Note攻略、48本総選挙。──スキ1,100の記事がある。でも、1位は別の記事だった。データが教えてくれた3つのこと。
48本書いて、全部のデータを並べた。伸びる記事には「型」があった。
── 人口4万人の港町で、毎日5件以上、年間1,200件の経営の相談を受けている、荒川健生です。
今日は、休日。
いつもの経営コラムとは少し違う話をする。
Noteの記事が、ちょうど?48本になった。
その数字を見て、あることが頭に浮かんだ。
48。。。。AKB48。
私はその世代。立候補48人。
ファン投票で順位が決まる、あの総選挙。
気づいた瞬間。
「自分の記事で、総選挙をやってみよう」。
思い立った。
ちなみに、荒川だからARK48。
誰も呼んでくれないので、自分で言った。
そして、どうせ書くなら、ただの総選挙ではつまらない。
48本のPV数、スキ数を全部並べてみたら、面白いことが見えた。
伸びた記事と伸びなかった記事。
その差は「内容の良し悪し」ではなかった。
なぜ、あの記事は伸びたのか。
なぜ、あの記事は届いたのか。
数字と心理の両方から振り返りながら、
解説版、総選挙をやってみる。
■ 48本のデータを並べて見えた「3つの法則」
総選挙の前に、まずデータの話をさせてほしい。
48本のPV数、スキ数を全部並べてみた。
すると、伸びた記事と伸びなかった記事の差が、はっきり見えた。
48本の中で、反応が分かれるポイントは3つだった。
法則① タイトルに「あなた」がいるかどうか。
人は、自分に関係のない情報を無視するようにできている。
これは、「カクテルパーティー効果」と呼ばれている。
騒がしいパーティー会場でも、自分の名前だけは聞こえる。
あの現象だ。
Noteのタイムラインも、パーティー会場と同じだ。
大量の記事が流れている。
全部は読めない。
その中で指を止めるのは、「これは自分の話だ」と感じた瞬間だけだ。
48本を見返すと、タイトルに「あなた」や問いかけが入っている記事は、そうでない記事よりPVが明らかに高かった。
「あなたは『中身』で選んだことがあるだろうか。」
「あなたは今、何分目にいるだろうか。」
この一言が入るだけで、読者の脳が「自分ごと」として処理を始める。
逆に言えば、どれだけ中身がよくても、タイトルで「自分の話だ」と思わなければ、クリックされない。
Noteのタイムラインで記事が見られる時間は、たぶん0.5秒だ。
0.5秒で「あなたの話ですよ」と伝えなければ、存在しなかったのと同じになる。
法則② 冒頭3行で「景色」が見えるかどうか。
タイトルをクリックしてもらえた。
でも、ここからもう一つの壁がある。
冒頭3行で離脱するか、読み進めるかが決まる。
Noteでは、冒頭がサブタイトルとしてタイムラインに表示される。
つまり、冒頭はタイトルの次に見られる「第二の看板」だ。
48本の中でスキ率が高い記事には、共通点があった。
冒頭3行に「説明」がない。代わりに「景色」がある。
定食屋のテーブル。コンビニの棚。パティシエの手元。
読者の頭に映像が浮かぶ。映像が浮かぶと、脳が「体験モード」に入る。
すらすら処理できる情報ほど、人は好意的に受け取る。
逆に、抽象的な説明が並ぶと、脳が「分析モード」に切り替わる。
分析モードの脳は、冷たい。
離脱する。
冒頭で景色を見せる。説明ではなく、映像を渡す。 これだけで、記事の生存率が変わった。
法則③ 構造に「矛盾」があるかどうか。
48本の中で最もスキが多い記事には、タイトルか冒頭に「矛盾」がある。
「品質がいいのに売れない。」
「甘い映像に、苦い言葉。」
「スキ1,100の記事がある。でも、1位は別の記事だった。」
─最後の一文は、この記事のタイトルだ。
あなたがこの記事をクリックしたのも、
たぶん、なにかが気になったからだ。
人の脳は、矛盾を放置できない。
AとBが同時に成り立たない状態を見ると、脳が「なぜだ?」と動き出す。
この「なぜだ?」が、スクロールを続けさせる。
矛盾は、読者に「答えを探す旅」を始めさせる。
答えが見つかるまで、記事を閉じられない。
まとめると、48本を分析して見えた法則はこうだ。
タイトルに「あなた」。
冒頭に「景色」。構造に「矛盾」。
この3つがそろうと、記事は伸びる。 逆に、どれかが欠けていると、内容がどんなによくても、読まれる前に流れていく。
更にテクニックの詳細そして別視点でも詳しく記載。(すべて無料)
では、この法則を頭に入れた上で。
総選挙の開票に入る。
■ 開票の前に──スキ1,100超え。それでも、選ばなかった
開票の前に、触れなければならない記事がある。
48本の中に、1本だけ桁が違う記事がいる。
スキの数、1,100超え。
他の記事が2桁で並んでいる中、この記事だけ4桁だ。
48本を並べたら、1本だけ身長が3メートルある。
そういう記事だ。
「ありがとう」と「ごめんなさい」。たった10文字が、人生の9割を決めている。
定食屋で見た光景から始まる記事だ。
隣のテーブルの先輩は、店員さんに目も合わせずに注文した。
後輩は、メニューを両手で返しながら「ありがとうございます」と言った。
たったそれだけの違いで、2人の「人格」が見えた。
その話を書いたら、1,100人以上の方がスキを押してくれた。
なぜ、この記事だけが4桁まで伸びたのか。
先ほどの3つの法則がすべて入っている、というのもある。
でも、それだけじゃない。
この記事が刺さった最大の理由は、「全員が当事者」だからだ。
経営相談の記事は、経営者や個人事業主に届く。
でも、「ありがとう」と「ごめんなさい」は、事業をやっていない人にも刺さる。
学生にも、主婦にも、会社員にも、全員に当てはまる。
つまり、「届く相手の母数」が、桁違いに大きかった。
これが、この記事だけが4桁になった構造的な理由だ。
ここに、発信における大事な学びがある。
「いい記事を書く」だけでは、数字は伸びない。
「誰に届く記事か」で、天井が決まる。
届く相手が広いほど、数字の天井は上がる。
届く相手が狭いほど、数字の天井は下がる。
ただし、「広ければいい」というわけでもない。
それは、このあとの2位の記事で見えてくる。
もし今回の総選挙に、読者全員の投票があったなら。
開票するまでもない。ぶっちぎりの1位だ。
他の候補は、出馬を取りやめたほうがいいレベルだ。
でも、今回の投票者は私ひとりだ。 投票用紙は1枚。書けるのは、私だけ。
1,100人の声が聞こえる。 「当然、あの記事が1位でしょう?」と。
その上で、私は別の記事の名前を書いた。
1,100人が選んだセンターと、私が選んだセンターは、違う。
でも、どちらも本気だ。
では、開票する。
■ 第3位の発表です。
── まず、第3位。
48本の中から3位に選ばれたのは、この記事です。
(会場、ざわつく。会場には誰もいないが。)
第3位
「実はわたし……上位1%です」。このSNSを分析。なぜ指が止まるか分かりますか。
得票数:1票(投票者:私)
この記事を一言で言うと: 甘いケーキの映像に、苦い現実のテロップ。たった54秒の動画が、なぜ指を止めるのか。その「矛盾の力」を分解した記事。
スピーチ:
この記事は、個展を控えた方とのSNS相談がきっかけだった。
「何から発信すればいいかわからない」。 その一言から始まった面談で、一緒にひとつの動画を見た。 パティシエの方が投稿した、54秒のリール動画。
きれいなケーキを作る映像。 でもテロップには「1年で70%が辞める。3年で90%。10年で99%」と出る。
甘い映像に、苦い言葉。 この「矛盾」が、人の指を止める。
なぜこの記事を3位に選んだか:
この記事は、先ほどの法則③「矛盾」を、記事そのもので実演している。 甘い×苦い。きれい×厳しい。 読者は記事を読みながら、同時に「矛盾の力」を体験する。
SNS攻略の記事は世の中にあふれている。 でも、「説明する記事」と「体験させる記事」は、まったく違う。 読んで「なるほど」と思うだけの記事は、閉じたら忘れる。 読みながら「あ、今まさに自分が止められている」と気づく記事は、記憶に残る。
これを「メタ認知」と言う。 自分の思考を、自分で観察する力だ。 この記事を読んだ人は、次にSNSを開いたとき、指が止まった瞬間に「なぜ止まったのか」を考えるようになる。
知識を渡す記事は、情報を増やす。 視点を変える記事は、世界の見え方を変える。
この記事がやっているのは、後者だ。 だから、3位に選んだ。
この記事から学べること: 発信で「見せ方」に悩んだら、「矛盾」を探してみる。きれいなものの裏側にある厳しさ。簡単そうに見えることの難しさ。2つの反対をぶつけたとき、人の指は止まる。
■ 第2位の発表です。
── 続いて、第2位。
(ドラムロールが鳴る。ドラムロールは、自分のキーボードを打つ音。)
この記事には、ひとつだけ、他の47本にない記録がある。
先に言っておく。
PV数と、スキの数が、同じだ。
つまり、読んだ人の100%がスキを押した。
スキ率、100%。打率10割。
48本の中で、これだけだ。
第2位
得票数:1票(投票者:私)
スキ率:100%(読んだ人、全員がスキを押した記事)
この記事を一言で言うと: 「のぼりを作りたい」の裏には、「気づいてもらえない不安」があった。言葉の裏にある本当の声を聴く技術について書いた記事。
スピーチ:
これは、自分の仕事の「核」を書いた記事だ。
相談の現場で、いつも思うことがある。 事業者の方が口にする言葉を、そのまま受け取ると、相談は成立しない。
「新しい商品を作りたい」の裏には、「今の商品に自信がない」がある。
「SNSを始めたい」の裏には、「届いていない焦り」がある。
「のぼりを作りたい」の裏には、「お客さんに気づいてもらえない不安」がある。
言葉の表面でキャッチボールをすると、作業の打ち合わせになる。
言葉の裏にある声を拾って、はじめて相談が始まる。
なぜスキ率100%なのか:
殿堂入りの記事は、スキ1,100。「広く」届いた記事だ。 この記事は、スキ率100%。「深く」届いた記事だ。
先ほど「届く相手の母数で天井が決まる」と書いた。 でも、この記事は母数が小さくても、読んだ人全員の心を動かした。
なぜか。
たぶん、「自分のことだ」と思ったからだ。
「のぼりの話」を読んでいるのに、読者の頭には自分の記憶が浮かぶ。
上司に「大丈夫です」と言った夜。
本当は大丈夫じゃなかった。
友人に「忙しくて」と断った日。本当は別の理由があった。
記事の中の事業者に、自分を重ねる。
「言葉の裏に本当の声がある」という構造が、読者の内側で共鳴する。
ここに、発信におけるもうひとつの大事な学びがある。
「広く届ける」と「深く届ける」は、別の技術だ。
広く届ける記事は、誰にでも当てはまるテーマを選ぶ。
深く届ける記事は、具体的なエピソードで「自分のことだ」と思わせる。
どちらが大事か。どちらも大事だ。
でも、深く届いた記事を読んだ人は、次の記事も読みに来る。
数字に表れない「信頼の貯金」が、ここで生まれる。
だから、2位に選んだ。
この記事から学べること: 発信は「広さ」と「深さ」の2軸で考える。スキ数(広さ)とスキ率(深さ)は別の指標だ。数字が小さくても、読んだ人全員の心が動く記事は、長期的な繋がりを生む。
■ そして、第1位の発表です。
── いよいよ、第1位。
(会場が静まり返る。会場には最初から誰もいないので、もともと静かだ。)
48本の中から、たった1本。 全部1位にしたい。本当にそう思っている。
でも、1本だけ選べと言われたら。
自分の心臓の音が、少しだけ速くなっている。
自分で選んで書きながら、緊張している。
第1位
人生が60分のドラマだとしたら、あなたは今、何分目にいるだろうか
得票数:1票(投票者:私)
この記事を一言で言うと: 10代~20代は伏線を張る。30代は走る。40代は立ち止まる。50代で全部回収する。あなたのドラマは、今どのシーンか。
スピーチ:
この記事は、休日に書いた。
いつもの記事は、相談の現場がきっかけだ。 でもこの記事は、自分自身と向き合う時間から生まれた。
「自分は今、人生の何分目にいるんだろう。」
ドラマに構造があるように、人生にも構造がある。 導入があって、展開があって、転換点がある。 クライマックスがあって、ボーナスステージ(ドラマの延長)がある。
書きながら、相談に来てくれた方たちの顔が浮かんだ。
50代の方が言った「新しいことを始めたいけど、遅いですよね」。
40代の方が言った「やれることは増えた。でも、やりたいことがわからなくなった」。
あの方たちの言葉を、ドラマの構造に重ねたとき、伝えたいことが見えた。
50代は「終盤」じゃない。
「クライマックスの入り口」だ。
40代の迷いは、「物語が動いている証拠」だ。
なぜこの記事が1位なのか:
3位は「視点を変える」記事だった。
2位は「自分を重ねる」記事だった。
1位のこの記事は、「自分の現在地を教えてくれる」記事だ。
人は、自分がどこにいるかわからないとき、一番不安になる。
地図があっても、現在地がわからなければ、歩けない。
この記事は、読者に「地図」と「現在地」を同時に渡す。 ドラマの構造が地図。「あなたは今、何分目か」が現在地。
人は、自分の人生を「物語」として理解しているときに、最も安定する。
「自分はどこから来て、今どこにいて、どこに向かっているのか」。
この物語が描けると、不安が減り、行動できるようになる。
この記事は、まさにそれを読者に渡した。
「あなたの人生は、今このシーンです」と。
この記事を公開した後、多くの反応をもらった。
「自分のドラマ、まだ書き直せるんですね」。
そういうメッセージが届いた。
読んだ人が、「自分の話だ」と思い、「まだ間に合う」と思い、「動いてみよう」と思った。
知識を渡す記事ではない。
背中を押す記事でもない。
「あなたは今ここにいる。そしてここから先が、一番面白い」と教える記事だ。
だから、1位はこの記事だ。
この記事から学べること: 発信で最も強いのは、「読者に現在地を教える」記事だ。「あなたはここにいる」と伝えた瞬間、読者は自分の物語を取り戻す。人は情報では動かない。「自分の話だ」と思ったとき、動く。
■ 48本の総選挙で見えた「発信の本質」
ここまで、3つの法則と3本の記事を見てきた。
最後に、全部をつなげてみたい。
正直、順位をつけるのは難しかった。
48本すべてに、きっかけになった相談がある。
すべてに、書いた夜の記憶がある。
全部、届けたい記事だ。
解説ももっとしたい。
今回、スキ1,100超えの「ありがとう」と「ごめんなさい」を、殿堂入りにしてTOP3から外した。
読者が選んだセンターを差し置いて、自分のセンターを選ぶのは、どうなのかとも思った。
でも、書いた。
やってみて気づいた。
このように「選ぶ」と、自分が何を大事にしているかが見える。
これは、事業でも同じだ。
メニューが20個ある店に「一番のおすすめは?」と聞く。
「全部です」と返ってきたら、何を頼めばいいかわからない。
「全部おいしい」は、お客さんにとっては「何もわからない」と同じだ。
全部大事。
でも、1つ選ぶ。
その「1つ」に、自分の軸が出る。
48本を並べて、3本を選んで、1位を決めた。
そのとき初めて見えたものがある。
自分が書き続けているのは、
「あなたにはまだ気づいていない価値がある」 ということだった。
3位の記事は、「矛盾の中に強さがある」と伝えた。
2位の記事は、「言葉の裏に、本当の声がある」と伝えた。
1位の記事は、「どのシーンにいても、物語は書き直せる」と伝えた。
全部、同じことを言っている。
まだ気づいていないだけで、あなたの中に、旗になるものがある。
そして、48本のデータから見えた法則。
タイトルに「あなた」。冒頭に「景色」。構造に「矛盾」。
これは発信のテクニックだ。
でも、テクニックの奥にあるのは、たった一つのことだ。
「読者の頭の中に入って、読者の言葉で語る」
相手が何を見ているか。何を感じているか。
何に困っているか。
それを想像して、その人の言葉で書く。
結局、記事も日々の相談も同じだった。
相手の声の裏にある声を聴く。
相手の頭に浮かぶ景色を一緒に見る。
テクニックは入口だ。
でも、その先にあるのは、
「相手の立場に立つ」というシンプルなことだった。
48本書いて、ようやくそれが見えた。
選ばなかったら、見えなかった。
書いてよかった。
■ 明日からできる1行
最後に、この記事の学びを1つずつまとめておく。
法則① タイトルを書いたら、「あなた」が入っているか確認する。または、問いかけにする。
法則② 冒頭3行を読み返して、景色が浮かぶか確認する。「説明」から始まっていたら、「場面」に書き換える。
法則③ 記事の中に「AなのにB」という矛盾があるか確認する。なければ、常識の裏側を1つ探す。
すべての記事に共通する本質 テクニックの奥にあるのは、「相手の頭の中に入って、相手の言葉で語る」こと。記事も目の前の相談も、商売も、全部同じだ。
どれか1つでも、今日の発信で試してみてほしい。
■ あなたの"推し記事"を教えてほしい
今回の総選挙、投票者は僕ひとりだった。
でも、いつか、読んでくれた方と一緒にやりたいと思っている。
もし、48本の中で「この記事が好きだった」というのがあれば。
コメントでも、SNSでも、直接でも。
教えてもらえたら、嬉しい。
次の総選挙は、投票者2名かもしれない。
それでも、前進だ。
あなたの1票を、待っている。
追伸
この記事を書いて、気づいたことがもうひとつある。
「おすすめを1つに絞りましょう」と、相談では毎日のように言っている。 なのに、自分の記事を3本に絞るのに、2時間かかった。
そして、人生のドラマを1位に選んだが、 自分のドラマは仕事のシーンばかりで、恋愛パートが一向に撮影されない。
次の総選挙までに、婚活の進捗もご報告したい。
毎日書く。すべて無料。
スキは「よかった」の声。
フォローは「明日も読む」の声。
どちらも、ちゃんと届いています。
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