お婆さんは立ち上がり
イエナを見つめる
確かに
身長も体つきも似てる。
年老いたが背は曲がらずに
白髪は増えたが
スタイルの良さはそのままだ。
イエナも
華奢ながら身長も同じく
顔つきも流れる瞳と
大きい唇が豪快に笑う
お祖母様と似ている。
二人は
見つめ合う。
言葉を無くし
お互いを確かめ合っている。
似てるわ。
私の若い頃に
言われてみればってところしか私も言えない。
私はあんまり実の家族には似てないのよね
リノオンニには性格似てると思うんだけど私。
リノオンニは父親に似て綺麗なの。
羨ましい。
二人見つめあって
おばあちゃん
イエナヌナに何か。
はっ!
可愛いからって
いじめはダメですよ!
婆さんの若い時にそっくりんなじゃよ
チャンビナ。どうしたそんなに怒って。
おじいちゃんダメだってば
そんな嬉しそうに見つめないで!
ヌナは
俺の!
びっくりして
チャンビナに振り向く
すると手慣れて私の腰を掴み
抱き寄せた。
顔を見ると
真剣な表情に戻ってる。
さっきまでお小遣いもらって浮かれてた彼はどこに。
そうなの?
いつの間に?
可愛い彼女ねぇ
チャンビナにはもったいない…
なんだ そうなのか
さすが孫 わしと好みが似てるな?
気まずくて挨拶しちゃったけど
もう!恥ずかしいから離してと
脇腹をこずくが
ご機嫌なのか気づかない。
もう!家族の前でしょ?
恥ずかしいわ!
ほんとに?
この騒がしい子で大丈夫?
心配だわ
男の好みは私と似てないわね…
オロオロと心配しながら彼女を見つめる。
やめるなら今よ。協力するわよ?
大丈夫?
チャンビナの言葉を遮るように言い放つ
子どもみたいで可愛いですよ?
笑ったり
怒ったり
いじけて
泣いたり。
目が離せない。
その中心に私がいるんです。
私を思って
彼が目まぐるしく
騒いでる。
私が
一番なんですよ。
にっと笑ってお祖母様に伝えると
お祖母様は一瞬ハッとしたが
その後穏やかに笑い微笑んだ
ああ そうね
そういうところは私と一緒ね。
微笑み方が似てる
その笑い方
強い。
わかるわ
従えようとする気持ちに似てる。
イエナさんの笑いに私も同意し
微笑む
隣のお爺さんはわからずに
チャンビニと彼女を見渡してるが
幸せそうに微笑んでいる。
チャンビニはわからず
少し戸惑い
どういうこと?
と女たちの様子を見てる。
ほら見て
かっこいいでしょう彼。
ポケットからトレカを出してみせる。
これね私が最近応援してるのよぅ
若いな!最近のイケメンアイドルだよ。
そんなの持ってんの。いつも?
わあ かっこいい!
確かに
チャンビニとは違う。
でも私の好みとも違うかも?
というか私の好みってあるのかな?
お祖母様が持ってたアイドルは
中世的で綺麗な男性。
かっこいいというか
綺麗。
婆さん ずっと持って旅行中も眺めてたな
かっこいいでしょ?
頬に手を当てて
うっとりとトレカを眺める。
驚いて声が詰まる
この綺麗な男性が?
お爺様に?
チャンビナと私はお爺様を見つめる。
豪快に笑うお爺様の声が
リビングに響いた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!