🐧「あ、ジョンイナ!チャニヒョンがどこにいるか知ってる?」
🦊「今ちょうど集合予定なので、練習室にいますよ」
🐧「ほんと?見つからないから知ってる人に会えてよかったよ」
🦊「僕もヒョンに会えて嬉しいです。用事なら、一緒に行きましょ〜」
🐧「うん、ありがと」
「チャニヒョン」と言ったからか、ジョンインは自分のことをしっかり「ヒョン」と呼んでくる。
今度はがっかりよりも「確かに案外バレないものなんだ」と考えてしまったことに苦笑した。
そうこうするうちにすぐに部屋についたらしい。
🦊「チャニヒョン〜」
🐺「早いね、まだ皆来てないよ」
🦊「今日は僕が一番乗りですねㅋㅋㅋ」
🐺「お疲れ様。始まるまでゆっくり待っていてね」
🦊「はい。あ、それで、あなたの下の名前ヒョンを連れてきたんです。ヒョンに用事があるみたいで……」
🐺「ヒョン、ね……。え、あなたの下の名前が来たの!?」
🐧「突然ごめんね。少し、話をさせてもらってもいいかな?」
🐺「もちろん、大歓迎だよ。ジョンイナ、少し待っててね」
会うと必ず口説かれ、それに対して逃げるように立ち去り、それ以外では極力会わないように心掛けていた私が自ら会いに来たことに驚いたのだろう。
遠慮がちに言う私に、チャニは嬉しそうに立ち上がって部屋の隅へと誘ってくれた。
🐺「それで、僕に会いに来てくれるってことは、返事はYESだと受け取ってもいいの?」
🐧「……うん。ずっと頑固に断っていてごめんなさい」
🐺「それは構わないけど……どういう気持ちの変化?あんなにも頑なだったじゃん。もしかして、会社の人になにか言われた?」
🐧「……チャニヒョン」
🐺「『ヒョン』?」
🐧「実はね、代表に言われたんだ。ナムジャとしてグループに入ればいいって。それでも仲間として認めてもらえるなら、私はクリスたちのそばにいたい」
🐺「声をかけるって……まさかそういうつもりで……?」
🐧「クリス?」
🐺「いや、こっちの話。あなたの下の名前はそれでいいの?本気で言ってる?」
🐧「心配してくれてるんでしょ。でも大丈夫だよ。クリスたちがいてくれるなら、しんどくても進み続けられる。だからヒョンとしても、宜しくお願いします」
🐺「あなたの下の名前、ごめん……そんなつもりで誘ったんじゃ……」
🐧「謝んないでよ。このグループがいいんだから」
チャニは衝撃を受けたかのように戸惑い、私の手を握ってくる。
暫くはそれを黙って受け入れていたが、慌てて「男」だったことを思い出し、手を引っ込める。
🐧「一緒にデビューしよう。あの日の約束を叶えたいのはチャニヒョンだけじゃないよ」
🐺「そうだね、一緒に行こう。……ありがとう、あなたの下の名前。君がいてくれてほんとによかった。僕個人としても、グループとしても」
🐧「私もだよ」
部屋の中央に戻ると、もうメンバー全員が集まっていて、チャニと私……改め“僕”のことを待ってくれていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。