決意は、苦難を越えて
レイド強すぎて「おかしいだろこいつWWW」って言いながら読んでる
お前は本当におかしい、なんなんだ
でも好き……
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『──シャウラ!』
『あ! お師様きてくれたッスか!? 嬉しいッス! あーしの晴れ舞台、もしくは職場見学って感じッス! 師父参観日って感じで、とくとご覧あれーッス! ──インフィニティッド・ヘルズ・スナイプ!!』
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「やっぱりシャウラってすごーく強い……あと、技の名前がスバルの言いそうな言葉よね」
「ガーフィールが喜びそうな響きなのよ」
遠回しにセンスを攻撃されるスバルに、それを聞いていたオットーは苦笑し、ラムは鼻で笑った。
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『こっちの戦力が、俺とベアトリス、エミリアちゃんとラム。メィリィにシャウラ、それとエキドナにユリウス……』
『番外で二頭の地竜と、治癒してくれる緑部屋の精霊も加えておくかい? 選択肢として持っておく分には悪くないと思うよ』
『──おい、待てよ。いくら何でも、遅すぎないか? エミリアちゃんとラムは、緑部屋にレムたちを迎えにいっただけだよな?』
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「──ここら辺の記憶、すごーく曖昧……私、この時どこに……」
エミリアが煌めく銀髪を手で押えて、うんうんと唸る。
「──べティーもなのよ……さっきから、会話に記憶がないかしら。……最悪なことは、想像したくないけど、なのよ」
「──スバル……」
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『──バルス!!』
『──ッ! ラムか!? ラム! それにパトラッシュとレムも、無事か!?』
『ええ、何とかね。バルスが居眠りしている間に大変な目に遭ったわ。どうしたらあんな事態で眠りこけていられるの。さっさと立ちなさい』
『悪かったよ! 姉妹で責めるな! ほら見ろ、ちゃんと立ってる! 走ってる!』
『――? バルスの妙な態度は気になるけど、それどころじゃないわ』
『ああ、俺も聞きたいことがあるし、話したいことがある。お前、一緒にいったはずの……』
『──通路の向こうで、『暴食』の大罪司教を名乗る相手と出くわしたわ』
『『暴食』の大罪司教と言ったね? それが、通路の向こうに?』
『ええ、そうよ。――そして、その『暴食』の大罪司教と、誰かが戦っている』
『……誰か?』
『──銀髪の、知らない人が『暴食』の大罪司教とぶつかっているわ。ラムたちに、逃げなさいとそう言って、今も』
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「────!」
エミリアの紫紺の瞳が見開かれる。
──そうだ、そうだった。
エミリアは、少しの間だが名前を奪われた。そして、この空間では、映像が進むごとに、現実にも支障が──
「──ラム! 私のこと、わかる?」
「──レムや騎士ユリウスの時とは違い、バルスの見ていない、ラムの見てきたエミリア様が記憶に残っています。何を基準としたのかはわかりませんが、今回は」
「──! そう、わかるのね! ベアトリスは?」
「べティーもなのよ。その日のうちに名前を取り戻したからなのかは分からないかしら」
「──うん、うん。大丈夫。良かった、またあの時みたいに忘れられたらどうしようって思っちゃった」
「──でも、この空間の犯人が、エミリアの名前消失を例外にした理由がわからんのよ」
「──うーん……私もわかんないかも……」
そう零すエミリアを横目に見て、ラムは小さく囁く。
「──これは、ラムたちの生きた時間軸ではないから……ね」
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『思わぬ遭遇ではあるが、ここで敵として相見えた以上、逃がす手はない。元々、我々の目的は『暴食』と『色欲』の大罪司教がもたらした被害を打ち消す方法を求めてのこと。奴らが現れたなら、直接その口から聞き出すまでだろう』
『同感ね。ラムも、奴を生かして帰すつもりはないわ。のうのうと現れたことを後悔させてやらなくちゃならないから』
『ま、待て! 待ってくれ! お前らの意気込みはわかる! わかるんだが……っ ──お前らの会話に、エミリアの名前が抜けてる。それは、どうした?』
『──エミリアって、誰のこと?』
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「──! やっぱり、忘れられるって悲しいわね……」
「──ええ、それは、そうですね。ですが、それよりも、ラムは……」
ラムが眉を顰める。
「──こんな会話、やっぱりしてないわ」
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『エミリア……それが、あの銀髪の女の名前?』
『――。そうだ。銀髪の女の子がいたんなら、それがエミリアって名前の子で、俺たちの仲間だ。だから、ラムに逃げろって言って、自分は残った。今も戦ってる』
『そんなことが起こり得る、のだろうね。他ならぬ、私自身が味わった思いだ』
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「──自分が忘れられた時の絶望は、忘れることの出来ないものだ。だというのに、相手を忘れてしまう時は忘れたという感覚すらないのだから、酷い話だとも」
「──忘れた、なんて言い方じゃ足りないんやない? 奪われた、くらいやないと」
「──ええ、そうですね、アナスタシア様」
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『ラム』
『口惜しい、けど、今はラムがいっても足手まといになるだけよ。置いていきなさい。ただし、『暴食』の命は残しておきなさい。それ以外の部位はバルスに譲るわ』
『牛か豚みたいな言い方だが、とにかく安静にしてろ。俺たちはいく!』
『──ええ、やってきなさい』
『待ってろ、『暴食』……! これ以上、てめぇに食わせてやるのはうんざりだ!』
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「──バルス……」
ラムが顔を顰め、複雑な心中を滲ませる。この先の結末を、ラムは予感している。そしてそれは、いつでもラムの想像を超える壮絶なものだった。
「──これ以上、ラムの綺麗な瞳に酷い景色を映すのは許さないわよ、バルス」
言い方は冷たく、ぶっきらぼうだった。だが、スバルが聞けばわかる、優しさの籠った声だった。
「ラムお姉さん、大丈夫かしらあ? 顔色が悪いわよお」
「──子供に心配されるほど弱くないわ。最も、ラムはか弱くても強くても可愛いけれど」
「元気そうでなによりだわあ」
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『――『暴食』の大罪司教!』
『あっはァ! お客さん! じゃないね! メインディッシュだ、お兄さん! 俺たちも会えるのを待ち望んでたよ。妹が世話になったみたいだねえ!』
『あ、みんな! その、私のことわからないかもしれないけど、あっちが敵! 悪い人! ここは私に任せて……私のこと、わからないかもしれないけど!』
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「エミリアちゃん……」
菜穂子が胸の前で手を結び、スクリーンの中で気丈に振る舞うエミリアに心底心配するような顔を向ける。
「──レムちゃんとユリウスくんだけじゃなくて、エミリアちゃんからも奪うなんて……本当に酷いわ」
昴は覚えていられても、他の人はできない。それは、昴にとっても、他の人にとっても、とても辛いことだ。
「──昴」
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『大丈夫だ、エミリアちゃん! 俺は忘れてねぇ! もう、絶対に忘れない! たとえ何があっても、俺は君を、忘れないから!』
『ん──!』
『君の一言が今、彼女にどれほどの影響を与えたか、自覚はないのだろうね』
『ああ?』
『聞くまでもないことだが、彼女が私たちの味方だな、スバル』
『ああ、そうだ。あの可愛さで、俺たちの敵のわけないだろ!』
『──心得た』
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「──スバルのバカ、可愛いなんて言ってる場合じゃないのに」
文句を言いながらも、エミリアの銀髪の下に眠る白い陶器のような肌は林檎のように赤く染まり、エミリアが悪感情を抱いていないことを示している。
「──私も、スバルを忘れたりしないわ。だって、私、スバルのことすごーく大切に思ってるんだから」
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『ちぃッ! 僕たちが食べたからわかってたことだけど、躊躇がないなァ、エミリア! そんな調子で攻撃して、怖い人だって思われたら……』
『いいから黙ってて! 私が怖い人だって思われるの慣れてるの、あなたはわかってるはずでしょう! 大事なのは、私がみんなをどう思ってるかよ! それに……一番覚えててほしい人は覚えててくれたもの。今、すごーく元気だわ!』
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「エミリアちゃん……すごいわね、あんな風に言えるなんて」
「えっ、あ、はい! 私、スバルが覚えててくれてすごーく嬉しかったし……それに、前までの私より強くなったので」
紫紺の瞳をきりっと吊り上げ、凛々しい表情を作るエミリアに菜穂子は感嘆の息を漏らしながら笑みをこぼす。
「──そう。本当に、すごいわ」
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『忘れないとかあれこれ言ってたけどさァ、その程度のことがどれだけ救いになるの? 結局、最後には経験が物を言う。優れた知見の積み重ねってヤツこそが、人生を豊かにして、人を勝ち組ってものにするのさ。つまり、最高なのは俺たちってわけだよ!』
『──オメエ、何調子乗ってやがンだ?』
『な』
『────』
『最高なのがオメエみてえな根性曲がったガキなわけねえだろ。最高も最強も、最上も最良も、全部オレのためにある言葉なンだからよ』
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「違うわ、それはロズワール様のためにある言葉よ」
「お前は本当に精神がイカれているのよ。そいつのどこが最良だと言うのかしら。最悪なのよ」
「言葉に気をつけてください、ベアトリス様。ラムのか弱く柔らかい手のひらが火を噴きます」
「火を噴く手のひらはか弱くも柔らかくもないかしら!」
「もう、ふたりとも……」
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『──はっきりと、お前が敵だって俺の魂が認めてるから、か』
『いいぜ、稚魚。稚魚から昇格してやるつもりはねえが、オレが都合のいい援軍だなンて勘違いしねえところは褒めてやるよ』
『援軍だから喜べ、なんて言われても素で受け入れられる相手じゃねぇしな』
『はンっ! 言いやがる』
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「──本当に、めちゃくちゃだわあ。わたしも色んな大人の人と会ってきたけどお、こんなめちゃくちゃな人はそういなかったものお」
「レイドみたいなのがたくさんいたらすごーく困っちゃうわね。ひとりで十分だわ」
「ひとりもいらんのよ。必要ないかしら」
ベアトリスが可愛らしい顔を顰めて吐き捨てる。相当嫌いなのだろう、嫌そうな顔で舌を出す。
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『──魔女教大罪司教『暴食』担当、ライ・バテンカイトス』
『あー、面倒くせえな。じゃあ、オレは剣士、ハウロイ・ラリオル』
『誰だよ!?』
『オレの故郷の隣の家に住んでた奴だよ』
『──イタダキマスッ!!』
『マブい姉ちゃんに言われンならともかく、オメエみてえな汚チビちゃんに言われても嬉しくなンかねえよ』
『──づッ、ぐ、ぇ……っ』
『鶏が絞められるときみてえな声出してンじゃねえよ、オメエ。言っとくが、鶏は絞めたら食ってうめえが、オレはオメエを喰うつもりはねえ。暴食だかなンだか知らねえが』
『ぎ、ぁ!』
『大人に飛び掛かってきてンだ。仕置きされる覚悟はできてンだろ、オメエよぉ!』
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「──規格外だ……」
オットーが、顔を青くしてそうつぶやく。
エミリアとユリウスは、オットーの中でかなり強い分類に入る。名前を奪われて精神が揺らいでいたとしても、その強さは簡単には変わらないだろう。
そのふたりが苦戦していた相手を、赤子の手をひねるように蹂躙する。それは、冗談抜きに恐ろしく規格外だ。
「──ありえない……」
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『あいつ、今さっきまでエミリアちゃんとユリウスが二人がかりで苦戦してた強敵、だったはずだよな?』
『……それで間違いないのよ。ただ、それ以上にあれが規格外ってだけかしら。だから、場合によっては状況はもっと悪くなったと言えるのよ』
『大罪司教、やっつけてくれて、すごーくありがと……って、そんな風に仲直りするんじゃダメ?』
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「──うッそだろ? ありえッねェぜ……」
あの大罪司教と戦ったことがないから、ガーフィールにあいつの的確な強さは分からない。ただ、あんな風に余裕綽々な態度で、嬲り殺しにするように──。
「──敵に回したくねェやつだッぜ……」
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『──余裕綽々って、それがどういう意味かわかってンのか? そりゃな、何されても余裕でどうとでもできちまうから、どンな小細工したって関係ねえンだよ、バーカって意味だ』
『く……っ』
『ま、悪くはなかったぜ? オレが相手でなきゃ、喰らうぐらいはしてやっただろうよ。――ンじゃ、いくぜ』
『しっ!』
『──へえ、本気でちょっと感心したぜ』
『なにせ、私があなたに勝てなくては、こちらの計算が狂ってしまうのでね』
『勝つ気でいンのかよ、吠えやがる』
『だろうね。だが、お付き合いいただこう!』
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「──本当に、この人はどうも言葉遣いが悪くて仕方がないね。反面教師にするよ」
「そうして欲しい。君に彼のような人間になられては困る」
「──うん、そうだね」
「ラインハルトが綺麗すぎるのもあるけど、この人がおかしすぎるだけじゃない? って疑問をフェリちゃんは投げてみる」
「どうだろうね……両方かもしれない」
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『相手がユリウスだけだなんて思わない、で!』
『はンっ! 忘れちゃいねえよ、激マブ! オメエは忘れるにゃ面が良すぎンだよ!』
『褒めてくれてありがとう! でも、ホントに覚えててくれてるのは一人だけだから!』
『ずいぶんと往生際の悪いことだ、大罪司教!』
『はっはァ! 俺たちをのけ者にして楽しもうなんて、そんな性格悪いことするのはやめてくれよ、兄様! いつもいつも独り占めかい? ズルいなァ、ホントに!』
『レイド! 見たらわかるでしょ! ここで私たちがケンカしてても仕方ないの! 手伝ってくれるか、せめて大人しくしててってば!』
『話のわからねえ女だな、激マブ。オレぁ今、それなりに楽しンでンだぜ? 空からお星様が降ってきやがったとしても、オレの考えは曲げられねえよ!』
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「空からお星様が降ってきたら、いくらレイドでも困ると思うんだけど。レイドってどれだけ頑固なの?」
もう、と頬を膨らしてエミリアが口にする。
実際星が飛来してきても、レイドなら切り捨ててしまいそうなのが怖いところだ。本人の言う通り、どんな困難も彼の考えを曲げる障害にすらなり得ない。世界の特異点と言うしかない。
「──私、星が降ってきたら何とかできるかな……」
「そんなことになったらエミリアより先にラインハルトが動くことになるかしら」
「そっか、そうよね」
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『──ぐ』
『スバル!? スバル、スバル! どうしたのよ。何があったかしら!』
『……いや、これは、なん、だ?』
『スバル?』
『──ベアトリス!』
『ひゃんっ!』
『が、ぐおおおお! くると、思ってたぜ、このクソサソリ……ッ!』
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「──昴」
賢一が眉を顰め、事の顛末を見守る。いくつもの障害が、昴の道行きを阻もうとする。
「──多すぎる、な」
エミリアが本気で戦っても、ベアトリスが本気で戦っても、きっと足りない。世界は、そんな甘い解決を許さないのだから。
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『──スバル』
『べあ、とりす……』
『そ、そうかしら! 急にびっくりするのよ。別に、嫌って言ってるわけじゃないかしら。ただ、本から戻ったばっかりで心配で……でも、ベティーの名前を最初に呼んでくれてホッとしたかしら』
『……書庫?』
『とりあえず、寝惚けているのかそうでないのか、それだけでもはっきりさせてくれると、ボクたちもやりようがあるかな、ナツキくん』
『わ、わわ! スバル! スバル、どうしたのよ! やっぱり、体調がおかしくなってるかしら? 本の中で何を見たのか、話せるのよ?』
『ああ、いや、うん。それも、しなくちゃなんだが……』
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「──スバル……」
エミリアが目を見開き呆然としたあと、悔しそうに顔を歪める。
「──スバル、スバル……っ」
──スバルが死んでしまうことは、予見していた。会話に、覚えがなかったから。
「──こんな会話も、してないのよ……」
ベアトリスの悲痛な囁き声が聞こえたのが、エミリアにとっては最悪だった。