよ、僕も会いたい!」
🦊「サインは!?」
🐧「絶対やだ」
🐶「写真一枚だけ~」
🐧「お前らほんと無理!ヒョン助けてよ~」
久しぶりに、宿舎にいつもの騒がしさが戻る。
ソファの背もたれを跨えてきたメンバーたちを引き離していると、ふと気付いたようにリノヒョンが言う。

🐰「スンミナの言葉で思い出したけど、写真は?」
🐧「あ」
🐰「絶対あるでしょ。見せてはくれないの?」
「「「見たい見たい見たい!!」」」
🐧「え~、なんでまた……」
🐖🐇「いや気になるだろ!家族写真!」
ほんの少し抵抗してみたが、結局は押し負けて。
ソファーに座ったままスマホを取り出す。

🐧「……外に出すなよ」
🦊「絶対出さない!」
🐿「誓います!」
👑「命を懸けて!」
🐧「ヒョンジナ、それは重すぎる」
笑ながら、幼少期のアルバムやら最新の家族写真やらを開く。
その写真たちを見て、また騒がしい時間が流れた。

🐥「うわ待って」
🐰「この時期の写真は初めて見たかも」

幼い4兄弟。まだ小学生くらいの僕を、後ろから姉が抱きしめている写真。
隣には今より少し若い兄がいて、末っ子は変顔をしている。
でもなにより……

🐖🐇「全員、顔がよすぎて……」
🐺「でも、こっちの写真だと、ペイトンヒョンの雰囲気が今と変わらないね。あなたの下の名前はまだ幼いけど」
👑「記事の写真見ても思ったけど、あなたの下の名前ヒョンとリズヌナ、全然似ていないね。……あ、ごめん、悪く言ったつもりじゃ……」
🐧「わかってるよ、事実あまり似てないよね。アメリカ人の父の血を濃く引いた僕と違って、姉は日本人の母の血が濃いんだ。だからほら……姉さん凄く綺麗でしょ?東洋人はほんとに美人だよ。アジアンビューティーってやつ」
🦊「そうかな?僕はあなたの下の名前ヒョンのほうが美人だと思うけど」
🐶「っていうかあなたの下の名前ヒョン、ヒョンジンがリズヌナって言ったのに怒らなかった」
🐧「え、噓!許可してないってば!!……あーもう!終わり!スマホ返して!」
🐥「待って!今のもう一回!」
🐧「ダメ、弟も写ってるから、また今度ね」
朝から走り回ってどっと疲れを感じているのに、この雰囲気は嫌じゃなくて。
とんだ迷惑な誤報だったが、結果的にはそこまで悪くないのではと思ってしまった自分に呆れるくらいだ。
──それは久々に、”嘘つき”じゃない、本当の自分を見せることができたからかもしれない。

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