ゆっくりと体を離す。
呼吸を整えて
ほら起きちゃうわ。
困るリノを見つめながら
最初から緩んである手を離してあげる。
離したくないけど。
名残惜しいのは僕だけじゃないはず。
また明日。ね。
耳元で囁いてドアに向かって進む。
静かにドアを閉めた。
力が抜ける。
抜けて床に座り込んでしまった。
混乱と脱力。
なんてこと。
欲望のままに動くなんて
もう!全部
ハニが
悪い。
ソファーに座って
飲み直してたら
イエナがなんとも言えない顔して戻ってまたどっかにいった。
そのあとを少し経って
チャンビナが真面目な顔して
ヌナどこ行きました?って聞いてきたから
指差しながら教えてあげたけど。
…やらかしたな チャンビナ。
もーしっかりしなよ。
グラスを飲み干した。
スンミナってなかなかお酒強いのね。
どれぐらい飲んだの?
同じグラスを持って
少しのスナックのおつまみを持って
スンミナの隣に座った。
人並みだと思うけどな。
ヒョンジナもよく飲んでるよね。
片付け終わって、一休み。
スナックをつまみながら
また新しいアルコール缶を片手で開ける
開けたらヒョンジナが缶を奪い
自分と俺のグラスに注いだ。
乾杯。と二人でグラスを交わす。
一口飲んだあと
ジナを見る。
ジナの唇を。
美味しそうに飲む唇。
ふくよかな唇がグラスを捉え
濡れていく。
見ているだけで俺の喉がなる。
飲み干した唇が告げる。
休暇だからかしら。
なぜか美味しいわ。
心に余裕があるから。
ストレス発散の飲み方じゃないからかしら。
グラスを見つめてると
また視線を感じた。
ああ。また。
隣の彼。
冷やかしながらまた聞いてみた。
私の飲む顔面白い?
慌てて目をそらして
またやってしまった。
お酒が進み自制が効かなくなってきたな。
長く見つめてはまずいと思いながらも我慢が効かない。
顔が火照る。
アルコールのせい…ではないな。
グラスを口に近づけて飲み誤魔化そうとしたら
ヒョンジナにグラスを取られた。
顔が、目が蕩けてるわよ。
スンミナの足に手を置き
もう限界なんじゃない?
覗き込んで聞いてみる。
近い。近いよ顔がヒョンジナ。
余計に顔が火照る。
酔ってない。
酔ってなかったさっきまでは。
急に鼓動が速くなる。
酔い始めてる。
触れないで。熱い。
顔を近づけて心配になって様子を見る。
言ってる言葉と裏腹。
眉を顰め
顔を赤らめてる。
戸惑う彼が
愛おしくて
可愛い。
そう
…食べてしまいたいほど。
気づいた時には
スンミナの唇を喰んでいた。
舐めて。
口の中も味わって。
吐息が漏れて
唇が離れる。
なにを。
お酒の味と
スンミナの味。
我慢できなくて
食べてしまったのは
酔いのせい。よね?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!