第3話

“3”
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2024/01/04 18:03 更新






「ベイビー、珍しいねそんなに着飾って」
「…そう?普通だと思うんだけど」
「君は普段どんな服でも美しいけどそんな風にアクセサリーをつけるのを見るのは久々だよ」
「私綺麗?ならいいんだけど」


ハニの不思議そうな顔を横目に身支度を済ませる。普段はカジュアルな服装が多いのだが今日は珍しくプリーツスカートに白のニットで一丁前にアクセサリーもつける。リノさんから言われた作戦とは意外にも当たり障りの無いものでそれは『自分も浮気をする』作戦であった。そんな作戦があっていいものなのか、と自分の鼓膜を疑ったがリノさんはやる気満々だった。

作戦としてはこうだ。
普段あまりお洒落をしない私が珍しく、しかも系統の違う服を着込むことでハニに違和感を抱かせる。これが1つ目。そして私が出かけると必ずどこに居て誰といるのかを聞きたがるハニに普段ならきちんと伝えているところを敢えて濁す。
3つ目は男の影を匂わせるような写真をカトクに送信、そして当たり前のような顔で帰ってくる。以上だ。

まあ何を隠そう、それらは普段ハニが浮気まがいな事をする上での常套手段なので立派な仕返しと言えるのだろう。
まあでも私はフリなだけで決して浮気なんてしないけど。


「ハニ、今日一日1人にさせてしまうけど許してね」
「そんなの僕は気にしないよ!チャニ達もお父さんのところで楽しそうにしてるし一人の時間を楽しむよ」
「…そう、今日は私食べて帰ってくるから夕飯は自分でお願いしてもいいかしら」
「えっ、ジナご飯作ってくれないの?」


一見モラハラに聞こえる発言だけどこれは『ハニーと2人きりでご飯を食べれると思って期待してたのに』と訳である。ああ、どこまで私のハニーは可愛いのかしら。これから浮気ドッキリを仕掛けるくせにヒョンジンは思わずハニに抱きついてしまった。
『お、ぉぉ…ベイビー…』と嬉しそうな声を上げるハニ。ごめんね、私は今から貴方にドッキリを仕掛けるの。


「それよりベイビー、今日はどこに誰と行くんだい?」
「友達とランチに行ったあとショッピングをしてオペラを見に行く予定よ」
「友達?ココ最近の?」
「うーん、まあそうね。最近私と親しいお友達」
「ハニーが友達を作るなんて珍しい!きっと素敵なお友達なんだろうなあ」
「珍しいってなによ、私も1人や2人はいるわよ」


まあ相手はリノさんとスンミンの2人なんだけどね。ハンは私の言うことを全く疑わないのかと少し凹む。いつもなら臭くて堪らない香水も歩きにくいヒールを履くのも全てこんなしょうもないことの為にだと思うと自分でも少しなにをやってるのかわからなくなる。







「あなた、お義姉さんと手を繋いでちょうだい」
「は?リノや、何を言ってんの?」
「朝私が言ったこと聞いてなかったの?今日はハンさんに一泡喰らわせる為にあんたを駆り出したのに」
「それは知ってるけどそれと手を繋ぐことの何が関係あるんだよって話をしてるんだけど」
「さり気なくジナオンニと手を繋いでる匂わせの写真をハンさんに送ればきっと嫉妬してくれるって話」
「…別に私がしたいって言った訳じゃないんだけどね…」


見渡しがいいテラスで3人ご飯を囲みながら話す。どうやらリノさんは自らの夫を囮として提出したようだ。企んでる笑顔はまるで悪魔のようでスンミンはその横でドン引きした顔をしてる。
少し動きがあったのはハニからのカトクで『ベイビー♡今はなにをしているの?ランチ?写真見たいな〜!』と呑気なメッセージが送られてきたことだ。それをリノさんに報告すると目を光らせて今よ!と動き出した。


『ランチ、ピザとパスタを食べてるの』
『わあ、美味しそうだね!お友達も?』
『ええ、2人きりの時間もいいものね』

ハニへの返信と共に送った写真には俗に言う"匂わせ"と呼ばれる部類のお揃いのブレスレットをつけた友人―スンミンの手を写り込ませる。男の手ということもあるしこれは効果を期待できるのではないか。そう思ったけど意外とその考えは浅はかに打ち破られた。

『ここ最近有名なレストランだよね!流石ベイビー、お洒落には目がないんだな〜素敵だ♡』

…なんなんだ。この男。
疑問のひとつも無いのか。


「ハンさんってもしかしてただの馬鹿?なにも気づかないってだけの鈍感を極めたただのリス?」
「リノ、言い過ぎだよ。まあでもそれくらいジナさんを信じてるってことじゃないのかな」
「それなら尚更燃えない?私だったら絶対に許さないから命絶つまで追い詰めるけど」
「それ僕に言ってるよね?」






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