セガが新型携帯ゲーム機を準備中? 5インチ有機EL+着脱式カートリッジのうわさ

多根清史
アニメライター/ゲームライター
写真:Shutterstock/アフロ

ここ数年のセガは自前の家庭用ゲームハードから遠ざかっていますが、「着脱式ゲームカートリッジを備えた低価格な2D特化型携帯ゲーム機」を準備している可能性があるとの噂が報じられています。

これは「小規模な専門電子機器メーカー」の従業員を名乗るSeraphHS氏が、海外掲示板Redditに投稿したものです

それによると、勤務先の会社は「これまでにセガのライセンスハードウェアを手掛けたことのある企業」から見積もり依頼を受けたとのことです。その例としてGenesis Mini(メガドライブミニ)を挙げ、「セガから直接ではありませんが、間違いなくその周辺にいる企業です。TectoyやAtGamesのような会社を思い浮かべてください」と語っています。

細かなツッコミをすれば、メガドライブミニはセガが自ら企画・販売を行った「セガ公式の自社ハード」です。一方で、例に挙げられているTectoyやAtGamesの製品は「セガからライセンス許諾を受けて自社ブランドで販売した」ものであり、まったく別物です

とはいえ、SeraphHS氏がそのあたりを本当に混同していて、実際には「メガドライブミニの開発・製造に関わったセガ外部の企業」を意味している可能性もあります。

さらにSeraphHS氏は、その提案内容が「非常に興味深く、かなり重要なものに思えた」として、次のような特徴を持つデバイスだと説明しています。

• 低価格の携帯型ゲーム機を想定。
• プロセッサ:x86系ではなく、低電力のARMプロセッサを採用。
• ディスプレイ:5インチの有機EL(OLED)パネルを採用(PlayStation Vitaとほぼ同等のフォームファクタ)。画面にコストを割く分、他の部分では徹底的なコスト削減が図られている。
• グラフィック:基本的なUIや画面合成を超えるような「3Dアクセラレーション」への言及はない。仕様書には「現代の2Dタイトル」や「ピクセルアートの表現」向けに設計されているとの記述がある。
• ストレージ:AIブームによるNAND価格高騰の影響を受けにくい、低容量の産業用eMMCモジュールのようなものが使われている。ターゲットが2Dインディーゲームなどであれば、この容量でも理にかなっている。
• メディア:着脱式のゲームカートリッジを採用。

こうした要求仕様から受ける印象について、SeraphHS氏は「レトロゲームのエミュ携帯機というより、物理メディアを採用した専用の2Dプラットフォームに近い」と語っています。さらに「こういった企画は結局実現しないことがありがちです。しかし、私はこれがセガ関連の案件であることに賭けてもいいと思っています」と付け加えています。

こうしたコンセプトは、まさに英Blaze Entertainmentが数年前から展開している「EVERCADE」および「Super Pocket」そのものです。EVERCADEは公式ライセンスを受けたレトロゲームやインディーゲームをカートリッジ化したもので、Super Pocketはそれを遊べる携帯ゲーム機です。

これまでEVERCADEはタイトーやSNK(NEOGEO)、テクノスジャパンやデータイーストなどのライセンスを取得してきましたが、セガは提携したことがありません。もしセガが自前で「携帯ゲーム機+自社レトロゲーム入りカートリッジ」を計画していたのであれば、その理由にも説明がつきそうです

もっとも、そもそもの証言からすると、「AtGamesがセガからライセンスを取得し、自社製品としてカートリッジ着脱式の携帯メガドライブを検討している」可能性も否定できません

同社のエミュレーションは概して質が高いとは言い難く、これまでは「安い」という一点だけで大目に見られてきた側面があります。それだけに、あまり期待を膨らませすぎず、続報を待ちたいところです。

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アニメライター/ゲームライター

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京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、マグミクスで記事を執筆中。

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