第3話

始まりのお話-1
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2025/10/29 10:23 更新
サバイバル番組の存在を知ったのは、チャンビナの話でだった。
同じ練習生のクリスがメンバーを選ぶという特異な形らしい。
チャンビナは「まず3RACHAが誘われたところで……」と、嬉しそうに話す。
3RACHAがいるなら間違いなく凄いことになるだろう。
「いいな、そのグループ」と思いながらも、自分は誘われる次元にいないので、心からの祝福と応援を伝える。
そして、「それじゃあお先に」と声を掛けてから部屋を出る。
サバイバルの話を考えながらぼーっと歩いていたためか、その後気付いたときにはいつもは来ないところまで来てしまっていた。
🐺「あなたの下の名前?あなたの下の名前だよね?」
🐧「あ、クリス」
🐺「珍しいね、こんなところまで。でも、ちょうどよかったよ」
🐧「ちょうどよかった?」
笑顔のクリスことバンチャンに遭遇し、そのまま近くの部屋へと連れられる。
書類やらパソコンやらが置かれた作業室で、彼は数枚の冊子を手渡してきた。
🐧「これは?」
🐺「見てみて、あなたの下の名前きっと驚くよ」
ページを捲ってみて「あぁ……」と声を漏らす。
目の前の彼は驚かなかった私に対して逆に驚いてみせた。
🐺「え?驚かないの?」
🐧「さっきチャンビナから聞いたんだ」
🐺「あいつ、早速話したんだな」
🐧「うん、嬉しそうだった。……クリス、凄いよ。長年頑張ってきたもんね。応援してる、絶対デビューできるよ」
🐺「……なんで他人事みたいに言うの?」
🐧「……え?」
「だって、他人事でしょ」という言葉は返せなかった。
チャニの真剣な顔が近付いてくる。
その瞳に囚われたかのように動けなくなった私を見て、彼はくしゃっと笑う。
🐺「それで、僕はあなたの下の名前も選ぶことにした。……まあ、これは僕の中では決定事項だったんだけど」
🐧「What? You choose? Me?え?選んだ?私を?
🐺「英語になってるよㅋㅋㅋ」
チャニの言葉は理解できる。
チャニが作るグループに、私も誘われているということだ。
理解できないのはその発想のほうだ。
ナムジャグループにヨジャを混ぜるなんて聞いたことがないし、そんなの許されるはずもない。
🐧「あの、ごめんなさい!私、女の子なの。だから……」
🐺「うん、知ってるよ?それでも僕は君が欲しいんだよ」
🐧「ほんとに知ってる?それなのになんで選ぶの」
🐺「あなたの下の名前と一緒にいたいからに決まってる。僕には君が必要だから。……あ〜、でも正確には、『僕は』女の子だって知っている、かな?」
🐧「なにそれ」
🐺「正直に話しても怒らない?」
🐧「もちろん、私とクリスの仲だもん」
🐺「じゃあ、話すよ。実は、最初からあなたの下の名前が女の子だと知ってたわけじゃない。以前、もう数年前のことだけど、PDニムと話したとき、あなたの下の名前がヨジャだって知った」
🐧「数年間男だと思ってたの?」
🐺「……うん、ごめん」
🐧「いや、それはいいんだけど……。その説明、クリス以外は知らないみたいな言い方だけど、この解釈で合ってる?」
🐺「合ってるよ。昔の僕が勘違いしていたのと同じで」

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