私は今日は高等部の校庭で複数クラスの合同体育。
学期末のレクリエーション体育みたいなもんだよね。
広いなぁ。ここチャニが通ってるんだよね。
校庭を見渡し、校舎を見上げる。
なんか騒がしいクラスが見える。
なんだろ?こっちみてなんか喋ってる?
高等部?何年生だろ。
ジャージの襟を正しながら見上げると
窓際に見える見慣れたオッパ。
身知れた顔に笑顔が綻ぶ。
わぁ嬉しい!
偶然!
っていうか。
もしかしたら見えるかなぁってちょっと思ってたんだ。
高等部にくるし
チャニに会えるかなって
少しでも
会いたかった し。
嬉しくて
手を振る。
ここだよ!私ここ! 見える?
手を振ると一層歓声が上がる。
え?何?
どうしたの?
ちょっとびっくりして手を引っ込めちゃった。
けど
あれチャニは?
見えなくなっちゃった。
『ヨンボガどうしたの?
とクラスメイトに声かけられ
ううんなんでもないよ。と何事もなかったように流した。
何?チャニ、もう愛想悪いんだから。
そんな 私のこと
鬱陶しいの?
ずくっと胸が痛む。
ジャージの襟を正していた手は自身の胸元を抑える。
痛い。
少しでも会えた私の気持ちが
幼く悲し悲しみだした頃
授業開始の集合の笛が鳴った。
ヨンボガが手を振り
俺を見上げたあと思わず顔を手で覆い
背けてしまった。
今の俺はどんな顔してんだ?
恥ずかしさに窓から顔を背けると
クラスメイトが俺の顔を見て
顔が赤いぞ 大丈夫か?と心配してくれた。
確かに動機と火照り。
誤魔化すが
優しいクラスメイトは
保健室に行ってこいって
先生に伝えとくと労ってくれる。
笑いながら大丈夫だよというが
半ば強引に教室を追い出された。
まあ確かに次の授業はHRみたいなもんだし。いいか。
じゃ行ってくるとゆっくり廊下を歩くと
始業のチャイムがなる。
半ば気軽になった俺はゆっくりと保健室に向かう。
外からは賑やかな中等部が球技をしてる。
サッカー?ポートボール?バレーさまざまだ。
ああレクか。楽しそうだな。
校庭がよく見える半外の踊り場から見てると
『bancahnくん?
女性の声で呼び止められる。
ああ、同じクラスメイトの女子だ。
同い年だけど
少し大人びて落ち着いている女子だ。
化粧もスタイルも派手ではないが
少しの色気を漂わす。
所作も綺麗で本当に同い年かと思う。
どうしたの?と聞かれ保健室に行くんだというと
心配してくれる。
『珍しいわね。健康優良児な感じなのに
とくすくす笑う。
笑う所作も可愛いく大人びる。
なんだか恥ずかしくなって
彼女こそどうしたのと聞くと
先生に呼び出されて遅くなったと。
そっちこそ一体何したんだよ。
首を傾げながら
呆れてると
彼女が近づいてくる。
すぐそばに
彼女の顔
覗き込むように
俺の顔を見上げる。
え、なんで
何?
近い
『秘密よ
彼女は囁く
何を?
何が?
彼女が
先生に呼び出されたこと?
なんで?
目を見開き彼女を見つめるが
含みのある笑みを浮かべ
するりと俺の小脇に抜けていった。
一瞬度肝を抜かれ
彼女の後ろ姿に目を送った瞬間
『きゃああああああ!!
『ヨンボガ!!
『!大丈夫?
『先生!早く!
声に驚いて
校庭を確認する。
人だかりの隙間に
チラリと見える見慣れた
色素の薄い 髪と肌
ヨンボガが校庭に倒れていた。
まるで
光に召された天使ののように。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。