第10話

触ってないのに,触られてる ちょい🔞
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2026/01/02 15:58 更新
 夜は、身体の感覚を正直にする。

 明かりを消した部屋で、
 スンミンはシーツの上に横になり、
 スマホを耳に押し当てていた。

 呼び出し音、二回。
リノ
リノ
…どうした
 低く、少し掠れた声。
 鼓膜に触れるというより、
 内側を撫でられる感じ。
スンミン
スンミン
起きてた?
リノ
リノ
起きてる
 それだけなのに、
 声が近い。
スンミン
スンミン
…耳,近くない?
リノ
リノ
離してほしい?
スンミン
スンミン
…そう言う意味じゃない
 短く息を吐う音が、
 やけにリアルに聞こえる。
リノ
リノ
じゃあ,このまま
スンミン
スンミン
 拒否できない沈黙。
リノ
リノ
なあ
スンミン
スンミン
リノ
リノ
今,どんな格好
 心臓が一拍、跳ねる。
スンミン
スンミン
言うと思う?
リノ
リノ
想像はできる
 低く、落ち着いた声。
リノ
リノ
横になって,シーツ握って,
リノ
リノ
脚,少しだけ曲げてる
 ――当たってる。
スンミン
スンミン
…やめろ
リノ
リノ
やめない
 即答。
リノ
リノ
声,抑えてるのも分かる
スンミン
スンミン
…何を
リノ
リノ
反応
 一言一言が、
 じわじわ近づいてくる。
リノ
リノ
昼より,正直
スンミン
スンミン
夜は
リノ
リノ
嘘つく余裕がない
 少しだけ,間。
スンミン
スンミン
…リノ
リノ
リノ
スンミン
スンミン
今の言い方
 喉が,熱い。
スンミン
スンミン
エロい
リノ
リノ
今さら?
 淡々と言うのが、逆に刺さる。
リノ
リノ
耳,赤いだろ
スンミン
スンミン
見えてないでしょ
リノ
リノ
想像してる
 声が、さらに低くなる。
リノ
リノ
俺の声で
リノ
リノ
そこまで反応するの,ずるい
 “ずるい”と言いながら、
 止める気配はない。
スンミン
スンミン
じゃあさ,
 スンミンは、意を決めて言った。
スンミン
スンミン
今の声
スンミン
スンミン
可愛い
 一瞬。
 向こうの空気が変わる。
リノ
リノ
スンミン
スンミン
黙るの?
リノ
リノ
…調子乗るな
 でも,声が揺れてる
スンミン
スンミン
効いた?
リノ
リノ
 否定しない。
スンミン
スンミン
ほら
スンミン
スンミン
そうやって静かになるとこ
スンミン
スンミン
可愛い
 今度は、囁くように。
リノ
リノ
次,言ったら通話切る
スンミン
スンミン
切れないくせに
 即答。
リノ
リノ
今,スマホ離せてないでしょ
スンミン
スンミン
リノ
リノ
俺の声,耳から逃してないでしょ
 ぞくっとする
リノ
リノ
触ってないのに,
リノ
リノ
触られてるみたいな顔,してる
 想像が、勝手に身体を追い越す。
スンミン
スンミン
…リノ
リノ
リノ
スンミン
スンミン
それ以上言ったら
 一拍。
スンミン
スンミン
…戻れなくなる
 向こうで,静かに笑う気配。
リノ
リノ
大丈夫
リノ
リノ
今日は,
リノ
リノ
ここまで
スンミン
スンミン
リノ
リノ
でも
 低く,確実に。
リノ
リノ
次は,声だけじゃ済まさない
 それ以上,言わないのが反則
リノ
リノ
おやすみ
スンミン
スンミン
…おやすみ
 通話が切れる
 静まり返った部屋で、
 スンミンはしばらく動けなかった。

 触れられてない。
 何もされてない。

 なのに。

 耳も、呼吸も、
 全部、向こうに持っていかれてる。

 ――次、会ったら。

 考えた瞬間、
 また身体が熱くなった。

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