第68話

STAYとの約束
197
2026/05/17 17:47 更新
👑「あ、ねえ、あなたの下の名前ヒョン!昨日vliveやらなかったの?」

今日の予定を終え、疲れたねと笑いながら、ヒョンジナと二人でソファに沈み込む。
だが彼は突如思い出したように体を起こし、僕の顔を覗きながら言った。

🐧「え、vlive?なんで?」
👑「なんでって……」
そのとき、机に置いていたスマホの画面がつく。
すっかり誤解の解けたママからのメッセージを告げる通知にまただと呆れながら、返信しようとする。
しかし、スマホへと伸ばした手は、ふと空中で止まった。

🐧「あれ?」

スマホのロック画面にある天気の通知がおかしい。
数日前まで1桁だったはずの「次の満月までの日数」が、再び1ヶ月に近い数字になっている。
🐧「え、嘘!昨日が満月だったの!?」
👑「あれ、今気付いたの?ヒョンの満月鑑賞会楽しみにしてたのに」
🐧「だからVラって……。言ってよ、ジニ!なんで教えてくれなかったの!?」
👑「それヒョンが言う?僕、遅いなと思いながらもヒョンにとっては当たり前だからって、絵を描きながら待ってたのに」
🐧「うわ、“やらかした”!」
👑「“やら……かし…た”?」
🐧「そう、やっちゃったよ!STAYとの約束なのに」
慌ててスマホのロックを解除し、STAYに連絡を入れる。
楽しそうな顔のヒョンジナは、その様子を他人事のように眺めている。

👑「STAYとの約束を破るなんて度胸があるね。じゃあ、昨夜はなにしてたの?忙しかったとか?」
🐧「いや、ダンスと語学の勉強を少しだけ。忙しくはなかったし、言い訳なんてないよ。完全に忘れてた」
👑「うわー、酷い。やっちゃったね。すぐに謝らないと」

にこにこ笑いながらそう言うヒョンジナに言い返すこともできず、再びスマホに韓国語を打ち込む。
やり取りを幾度か繰り返し、遂にそれを手放してソファにもたれた。
👑「どう?STAY許してくれた?」
🐧「……してだって」
👑「なんて?」
🐧「代わりに3時間VLIVEすることになった……」
👑「あらら……頑張れヒョン!」
🐧「兄さんを助けてくれないの?」
👑「だって、ヒョンが悪いんじゃん。自業自得!」
🐧「いや、確かにそうなんだけど……」
軽く言い合っていると、玄関先で声が聞こえた。
誰かが帰って来たようだと気付いて立ち上がる。

🐿「ただいまぁー!ヒョンたち先に帰ってたんだ。……あ」

ハニが僕を見て思い出したような顔をする。
嫌な予感がしてソファに隠れようとするも、ヒョンジナに引っ張りだされる。
🐿「ヒョン、なんで昨日はliveなかったの?」
🐧「……やっぱり、聞くと思った。だーかーらー!」
🐿「え、なに」
👑「今はやめといたほうがいいよ。このヒョン不貞腐れてるの。その約束すっかり忘れてたから、代わりにVLIVE3時間することになったって」
🐿「わ、それは……ファイテン!」

ああ、デジャヴだ。
だが、暴露するヒョンジナも楽しそうで、もうなにも言えなくなってしまった。
🐧「3時間LIVEって……途中から僕がただ座ってるだけの画になりそう」
👑「ㅋㅋㅋ」
🐿「リノヒョンやってなかったっけ?STAYとの賭けに負けて」
🐧「いいもん、絶対誰かに電話するから」
👑「4月の月の話はしてよ、楽しみにしてたんだから」
🐧「わかった」

もう二度と忘れないと小さく自分に誓った声は、ヒョンジナにもハニにも聞かれて笑われてしまった。

プリ小説オーディオドラマ