第39話

髪染め-1
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2025/10/27 13:13 更新
🐖🐇「あれ?あなたの下の名前、もう出かけるの?」
🐧「うん、ちょっとね」
🐖🐇「なにそれ、どこ行くつもり?」
🐧「う〜ん、それもちょっとね……」
🐖🐇「怪しいな、なに隠してるんだ?しかも相棒にも秘密にしたいことって……ちょっと、リノヒョン!」
🐧「あー、だめだめ!ヒョンを呼んじゃ……」

MV撮影を控え、美容院に行こうと玄関に向かう途中で、チャンビナに出会す。
どうせならサプライズにしようと決めているため、どうやって突破しようかと考えていると、視界の端に入ってきたリノヒョンが見えた。
あのヒョンが来たら面倒だと、慌ててチャンビナの口を塞いだが、一足遅かった。
🐰「なに?そのペンギン、なにかやらかしたの?」
🐧「いや、誓って僕はなにもしてない!」
🐖🐇「ねえヒョン!あなたの下の名前、完全に怪しくない?」
🐧「あーもう、だから……!」
🐥「……なに揉めてるの?」
🐧「リクス!」
なんとかして誤魔化さないとと考えていると、恐らくキッチンに飲み物を取りに来たであろうリクスが、喧嘩しているのではないかと心配そうに顔を覗かせた。
正しく状況を打破するための天使が来たと、僕はリクスに目線で訴えかけてみる。
当の本人は一瞬きょとんと首を傾げたあと、すぐに笑ってヒョンたちに向き合った。
🐥「あなたの下の名前ヒョンは問題ないよ、僕が保証する!だからヒョンは早く行ってきなよ。いよいよ今日が『その日』だったんだね?」
🐧「ありがとうリクス。ほんとに助かった」
🐖🐇「その日〜!?」
🐰「ヨンボガは知ってるわけ?」
🐥「リノヒョン、チャンビニヒョン。きっとすぐにわかるよ。それで、僕はもうちょっと寝るね。あなたの下の名前ヒョンは行ってらっしゃい」
🐧「ん、またあとでね」

リクスの絶妙な説明に苦笑しつつ、しかしそのお陰で二人の追及を逃れられ、漸く外に出ることに成功した。
🐧「ヌナ、お待たせ〜」
『いらっしゃい。待ってたよ、あなたの下の名前ちゃん』
🐧「あ、ちょ……僕は男だよ!」
『そんなの今さらでしょ。練習生の頃からあなたの下の名前がヨジャって知ってるんだから。今貸し切りだし、オンニって呼んでくれないとやらないよ』
🐧「……オンニ、宜しくお願いします」
『素直でよろしい。はい、ここ座ってね。……まったく、こんなに可愛い女の子なのに、なんであの子たち含め誰も気付かないのな』
🐧「可愛いはやめて。言われ慣れてないから反応に困る。それに、今じゃ逆に気付かれたら大変だよ」
『え〜?STAYにたくさん言われてるじゃん。まあ私は、女性として可愛いし綺麗だと思ってるけど』
🐧「……vlog撮影しようかと思ったけど、やめておいてよかった」
『メンバーの反応、カメラで収めなくていいの?』
🐧「あー……それはちゃんとスマホで撮る」
『あなたの下の名前、初めて髪染めるわけだもんね。バンチャンくんの反応とか、私も気になるわ』
🐧「いい反応もらえるかどうかはオンニの腕にかかってるよね。信頼してるよ」
『任せな〜。但し時間はかかるから覚悟してよ。……というか、顔色少し悪いね。最近また眠れてないの?』
🐧「うーん、まぁ……」
練習生のときからお世話になっている美容室で、気心の知れたオンニと軽く雑談をしながら髪色を変えていく。
韓国での生活、メンバーとの話、最近のこと。
話せることと話せないことはあったが、久々に「ヨジャ」としての自分を見せるのは、なんとなく不思議な感じもした。
自分はそれほどまでに「ナムジャ」としてスキズに馴染んでいるのだと気付く。
『ナムジャとしてデビューすると知ったときはどれほど心配したか知ってる?』
🐧「なにそれ、オンニ私のこと信じてなかったの?」
『信じてたよ。この子はいつか必ず凄いことをしてくれるって、出会ってすぐのときからあなたの下の名前に言ってたじゃん。だけどそれがナムジャドルっていうのは、話がちょっと違うでしょ』
🐧「まあね。私もあのときはかなり悩んだから。でも今はこれ以外の選択肢はあり得ないよ」
『あなたの下の名前が満足ならそれでいい。でも……無理してないよね?あんたは昔からいろいろ抱えてるじゃん』
🐧「……なんのことだか。これでも最近はちゃんと食べてるからね」
メンバーだけでなく、ここにも心配して応援してくれる人がいることに、少し嬉しくなる。
チャニは正体を知っているとはいえ、こうやって素の自分に戻ってなにもかも話すのはデビュー以来初めてのことだった。
もしかしたらオンニはそれを見越して「あなたの下の名前ちゃん」と呼んだのかもしれない。

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