咕咕嘎嘎
ぐぐがが
SNS・動画サイト等にて「ググガガ」などと呼ばれているペンギンキャラクターの概要については以下の個別ページも併せて参照のこと。
本ページでは、中国のインターネットスラング・ミームとしての「咕咕嘎嘎」について全体を通して解説する。
「咕咕嘎嘎(ググガガ)」は中国のインターネット流行語である。語としての出自は欧米などで赤ん坊の鳴き声を表す語として用いられる「グーグーガーガー」といったオノマトペに由来しており、これを中国語の漢字で音写したものが「咕咕嘎嘎」である。流行語としては2025年初頭頃から中国のネット上で拡散し有名になった。
中国においては主にバンドリシリーズMyGOの登場人物である高松燈に関するネットミーム、またはアークナイツ:エンドフィールドのプレイヤーキャラである女管理人から派生したペンギンキャラクターの鳴き声や通称として知られている。
欧米のオノマトペ
上記の通り「グーグーガーガー」というのは欧米等の一般的なオノマトペに由来しているため用例は古くからあり映像作品などでもたびたび登場する。ネット上でスラング的に用いられるようになったきっかけとされる作品には以下のようなものがある。
- アメリカのコメディ番組「Key & Peele」より「Baby Forest」(2012年)
▲0:31~付近より「グーグーガーガー」という台詞が登場。
- アメリカのアニメ映画「ボス・ベイビー」(2017年)
▲1:22~付近より、中身がおっさんの赤ちゃんであるボスベイビーが喋れることを誤魔化す際に「uh, goo-goo ga-ga.(アー、ググガガ。)」という台詞を言っている。
ボス・ベイビーでは英語版だけでなく中国語吹替版でもこの「アー、ググガガ」部分はほぼそのままの発音で吹き替えられており、欧米のオノマトペである「ググガガ」が中国でも認知されるようになったきっかけのひとつとされる。ちなみに日本語吹替版では「アウアウパウバブ」といった感じで吹き替えられており「ググガガ」ではなくなっている(参考、0:36~)。「ググガガ」というオノマトペ自体が日本人には馴染みがないので無理もないか。
これらの作品を契機に、「ググガガ」は赤ん坊のふりをする、馬鹿なふりをする、といった場面で用いられるスラングとしてネット上で広まっていったとされる。
Roblox動画投稿者「torn」
現在の咕咕嘎嘎ブームの直接的な契機となったのはTikTok等にてRoblox映像に絶叫しまくる台詞を合わせたショート動画を数多く投稿しているtornという投稿者によるbaby wolf combo😭😭🙏
という動画である(2024年6月)。
▲一応はストーリー仕立てになっており、狼男の子供が「グ グ ガ ガ !!!! グ グ ガ ガ ~ !!!!」などという鳴き声で絶叫している。ちなみに子供を殺された狼男がスキビディトイレの助力を得て復讐するという続編がある。
英語圏などでも一部でミーム化していたとみられるが、この人物の動画が2025年1月頃から本格的に中国人に発見され、各種MAD動画の音声素材として利用されたり、AIボイチェンを用いて他のキャラに喋らせたり……といった形で多用されるようになり、結果「咕咕嘎嘎」という語が2025年前半にかけて中国のネット上各所で広まり流行語化していった。
▲ミーム解説動画(2025年3月)。中国語だが、MAD動画の事例が紹介されている。
この時点ではまだ高松燈のイメージは支配的ではなかったようで、ブルアカのモモイとアリス(※この組み合わせは「OMG, It's〜」という別のミームに由来)が代表的なMAD動画の事例として扱われている。
後にショート動画などが出回る宿儺が「ググガガ」と鳴く動画もこのときのブームが源流とみられる。
高松燈ペンギン
「咕咕嘎嘎」とMyGOの高松燈のイメージが結びつけられたきっかけは、上記の動画でも引用されているが涂山白白喵という投稿者が2025年1月にビリビリ動画で投稿した以下の動画である。
gugugaga🐧🐧🐧(※リンク先は中国ビリビリ動画より元動画)
高松燈はペンギン好きのキャラとして知られるが、よく小石を拾っていたりする作中の行動もペンギンを連想させることから次第に燈自身もペンギン扱いされるようになりつつあった。その過程でペンギンの胴体と燈の顔を合成したクソコラ画像(表情包)が作られ、特に2025年7月頃からそのクソコラと「咕咕嘎嘎」が結びついて一気に拡散した。
これにより、ペンギン姿の高松燈が「咕咕嘎嘎!」と鳴くというミームの様式が出来上がり定着してしまった。
このミームは中国では「凑企鹅」と呼ばれていることが多い。
管理人ペンギン
2026年1月、アークナイツ:エンドフィールドがリリースされる。このゲームのプレイヤー女性キャラである女管理人はその見た目がペンギンっぽいことからしばしばペンギン扱いされているが、そんな中2026年2月に新たな中国製AI動画生成モデル「Seedance2.0」が登場。2月18日頃から主にこのAIを利用し女管理人をペンギン服のちびキャラ化したショート動画が作られ始めた(※キャラデザの由来については著作権騒動の項目にて後述)。
ちびキャラ化の際には、既にペンギンミームが定着していた高松燈の影響から「咕咕嘎嘎」が鳴き声として採用されることとなる。豆包などのAIアシスタントツールがSeedance2.0を搭載したことでクオリティの高いショート動画を手軽に生成できるようになったことも手伝い、女管理人ペンギンキャラが可愛らしく「咕咕嘎嘎~❤」と鳴きながら動き回るショート動画がTikTokなどで大量に出回ることとなった。
▲女管理人(元ネタ)と、咕咕嘎嘎ペンギンキャラ。
ペンギンキャラ自体には特にキャラクターとしての正式名称などがないため、日本では「ググガガペンギン」「ググガガちゃん」などと呼ばれることが多い。中国での呼び方は単に「咕咕嘎嘎」、あるいは「小企鹅」「咕嘎」「小咕嘎」など。
中国ではSeedance2.0を使用したさまざまなジャンルのAI動画が生み出されているが、中でも咕咕嘎嘎はその可愛らしさから一躍人気ミームとなった。このミームは中国以外の海外でも人気となり盛んに転載され拡散しているが、出回っている動画の大部分は中国製である。
AI動画自体に抵抗感のある人が少なくない日本人の間でも、咕咕嘎嘎はとにかく可愛いからということで好意的な意見が多く聞かれる。しかし一方で、やはりAI動画は受け付けないという意見や、映像が妙にリアルで気持ち悪い、キャラ自体がどこか腹立つ、といった否定的な声も一部では存在している。
(動画の事例)
咕咕嘎嘎ペンギンキャラ自体は元ネタのエンドフィールド作中には登場しない二次創作キャラであり、自然発生的に広がった動画ブームであるため明確化されたキャラ設定などはないが、概ね共通する描かれ方としては
- 原則として「咕咕嘎嘎」以外の言葉を話さない(ただし一部の動画では普通に中国語を話している場合がある)
- ケーキなど子供の好きそうな食べ物は大体好きで、食い意地を張っている
- 特にチョコチップクッキーが好物らしく、よく与えられている
- 無邪気、わがまま、挙動が鈍臭いなど、幼い子供(年齢は2~3歳程度)らしい特徴で描かれることが多い
などがある。
動画内ではアークナイツのプリースティスが母親ポジションで登場することが多いが親子なのかは不明。
生物としての実態も謎に包まれており、
- 卵から産まれる。卵を産んでから生まれるまでの期間は不明だが、少なくとも卵を産んだ最初のころは普通の卵と同じように白身と黄身が入ってる
- 交尾せずに卵を産める
- それどころか、何もせずとも勝手に増殖していたりする
など、様々な形で描写されている。
※プリースティスとの関係については元ネタの管理人の設定に関する疑惑・考察が反映されている。
AI動画という性質上キャラデザ・絵柄・描かれ方などは動画ごとに揺れが見られるほか、動画内容についても大人同様に社会生活している様子が描かれたり、ファンタジー世界で戦闘していたり、謎に巨大化していたりと様々なジャンルの動画がある。中国発のミームであるため本格的な中国料理を作っていたり食べていたりする動画も多い。
なお、同じ動画がさまざまなサイトで拡散されているため、ひとつひとつの動画について最初に生成した人物やそのアカウントを特定することは非常に難しい。また、同一のプロンプトや元動画素材などを使用していくつもの動画が生成されているため「見たことあるような内容の動画だが微妙に違う」といったケースも少なくない。
関連動画はどんどん増加しており、一度定着した高松燈のイメージすら上書きするほどの怒涛の勢いを見せている。ただし、生成に使われているSeedance2.0の規制・条件変更などにより動画の生成ができなくなった、難しくなったなどの報告もみられる。
AI生成ツール生まれのキャラだが絵師によるファンアート類も現れ始めている。
* * *
人気拡大の一方で……(注意喚起)
この種のマスコット的キャラクターが人気になるとよく台頭してくるのがいわゆるキュートアグレッション的な内容、つまりはいじめ・曇らせ系の二次創作である。
(動画の事例、ここでは直接的な暴力系描写がないものを引用)
▲冒頭の台詞は「我不要你了(=もう君はいらない)!」と言っている。
▲可哀想系の動画の事例
咕咕嘎嘎ペンギンのAI動画はもともと子供っぽい特徴で描かれるがゆえに、わがまま・生意気なクソガキ的な性格で描写されることも少なくない。そのため、単純にかわいそうな目に遭うだけでなく躾・お仕置きといった描写もなされるようになっていった。そしてミームが人気になるにつれてさらにエスカレートし、キャラにヘイトを向けたような虐待系動画も投稿されるようになった。
ビリビリ動画などでは暴力・流血といった描写への規制が強いこともあり虐待描写は基本的にそれほど極端なものは目立たなかったのだが、ミームが広まっていくにつれて抖音(TikTok)などを中心に露骨な暴力やグロ描写を含む動画が「ググガガ」「gugugaga」といったキーワード・タグの検索結果に数多く混ざるようになってしまった。
キャラ版権の曖昧さゆえに統制が効かない事情もあり、特にTikTok・Xは相当な無法地帯と化している。センシティブなコンテンツの規制やフィルターを強化しているyoutubeや、instagramなどは比較的マシとみられるが、必ずしも安全地帯ではなくなりつつあるようで関連動画を探す際には注意が必要である。
虐待系動画の増加はAIプラットフォーム側にてググガガペンギンの生成が規制されるなどの審査基準が設けられる一因にもなっていると思われる。
ちなみに、ニコニコ動画においては咕咕嘎嘎ペンギンの動画はなぜか一貫して例のアレ界隈のタグ荒らしに使用されており、また別の方向性の無法地帯といえる。
著作権騒動
2026年2月19日、贱兔死顺盖(贱兔)というビリビリ動画の投稿者が「このペンギンの由来を知ってほしい」という旨の動画(削除済)を投稿し、この咕咕嘎嘎ペンギンキャラの由来が自身の生成したAI画像を元にしたものであることを説明した。
咕咕嘎嘎ペンギンキャラの初出はエンドフィールドの正式リリースよりも前に遡り、元々は同投稿者が2025年にAIイラストを用いて製作したエンドフィールドの女管理人・ペリカのふたなり二次創作漫画(※R-18注意)の「後記」ページに載せられていたものである。「咕咕嘎嘎」という鳴き声についてもこの時点で既に記されていた。同投稿者は説明動画においてペンギンキャラのキャラデザは100%AI生成によるものであり、AI動画での使用も100%OKとの旨を表明した。
(イメージ)
しかしその後、このペンギンキャラのグッズが売られるなど商用利用され始めると同投稿者は態度を変え、このペンギンキャラに対する著作権を申請(※著作権そのものは自動保護だが、商標登録とは別に著作権を版権保護センターに登録することで商取引等における保護を受けることができる仕組みがある)。商用利用には許可が必要となる旨を表明し、グッズ販売者の間では実際に使用料が請求される事態になった。しかしこのペンギンキャラはそもそもがエンドフィールドの二次創作品であることに加えて、ペンギンキャラ自体もAI生成された図像であり、また大勢のネットユーザーが盛り上げてきたネットミームに紐づいた存在でもあるため、その著作権の所在をめぐって激しい論争へと発展した。
最終的に3月7日、同投稿者はこの炎上を受けて謝罪表明し権利の主張を取り下げた(声明文)。一方で商品販売者の一部はこの投稿者の名前をクレジットに加えるなどの対応を取ったりしている。これにより騒動自体は一応丸く収まったが、著作権の所在については結局曖昧なままになった。
ペンギンキャラのデザインを初めて世に出した贱兔氏が権利主張を封じた一方で、元ネタであるエンドフィールドの公式もミームに対して特に直接的な反応は示していない。咕咕嘎嘎ペンギンキャラは女管理人そのものとは実質別物といえるキャラデザのため権利の及ぶ範囲が限られるであろうことに加えて、そもそもがR-18二次創作から生まれたキャラデザであるという出自の問題もあり、表立って権利者としてのアクションを取ることが難しいものと思われる。
権利者として想定されうるこの両者が実質手出しできない──つまりは版権への抵触が実際に問題化されるリスクがほぼない状況を利用し、中国では犬バージョンや猫バージョンと言ったさまざまな咕咕嘎嘎グッズが作られるようになっている。このため咕咕嘎嘎ペンギンは、一応は版権キャラに由来していてなおかつ非常に人気が高いキャラクターであるにもかかわらず、世に出回っているあらゆるグッズが全て非公式という歪な状態が続いている。Doroのように権利関係を整理して公式化したミームの事例もあるが、今後の動向やいかに……?
テンセント公式による便乗
2026年3月19日、中国の大手テック企業テンセント(腾讯)公式ビリビリ採用アカウントが咕咕嘎嘎ペンギンミームをネタにした動画を投稿した。
中国ではこうした場面における権利関係の認識は日本などと比べて全般的にラフであることに加えて、咕咕嘎嘎ペンギンキャラ自体は上記の通りAI出自ということで著作権の所在が曖昧にされてしまったため権利方面からはあまり問題視されなかった……のだが、テンセントは新進気鋭の中国ゲーム「鳴潮」を開発・運営するKURO_GAMEを実質傘下に収めているのに対して、咕咕嘎嘎ペンギンキャラはアークナイツの新作ゲームに由来しているミームであることから、間接的にライバル的存在の他社ゲームを宣伝(?)してしまったという斜め上の理由から波紋を呼び、「テンセントが鳴潮を見捨てた」といった言説まで出回ってしまうことに。
これに対しテンセント公式ではあくまでジョークを交えたネットユーザーとの交流のためであり、複雑に解釈しないでほしいとの旨を説明している。
アークナイツ:エンドフィールド 明日方舟终末地(簡体字中国語表記)
ググガガペンギン:管理人ペンギンキャラに関する個別ページ
gugugaga:表記揺れ。中国由来ではない包装紙サンタクロースの海外ミームについてはこちらを参照。
咕咕嘎嘎ペンギンキャラの呼称は英語圏では管理人の通称であるEndminがそのまま使われていることが多いが、ペンギンと合わせたPengminといった呼称も一部でみられる。
日本でも「ペン理人」と呼ばれることがある。
スピキ:並行して流行しているミーム。直接的な関係はないが、キャラへの扱いには若干の共通性が見出せる。
- 百度百科「咕咕嘎嘎」
- 「“咕咕嘎嘎”是什么梗?」
(里维斯社、百度、2025-03-06)
- 「咕咕嘎嘎的企鹅女管二创,居然被人申请了版权?」
(3DM游戏、百度、2026-03-10)
- 「《终末地》猎奇“本子”出身,全网共创爆红:这只AI企鹅的版权到底归谁?」
(wuhu动画人空间、17173、2026-03-17)
- 「腾讯官方玩梗《明日方舟:终末地》!官方:博君一笑不要复杂解读」
(猛鲨男鱼王、游民星空、2026-03-23)