《弁当200個無断キャンセル》被害に遭った女性店主になぜ批判の声?「対策をするべき」「刑事告訴すべき」無遠慮かつ得意げに振りかざされる被害者叩きの「正論」
「自分は大丈夫」と思いたいがために被害者の落ち度を探す
人が「被害者の落ち度」を探したくなるのは、自分が安心したい気持ちが働くからという説もあります。「公正世界仮説」という考え方で、人は往々にして「世界は公正であり、誰もが自分の行ないに見合った結果がもたらされる」と信じたがる、というもの。そう考えることで、悪いことをしていない自分がひどい目にあうことはない、いいことをすれば必ず報われると、不安を減らしたり安心感を抱いたりできます。 しかし、現実はそうではありません。理不尽にひどい目に遭うことも、努力が報われないことも多々あります。被害者に対して「何か落ち度があったに違いない」と思ってしまうのは、そう考えないと「自分は大丈夫」と安心できないから。犯罪や事件だけでなく、病気で苦しむ人や災害の被災者に対しても、どうにか落ち度を見つけようとします。 「自業自得」や「因果応報」、あるいは「自己責任」という言葉は、言う側が「自分は正しく生きているから大丈夫」と思いたくて、客観的な事情を無視して本人に責任をなすりつけるために使われるケースが少なくありません。 しかも、ネットやSNSでは、反射的に思ったことを書いてしまいがちだし、目の前に相手がいるわけではないので容赦なく残酷になれます。多くは匿名なので、自分が非難されたり仕返しされたりする心配もありません。いやはや、困ったものです。 もしかしたら、私たち人間には「被害者の落ち度を探したくなる」という残念な習性があるのかもしれません。だとしても「探したくなる」のと「探してしまう」のと、言ったり書いたりしてしまうのとでは、それぞれ大きな差があります。 「あっ、今、自分は被害者の落ち度を探そうとしている」と気づいたら、大きな落とし穴にはまりそうになっていることに気づいて、甘い誘惑を振り切りましょう。すでに癖になっている人も、たぶんまだ間に合う……かな? 間に合うといいですね。(コラムニスト・石原壮一郎)
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